文研ブログ

放送ヒストリー 2017年12月15日 (金)

#106 『NHK年鑑2017』を発行しました

メディア研究部(メディア史研究) 三矢惠子

『NHK年鑑』
の編集長をしています。ブログへの登場は1年ぶりとなります。
『NHK年鑑』はその名のとおり、1年に1度発行する、NHKを中心とした放送界の動きを記録した刊行物です。

2016年度の動きをまとめた『2017』版を11月10日に発行し、12月12日から、その中のNHKに関連した情報をこのホームページ上で公開しています

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『年鑑2017』

2016年度の放送界の大きなトピック、4K・8K試験放送の開始については、第2章第1節で丁寧にとりあげたほか、各部局のページでも、関連するそれぞれの取り組みを紹介しています。また、当然のことながら、番組解説でも資料編の番組時刻表でも、「スーパーハイビジョン試験放送」という項目が新たに加わっています。
ところで、社会のデジタル化が進んで便利になっても、世の中から紙の本が消える、という状況にはなっていません。電子化されたデータにはない、本ならではの使いやすさや本だからわかることがあるからでしょう。

今回の『NHK年鑑2017』では、そんな本としての使い勝手をよくする、ささやかな改善を2つ施しました。1つは、目次のレイアウトをわかりやすく変えたこと、もう1つは「年鑑」のキラーコンテンツとも言える「番組解説」を第4部として独立させ、資料編の直前に配置して探しやすくしたことです。
もっぱらネットで「年鑑」を利用してくださっている方にはピンと来ない改善かもしれませんが、本を使い慣れている方には、きっと使い勝手がよくなったと思います。

もちろん、内容的にも、『NHK年鑑』には、次のような高い資料価値があります。
 ◇創刊は1931年(当時は『ラヂオ年鑑』)と歴史が長いこと
 ◇これ1冊で放送、技術、経営、その他、NHKの全体がわかること
 ◇「番組解説」という、この本でしかわからない情報があること

『NHK年鑑』が本当に役に立つのは、刊行してすぐというよりは、少し時間が経ってからのことでしょう。“その時”に思いを馳せながら、今年も編集作業を進めました。

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(校正・編集作業風景)