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2023年3月17日

おススメの1本 2023年03月17日 (金)

#463 NHKの長寿番組 調べてみると意外なジジツが...

メディア研究部 (メディア史研究) 居駒千穂

 昨秋に刊行した『NHK年鑑2022』(NHK放送文化研究所編)の「第4部 番組解説」では番組ひとつひとつの詳細データをまとめています。今回、そこに記載されている、国内定時番組476番組のデータをもとにいろいろ調べてみました。

NHK年鑑2022

 さっそくですが、簡単なクイズをひとつ。NHKの総合テレビ、Eテレ、BS1、BSプレミアム、BS4K、BS8K、ラジオ第1、ラジオ第2、FMの全9波(国内)で放送する定時番組、476番組の中で、もっとも長く放送を続けている番組は下の3つのうち、どれでしょう。

1.のど自慢
2.ラジオ体操
3.日曜討論

 これは当たったかたも多いのでは? 正解は、2.ラジオ体操です。『ラジオ体操』は1928年11月に放送を開始し、1947年9月1日から3年8か月の間、放送を中断しましたが、1951年5月6日に放送を再開しました。通算89年8か月放送を続けています(『年鑑2022』に合わせ、2022年3月末を基準に放送期間を計算しています)
 『ラジオ体操』に続いて長いのは、1.のど自慢で、放送開始から76年2か月経過しました。ついで長いのは3.日曜討論(前身は『国会討論会』)です。『のど自慢』も『日曜討論』も、ともに終戦直後の1946年にラジオ第1で放送を開始しました。

こんなにもあった。50年以上続く番組

 ここで、もう一問。NHKの国内定時番組476番組のうち、50年以上続く番組はいくつぐらいあるでしょう。次の中から選んでください。

1.約10番組
2.約20番組
3.約30番組

 正解は、3.約30番組です。
 表1を見てください。これは『NHK年鑑2022』「第4部 番組解説」に記載されている初回放送日に基づいて放送期間を割り出し、放送期間の長い番組から順に並べたものです。50年以上続く番組は数えてみると29番組ありました。
(2022年3月末を基準に計算。2021年度内に放送終了した番組も含みます)

表1 放送開始から50年以上のNHK番組(国内) 表1 放送開始から50年以上のNHK番組(国内)

 上位10番組は、テレビ放送開始の1953年より前の、ラジオ時代に始まった番組です。

放送波によって異なる放送期間と傾向

 3月に発行した『放送研究と調査』(NHK放送文化研究所編)では、総合、Eテレ、ラジオ第1、ラジオ第2、FMの波別に、放送期間の長いものから順に並べたグラフを掲載しています。
 波別に興味深い特徴が出てきましたので、ぜひご覧ください。
放送史料 探訪:『NHK年鑑』で振り返る放送の歴史④】 

(注)今回、分析対象にしたのは『NHK年鑑2022』の「第4部 番組解説」に掲載した、NHKの国内向け定時番組、476 番組である。データは2022年3月現在のものである。