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2018年3月 9日

調査あれこれ 2018年03月09日 (金)

#116 仕事のストレスが多い日本人

世論調査部(社会調査) 村田ひろ子

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皆さんは、仕事でストレスを感じることがどのくらいありますか?仕事でストレスを感じるのは、通勤時の満員電車、なかなか達成できないノルマ、上司や同僚とのトラブルなど、さまざまな原因が考えられそうですね。職場を離れた後も、上司からの叱責や人事評価のことなどをあれこれ思い返して、胃が痛くなるという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

さて、日本では仕事でストレスを感じている人が各国と比べて多いのか。NHKが参加している国際比較調査グループISSPが実施した調査からみていきましょう。仕事でストレスを感じることが『ある(いつも+よく)』という男性は、日本で5割を占めていて、先進各国と比べて多くなっています。働き盛りの30、40代の男性に限ってみると、日本では6割にのぼり、各国の中で最も多いという結果です。女性についてみても、日本人で『ある』という人は半数近くで、各国の中で多くなっています。

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なぜ、日本では仕事のストレスを感じる人が多いのか。次に、ストレスと関係の深い職場の人間関係についてみてみましょう。経営者と従業員の関係が『良い(非常に+まあ)』と答えた男性は、多くの国で7割以上を占めている一方で、日本では半数程度。各国と比べて低い水準です。女性についても、日本で『良い』と答えているのは6割で、男性同様、各国と比べると少なくなっています。

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最近セクハラなどの被害を訴え出る「#Me Too」運動が世界的に広がっていますが、ISSP調査では「この5年の間に、職場の上司や同僚から、いじめや身体的・精神的な攻撃といったハラスメントを受けたことがあるか」どうかを尋ねています。セクハラに限らず、さまざまな嫌がらせを受けた経験を聞いているわけですが、ハラスメントを受けたことがあるという日本人は、男性で20%、女性で33%となっています。各国と比べると多くなっていて、職場の人間関係の悪さと合わせて気になる結果です。

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「ハラスメントを受けたことがある」と「経営者と従業員の関係」についてみると、特に女性で関連が強くなっています。つまり「ハラスメントを受けた」と答えた人が多いと、「人間関係が良い」が少なく、日本はその傾向が顕著です。

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日本には、人間関係やハラスメントに悩む人が多い、ストレスフルな職場がたくさんありそうです。ここで、今回の調査からはちょっと離れて、ストレスへの対処法をひとつご紹介します。自分にとっての「気晴らし」をできるだけたくさんリストアップし、その気晴らしについてあれこれ想像をめぐらせるだけで効果があるそうです。私なら、「チョコを食べる」「映画をみる」「猫のモモちゃんをなでなでする」・・・。うんうん、確かに効果がありそうです。

116-0309-5.png「放送研究と調査3月号」では、最新の国際比較データから、仕事のストレスをもたらす要因について探るほか、各国との比較において日本人が仕事をどうとらえているのかについて考察しています。「働き方改革」の進め方についてのヒントも得られるかも!?

※)ISSP国際比較調査「仕事と生活(職業意識)」(Work Orientations Ⅳ-ISSP 2015)。
参考文献:NHKスペシャル取材班、2016、『キラーストレス 心と体をどう守るか』、NHK出版