文研ブログ

2016年10月 7日

調査あれこれ 2016年10月07日 (金)

#47 幼児はどんな番組や動画を見ているのでしょうか?

世論調査部(視聴者調査) 星 暁子

小さいころ、教育テレビ(2011年からEテレと呼ぶようになりました)をご覧になっていましたか? お気に入りの番組はありましたか?
文研では、毎年6月に、2~6歳の幼児を対象に「幼児視聴率調査」を実施しています。今年の結果では、1週間に15分以上Eテレを見た人(週間接触者率)は72.8%でした。昨今、「テレビ離れ」「NHK離れ」などと話題になることがありますが、小さい子はEテレを見てくれているんだと、NHKに勤める身としてはちょっとだけホッとする数字です。

この調査では、 テレビ視聴と録画番組・DVDの利用状況のほかに、自由記述のかたちで、“お子様がお気に入りの「録画番組」、「DVD」、「インターネット動画」”をそれぞれ書いてもらいましたので、きょうはその一部をご紹介したいと思います。

お気に入りの「録画番組」「DVD」には、Eテレの番組をはじめ、民放の人気アニメ番組や、ディズニーやジブリの映画など、大人でもよく知っている映像の名前がたくさん挙がっていました。
一方で、お気に入りの「インターネット動画」では、「アニメ」や「乗り物の動画」、「おもちゃを紹介する動画」のほか、タレントなどではない一般のお子さんの日常生活や、おもちゃで遊んでいる様子を撮った動画(「○○チャンネル」などとそのお子さんの名前が冠されているような動画)がいくつも挙がりました。

この「○○チャンネル」などの動画をいくつか見てみたのですが、私には正直のところ面白さがよくわかりませんでした…。ですが、周囲の小さい子がいるお母さん数人に聞いてみると、子どもはこういう動画が好きで、見始めるとじーっと見ているんだそうです。子どもは、年が近いと親近感を覚えるのかもしれません。

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同じく自由に記述してもらった「4月以降のNHK幼児番組についての意見・要望」からは、親は家事をしながら、幼稚園・保育園に出かける身支度をさせながら、という状況でテレビを見せている様子がうかがえました。毎日の生活に組み込まれているので、とても親しみを持っているけれど、子どもが熱中しすぎたり、家庭の生活時間と合わなかったりすると困るようです。

「英語番組を増やしてほしい」、「教養が身に付く番組をこれからも続けて」とか、「片付けができなかったり騒がしかったりするキャラクターが出る番組は、まねをされると困るので見せない」などのほか、「最近タブレットでYouTube動画をひたすら見ています。子どもをタブレットから離れさせるくらいの魅力的な番組をぜひお願いします」といった回答があり、子どもはインターネット動画も楽しんで見るけれど、親としては、「ためになる」「見せたくなる」「安心して見せられる」番組をEテレに放送してほしいと期待してくれているのかな、と思いました。

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幼児にテレビはどのくらいの時間見られているのか、最も見られている番組は何か、録画番組やDVD利用の状況…などの詳細な結果は、「放送研究と調査」11月号(11/1刊行予定)でお読みいただければ幸いです。
あなたが小さいころお気に入りだった番組が、今も小さい子たちに親しまれているかもしれません。