文研ブログ

2016年2月26日

おススメの1本 2016年02月26日 (金)

#12 放送メディア研究「世論をめぐる困難」編集事務局より

世論調査部(社会調査)原 美和子
         (視聴者調査)中野佐知子
計画管理部 (計画)   西村規子

こんにちは、今回は3人組の文研ブログです。
文研では、放送にまつわるさまざまなテーマについて、専門の研究者たちの最新の論文やインタビューをまとめた「放送メディア研究」を刊行しています。今回は、先日刊行したばかりの第13号「世論をめぐる困難」のご案内です。

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編集事務局その1の原です。今回のテーマは「世論」。世論調査部に所属している私たちですが、日々の業務について、いろいろ悩みの多いこの頃です。

中野 
その2の中野です。同じく世論調査部です。そうそう、私たちなりに努力はしているけど、調査に協力していただける人の率は年々下がっていますよね。それなのに新聞やテレビでは、最近はやけに「世論調査」の注目度が高いような・・・

  
そもそも、「世論」を「調査」する、という私たちの仕事にどんな意味や役割があるのか、自分たちの「商品」についてきっちり考えることすらあまりないですよね。一度どこかで、今この時点での「世論」それに「世論調査」の課題を整理することが必要なのでしょうが、日々の業務にかまけて手つかずになっていました。

中野 
文研所内のメンバーだけで考えて整理できるような、簡単なテーマでもないですしね。

西村 
その3、計画管理部の「放送メディア研究」窓口の西村です。
そこで今回、「放送メディア研究」のテーマに「世論」を掲げ、主に外部の研究者やメディア関係者の皆さんから、さまざまな視点や切り口で問題提起していただくのはどうだろうか、と話が動き出したんだよね。

  
その結果、今回の「放送メディア研究」は、世論調査部の人が自ら業務で扱う「世論」や「世論調査」に真正面から向き合う、というちょっとユニークなスタイルになりました。

中野 
所内の有志の研究員と何度もブレストを重ね、テーマは「世論をめぐる困難」に決定。
 
“世論測定をめぐる困難”
 “世論形成をめぐる困難”
 “世論が生まれる社会の困難”
 “困難から生まれる世論の未来、社会の可能性”
の4つの柱に整理して、論文を寄稿していただいたほか、インタビューなども行いました。

  
最終的には、大学の研究者から、NHKの番組制作者まで、本当にさまざまな分野から23人の方にご協力を頂くことができました。当初予定より相当ボリュームが増えましたが、その分内容をより充実させることができたのではないかと思います。あなたの読みたいテーマが、きっとひとつはあるはずです。

中野 
だけど、編集することがこんなに大変だとは・・・・。勉強にはなったけどね。

   
この機会にと、「世論」や「世論調査」をテーマにした世論調査までやってしまったりしたし。自らのキャパを完全に逸脱していた、と途中で青くなりました。

西村 
刊行に漕ぎつけたのは、ひとえに執筆などにご協力いただいたみなさんのお蔭です。私たちのつたない説明から巧みに企画意図をくみ取って、先進的な論文、活発な座談会、魅力的なインタビューを実現してくださいました。そして、忘れてならないのは、NHK出版のみなさんのご尽力。K編集長を中心とした強力なバックアップ体制がもしも無かったら…

  
今頃こんなブログを書いている場合ではありませんでしたね。

西村 
ということでいろいろありましたが、「放送メディア研究」第13号、今月22日より発売中です。詳しくは
こちら

中野 
「困難」とはいえ、嘆いてばかりいてよいわけではない。そのためにも厳しい提言や、反対に将来的な可能性などももろもろ取り上げた形になりました。一度お手にとってもらえれば幸いです!