「紅梅振袖」

2019年1月7日

作:川口松太郎

「紅梅振袖」は、縫箔屋(ぬいはくや)職人友次郎の江戸人情物語。腕のいい縫箔屋職人(振袖を仕立て刺繍をする職人)の友次郎(ともじろう)が思いを寄せていたのが、地主で大家の娘の君子。実は君子がお嫁に行くためにと紅梅模様の振袖を作りながらそれを君子に見せに行って会えるのがこの上ない幸せだった。しかし君子は自家の窮地を救うため侯爵家に引き取られるという悲運の道へ。ならぬ恋に身を焦がしていたある日、君子と友次郎の予期せぬ再会が訪れる。果たして,君子と友次郎の行方は・・・・。

語り:山本哲也

「赤帯の話」

2019年1月14日

作:梅崎春生

ソ連軍の捕虜になった主人公の“私”は、真冬のアムール川流域の収容所で、仲間とともに凍結した河の清掃作業に従事する。食料が乏しいため、“私たち”はいつも腹をすかせていた。シベリアの流刑囚だったという噂のある監督兵のイワノフ=“赤帯” (腹の上に赤い帯を巻いていたので付けたあだ名)は、寡黙で寂し気な雰囲気を漂わせながら、「がまんしてやってくれ」と、そんな私たちにやさしく接してくれた。ある日、赤帯は自分の荷物の中からたくさんの鮭や黒パンを出して、私たちに振舞ってくれた。翌日、赤帯は他の収容所に移った。あれは、私たちへの別れの贈り物だったのだ・・・。その年の夏、私は赤帯と再会する。お互いに懐かしみながら・・・・。

語り:松井治伸

「三年目」

2019年1月21日

作:山本周五郎

2017年9月2日放送のアンコール

広田屋伊兵衛のもとで子飼いの頃から働く大工の友吉は100人に1人と言われる腕利きの職人。伊兵衛は娘のお菊と友吉を夫婦にして広田屋を盛り立ててもらいたいと考えていた。ケガがもとで死に際にあった伊兵衛は、友吉の唯一の悪癖、博打をやめるよう頼む。友吉は博打仲間との縁を切るべく、お菊を弟分の角太郎に預け、江戸を離れる決心をする。三年後、江戸へ戻った友吉を待っていたのは、角太郎とお菊が夫婦になったという噂話。大雨の中、2人を捜し、深川の町を歩きさまよう友吉。やっと見つけた2人が住む家で知った驚きの真相とは…。

語り:古賀 一

「ふたりの名前」

2019年1月28日

作:石田衣良

2018年10月1日のアンコール

同棲していても、もし別れる時に所有物で争いたくない、そのために家財はもちろん、買ってきた食料品までイニシャルを入れる2人。別れが前提の同棲とも言える冷たい関係のように見えて、落ち着いた男女のどこか冷めた恋愛が、あるきっかけで絆を確かめ合うことになる、希望の物語。

語り:村上由利子