「泣いた赤おに」、「むく鳥のゆめ」

2012年10月6日

作:浜田 廣介

日本の童話専門作家の草分け的存在で、「善意」をテーマに数多くの童話を発表した浜田廣介。その作品は、こどものみならず、大人が感動させられることでも知られている。「ひろすけ童話」として親しまれている作品の中から、友人や親子の絆を描いた代表作2編を朗読する。

「泣いた赤おに」
 人間と仲良くなりたい赤おには、ある日、自宅の戸口の前に立て札を立てた。「ドナタデモ オイデクダサイ」と。しかし、村人たちは警戒して誰も近寄ろうとしない。それを聞いた親友の青おにが一計を案じてくれ、赤おにの家を多くの村人が訪れるようになった。しかし・・・。
 
 他に、「むく鳥のゆめ」。

「泣いた赤おに」(ポプラポケット文庫)所収

「ともだちだから」

2012年10月13日

作:甲木 千絵

かつて腕のいい植木職人だった繁造は、仕事先から譲り受けた老犬マキと暮らしている。ある日、彼は、作業中に脚立から転落し、はさみを操る右腕や腰に、しびれなどを感じるようになってしまう。それからというもの、自分の仕事に満足できず、悶々とした日々が続いたが、久しぶりの散歩で、老犬マキの首に巻きつけられた手紙を発見する。そこに書いてあった住所を訪ねてみると、手紙の主は、仕事場が遠く帰りの遅い両親と暮らし、学校でも友達のいない小学1年生・佐藤樹(いつき)だった。

「99のなみだ・桜」~涙がこころを癒す短編小説集~(リンダブックス)所収

「海ほおずき」など3編

2012年10月20日

作:小川 未明

2011年7月23日放送のアンコール。
生涯に千編にも及ぶ童話を書きのこし、「日本のアンデルセン」とも呼ばれる小川未明。その美しい日本語と広がりのある世界を朗読と効果音で紹介する。
「海ほおずき」・・・小さな町の夏祭り。道ばたでおばあさんが売っていた「海ほおずき」に魅せられた少女の夏を描いた佳作。
「眠い町」・・・その町に入ると誰もが急に疲労を覚えて眠り込む「眠い町」。少年は、そこで出会った老人から「疲労の砂」を託された。現代を見通すSF的異色作品。
「月とあざらし」・・・いなくなった我が子を、冷たい氷山の上で待ち続ける母アザラシの一途な嘆きとささやかな救いを抒情的に描き出した未明の代表作の一つ。

小川未明童話全集(講談社)所収

 語り:山田 敦子

語り:大沼 ひろみ

「三度目の初任給で」

2012年10月27日

作:田中 孝博

2011年12月3日放送のアンコール。
故郷の博多から東京へ出てきて5年になる主人公の耕平。大学卒業後にIT関連企業に勤めるが、飛び込み営業の辛さや職場での人間関係のわずらわしさから、1か月で辞表を書く。その後、広告代理店に勤めてみるが、会社のやり方に納得が行かず、初任給をもらうと同時に辞表を出すことになる。
ふらふらと道が定まらない中、出会ったのが、大学の先輩で、印刷会社で働く尾上だった。尾上と話しているうちに、彼の会社で働くことになり、三度目の初任給を手にする。

「99のなみだ・友」(リンダブックス)所収