「ドルシネアにようこそ」

2010年4月3日

新潮社「ドルシネアにようこそ」
作:宮部 みゆき

4月より、毎月最終土曜日は「沖縄熱中倶楽部」を放送いたします。

※高知県では別内容で放送いたします。

主人公・篠原伸治は、郷里の実家の速記事務所を受け継ぐため、東京でアルバイトをしながら検定試験合格を目指して勉強を続けている。伸治は地下鉄・六本木駅を利用するたびに、伝言板に「ドルシネアで待つ」と書く。告げる相手などいない。余裕のない生活の中でのささやかな気晴らしなのだ。「ドルシネア」とは、高級な雰囲気で知られるディスコの名前である。ところが、ある日、伸治は彼が書いた伝言に返事が書かれてあるのを見つけた。「今夜こそドルシネアに来てね 小百合」とある。はたして小百合とは何者なのか・・・。

「ひとしずく」

2010年4月10日

角川文庫「みぞれ」
作:重松 清

※富山県はラジオ特集「NHK富山~アナウンサーによる朗読の集い~」をお送りします。

妻の誕生日の前夜、銀座のワインショップで彼女の生まれた年のワインを買う42歳の「ぼく」。子どもはなく、夫婦二人の穏やかな結婚生活は15年目を迎えている。雑誌の記事に触発され、ことしの妻の誕生日は互いにプレゼントを贈りあう二人のお祝いにすることになった。そして翌日、妻の見立ててくれたシャツに袖を通し、いよいよ本格的にお祝いの料理とあのワインを…と思ったときに、義弟が息子二人を連れてやってくる。 彼らによって、二人のお祝いはめちゃくちゃに。新しいシャツにはたこ焼きのソースがつき、あのバースディ・ヴィンテージワインは無神経な義弟に飲まれていく…。飲み干されまいとした時、デカンタが倒れてワインが無残に床に広がった。「ぼく」は怒りを爆発させた。

アンコール「冬の蝉」(2008.10.11)

2010年4月17日

文春文庫「冬の蝉」
作:杉本 苑子

2008年10月11日放送のアンコール。
二人の武士を主人公に、上司への奉公ぶりをテーマにした時代小説。現代における勤務評定とも言えるものを 江戸時代に置き換えた設定で話が展開する。小心で自己保身に汲々としている山田十太夫と、硬骨漢の井上正在を対比させ、宮仕えのさまが軽妙なタッチで展開される。
これに十太夫の娘と正在の息子との恋が絡み、物語は、ほのぼのとした結末へと向かう。

語り:榊 寿之