「彼女の彼の特別な日/彼の彼女の特別な日」、「電話アーティストの甥/電話アーティストの恋人」、「黒電話ーA/黒電話ーB」
2011年2月4日
レコードのA面・B面のように、一つのストーリーを2人の別々の主人公の視点で綴り、出来事や出会いが、立場や状況の違いでどう受けとめられるかを描いた短編集『秘密。私と私のあいだの十二話』から、3人の作家の作品をアナウンサーの朗読と効果音で紹介する。
「彼女の彼の特別な日/彼の彼女の特別な日」
作: 森 絵都
あるバーでの物語。元恋人の結婚式に出席した女性と、その女性に勇気を出して話しかける男の物語。
「電話アーティストの甥/電話アーティストの恋人」
作: 小川 洋子
亡くなった伯母の作品にあったメモの電話番号にかけてみる甥。その電話を受けた女性との会話で、秘められた恋が明かされていく。
「黒電話ーA/黒電話ーB」
作: 堀江 敏幸
孫が欲しがった旧式の黒電話を退職した会社の倉庫へ取りに行く男性と、息子が欲しがった黒電話を義父がプレゼントしてくれた嫁の、黒電話が引き起こすショートストーリー。
『秘密。私と私のあいだの十二話』(メディアファクトリー)所収
「サトウキビの森」
2012年2月11日
作: 池上 永一
一年前、大学最後の夏休みを沖縄で過ごすためにやってきた彼と偶然出会った島の少女・東子。彼に淡い恋心を抱く。その彼が今年もやってくる。葉書で指定された場所は、去年初めて会ったサトウキビの森の前だった。東子は、この日のために街で買ったワンピースと麦わら帽子で彼を待ったが、なかなかやってこない。その間に、近所に住む男の子に話しかけられたり、オバァが通ったりする。さらに、天からスコールが降り注ぐ。そして、やっと一年ぶりに彼と会えた東子だったが・・・。
「あたしのマブイ見ませんでしたか」(角川文庫)所収
「梅の蕾」
2012年2月18日
作: 吉村 昭作
2011年7月16日放送のアンコール。
岩手県三陸海岸のある過疎の村。村長の悩みは、医師不在の村営診療所の運営だ。その村へ、千葉県の癌センターに勤務する堂前医師が家族でやって来た。夫人は野草を摘むのが趣味で、村人と親しみ、よく一緒に山に入った。
しかし、その夫人は白血病に侵されていた。余命の長くないことを知る堂前は、妻が命を燃やす最良の環境としてこの村を選び、一家でやって来たのだ。夫人は村での暮らしを楽しみ、十分に生きた。彼女は村人に梅の苗木を贈り、村人は喜んでその苗木を庭に植えた。
その夫人が亡くなり、実家のある湘南の町で葬儀が行われた・・・。
「遠い幻影」(文春文庫)所収
「かけら」
2012年2月25日
作:青山 七恵
2010年7月10日放送のアンコール。
本当は家族5人で行くはずだった日帰りの「さくらんぼ狩りツアー」。
大学生の桐子は、思いがけず父と二人で出かけることになる。
写真教室の課題「かけら」をテーマにした写真を撮るため、しぶしぶツアーに参加した桐子だったが、そこで、日頃あまり会話もなく、ほとんど意識したことのない父の意外な姿を見るのだった。
「かけら」(新潮社)所収








