「沖縄戦下の幼女 みえちゃんからの伝言」

2016年12月3日

作:比嘉 淳子(ひが・じゅんこ)

本土(関東)で都会生活をしていた「アタシ」は、3歳と1歳の子どもがいる主婦(夫婦とも沖縄出身)。本土から沖縄本島中部のマンションへと、家族そろって戻ったが、忙しさを理由に家族を顧みない夫とは喧嘩の毎日。ついに夫は家に帰らなくなった。「アタシ」は育児ストレスから娘を叱り、手をあげてしまうようになった。そんなある日、娘が「毎晩、みえちゃんが、首を絞める。助けて」と訴えてきた。みえちゃんは、沖縄戦の時、壕の中で母親にあやめられた幼女の幽霊だった。壕の中で「泣く子は悪い!泣くとアメリカに見つかる」と言われ続けたみえちゃんは、泣いている子を見つけると「泣くと殺されるぞ!」と訴えていたのだ。「アタシ」は気づいた。現代に生きる自分の娘と、壕で戦死した子どもの心に共通する気持ちがあったことに…。

「よろこびの歌」

2016年12月10日

作:宮下 奈都(なつ)

有名なヴァイオリニストの娘・御木本玲は、幼い頃から母と同じように音楽の道に進み、声楽家になることを信じ、育ってきた。しかし、誰もが合格を信じて疑わなかった音大付属高校の受験に失敗し、新設の女子高に進む。「ここは自分の居場所ではない」と心を閉ざし、クラスメートと距離を置きながら日々を過ごしていた玲は、2年生の秋、校内合唱コンクールの指揮者に選ばれ、目を背けてきた「歌」と向き合うことになる…。思春期の挫折と葛藤、楽しげなクラスメートと自分との距離感。避けてきた他者との交わりの中で少女は、自分の中に閉じ込めていた思いと、「間違い」に気付く。

「ミカリバアサマの夜」ほか

2016年12月17日

作:木内 昇(のぼり)

舞台は東京の下町、時は大正か昭和初期の裏路地の長屋。そこには、仕事が丁寧なお針子の齣(こま)江(え)、皮肉屋の老婆トメ、けなげに生きる魚屋の兄弟、浩一と浩三など、生業や暮らしを静かに営んでいる人々が登場する。さらには、この世とあの世を行き来する人たちも出てきて、物語は不思議な空気をまとって展開していく。お針子・齣江が、少女から綿の打ち直しを頼まれた綿入れをめぐる物語「ミカリバアサマの夜」と、貧しい暮らしの中で中学進学を目指している魚屋の次男・浩三がおこした事件にまつわる物語「煤払いと討ち入り」を朗読する。

「はるか」

2016年12月24日

作:北村 薫(かおる)

2016年3月12日放送のアンコール。
町の本屋の2代目、英造は、駅前の一等地のパン屋兼スーパーが店じまいするので後を探しているという商工会の話を聞き、思い切って、中西屋の店を出すことにした。学生時代の友達が開店祝いに贈ってくれた現代版画を飾った明るい店は、地の利もあって駅の乗降客が毎日何人か寄っていく。新しく雇ったパートの奥さんや短大生などの中で一際元気なのが、高校生の柳田はるかさん。変わらない毎日に何かしらエピソードを巻き起こすのだった。

年末特番のため休止

2016年12月31日