紅梅月毛(こうばいつきげ)

2018年6月4日

作:山本周五郎

本多家の家臣深谷半之丞(はんのじょう)が戦場で共に戦った名馬「紅梅月毛(こうばいつきげ)」。戦場で離れ離れになってしまった。戦に勝利し、「半之丞が乗る馬はどんな馬でもたちまち名馬となる」と評判が広まる。家康・秀忠の前で馬比べが行われることになる。
そんな中、半之丞は、農民が連れているよぼよぼの馬を買い取る。この馬に乗って半之丞は、3位になる。家康の質問に「戦場ではどんな馬でも乗りこなす。これが、本多家の家風である」と堂々と答える。最後に実はこの馬は「紅梅月毛」ということがわかる。
馬と人、山本周五郎の思いが伝わってくる作品。

語り:飯田恵一

「櫛」

2018年6月11日

作:曽原紀子

主人公は50歳を目前にした会社員の女性。
患った病気の手術を前に、20年ぶりに別れた夫に会うため京都へ向かう。
待ち合わせたのは、6歳で亡くなった娘と家族3人で訪れた思い出の寺。
息苦しいほどに見事な紅葉の中で、主人公が確かめたかったこととは――。

語り:白鳥哲也

「姥捨」

2018年6月18日

作:太宰 治

太宰治が、不倫した妻・初代と起こした心中事件をモデルに書いた私小説的な短編。あやまった人を愛撫した妻「かず枝」と、妻をそのような行為にまで追いやるほど日常の生活を荒廃させてしまった夫「嘉七」は、お互い身の結末を死ぬことによってつけようと、かつて2人でひと夏を過ごした谷川温泉を訪れる。嘉七は妻への思いから「死ぬのは自分だけでいい」と迷い始めるが、かず枝は常のようにふるまいながら決意を変えない。
林で大量の催眠剤を飲んで横たわった二人の迎えた結末は…?

語り:丹沢研二

「遠い野ばらの村」 ※この日はFMのみでの放送になります

2018年6月25日

作:安房直子

2017年11月4日放送のアンコール。

主人公は一人暮らしのおばあさん。楽しみは、店にやってくるお客さんに 遠くに住んでいる息子家族の話をすること。でもそれは、おばあさんの作り話だった。ところがある日、その孫娘が本当に訪ねて来る。これまでおばあさんがうっとりと語ってきた自慢のお下げ髪の女の子は…。 幻想的でどこか懐かしく、限りなく優しい作品世界をお楽しみいただく。 

語り:中條誠子