「たった一人のオリンピック」

2019年2月4日

作:山際淳司

1980年。モスクワオリンピックのボート・シングルスカルの日本代表選手に選ばれた津田真男(つだ・まさお)(当時27歳)は、日本を含む西側陣営の参加ボイコットに翻弄される。無気力な日々を送る中、とんでもない思いつきを実行したことで人生を180度変えてしまった一人のアマチュアスポーツマンの実話を、ノンフィクションライターの山際淳司が短編として描いた。

語り:高山大吾

「オレオレ」「燃える電話」

2019年2月11日

作:草上仁

■「オレオレ」
「おれだよ、おれ。」と電話をかけて、息子や孫を装い、金銭をだましとる「オレオレ詐欺」。主人公の男性は、電話帳を見ながら次々と電話をかけてみるが全く相手にしてもらえない。困り果てた彼がダイヤルしたのは、指が覚えていた「ある番号」だった・・・。

■「燃える電話」
会社員の近藤伸吾(こんどうしんご)には、重い病気で入院中の、陽子(ようこ)という幼なじみがいた。幼い頃から彼を兄のように慕い、携帯電話で日常のささいな事について彼と話すのが大好きだった陽子。しかし、彼女の病状が深刻になるにつれ、見舞いに行くのが気が重く、足が遠のいていたある日、会社の会議室から陽子の声が聴こえてきた。いったい何を意味するのか?

語り:結城さとみ

「最後の親孝行」

2019年2月18日

作:谷口雅美

東京で一人暮らしを続ける郁美は、余命1,2年の病気であることを知った。大阪の実家で1か月滞在することを告げた郁美に、父が持ってきたのは、100個の穴が開いた木製の「カウントダウンボード」。かつて父が作ったもので、運動会や遠足などのたびに、郁美はその穴にコマを刺し、その日が来るのを数えたものだった。郁美は、自分の命のカウントダウンも想起させるそのボードを前に笑うことができなかった。当初、郁美は両親に病気のことは伝えないつもりだった。しかし、父が勝手に設けたお見合いをきっかけに口論になり、郁美は自らの余命を両親に伝える。父はそれ以来、部屋に閉じこもって何かを切ったり削ったりする作業を始めた、、、。

語り:北郷三穂子

「妻が椎茸だったころ」

2019年2月25日

作:中島京子

2013年3月16日放送の再放送

主人公の泰平は60歳。ある朝、5つ年下の妻がベッドで呼吸を止めていた。
料理が大好きで、上手だった妻が、生前申し込んでいた料理教室に、泰平は断り切れずに参加する羽目になる。
そして見つけた妻のノート。料理の作り方と自慢と愚痴が綴られていた。 「私が椎茸だったころに戻りたい」……妻は椎茸だったのか???
「奥様はお料理をよくなさった方でしたのね。私も、卵をさわりますと、殻を通してその記憶が伝わってまいりますの」料理教室の講師の不思議なことばに泰平は引き込まれていく。
妻を失った主人公が「料理」を通じて次の人生に目覚めていく課程が描かれる。

語り:阿部陽子