BS放送

2月23日(金)午後9時00分~午後10時55分

「麗しのサブリナ 4K版」

主演オードリー・ヘプバーン、共演ハンフリー・ボガート。
大富豪の兄弟と、運転手の娘サブリナとの恋の騒動を描くビリー・ワイルダー監督の傑作ロマンチック・コメディー。

4K推しポイント!

おすすめ映画の4K見どころをご紹介

今回ご紹介するのはオードリー・ヘプバーン主演の傑作ロマンチック・コメディー「麗しのサブリナ」(1954)。初の4K、HDR版での放送です。
大富豪ララビー家の運転手の娘、サブリナはララビー家のプレーボーイ、デビッドに失恋しパリへ留学します。2年後、美しいレディーとなって戻ってきたサブリナに、デビッドも、その兄で恋とは無縁の堅物ライナスもひかれていきますが…。

サブリナを演じるのはオードリー・ヘプバーン。「ローマの休日」(1953)、「ティファニーで朝食を」(1961)「マイ・フェア・レディ」(1964)など数々の名作に出演し、亡くなった今も多くの映画ファンに愛されている大スターです。主演第1作の「ローマの休日」(1953)でアカデミー主演女優賞を受賞、本作でも抜群にキュートな演技で主演女優賞にノミネートされました。
プレーボーイのデビッドを演じるのはウィリアム・ホールデン。明朗でハンサム、たくましい男性を演じると絶品、本作の監督ビリー・ワイルダーは“理想の映画俳優”と語ったといいます。そのワイルダー監督の「第十七捕虜収容所」(1953)ではアカデミー主演男優賞を受賞し、その後も「慕情」(1955)や「戦場にかける橋」(1957)、「タワーリング・インフェルノ」(1974)など数々の名作に出演しました。ライナスを演じるハンフリー・ボガートは「カサブランカ」(1942)、「脱出」(1944)、アカデミー主演男優賞を受賞した「アフリカの女王」(1951)などの傑作で知られています。撮影当時53歳、「タフでハードボイルド」というイメージがありますが、サブリナに恋をしてしまう純情な中年男性を見事に演じています。

大きな見どころはヘプバーンのファッション。ゴージャスなドレスにカジュアルなシャツやパンツなど、さまざまな衣装が登場します。なかでも丈が短く細身のサブリナパンツは、この映画がきっかけで大流行となりました。衣装を手がけたイーディス・ヘッドは「ローマの休日」(1953)などでアカデミー衣装デザイン賞を8回受賞した、ハリウッド映画を代表する伝説的デザイナーです。またクレジットはありませんが、ヘプバーンはフランスのファッションデザイナー、ユベール・ド・ジバンシィを起用しドレスなどを制作。以降「ティファニーで朝食を」(1961)、「シャレード」(1963)など、ジバンシィはヘプバーンに欠かせないファッションとなりました。4K・HDR版ではヘプバーンのさまざまな衣装が高精細でよりゴージャスに!ステッチなど細部まで工夫を凝らしたエレガントな衣装やアクセサリーの数々にご注目ください。

スリムで長身の美しいヘプバーンをより美しく見せるのが、名撮影監督チャールズ・ラング・ジュニアの傑出した照明と撮影。本作は夜の場面ではヘプバーンの表情を柔らかい光で映し出し、ドレスやパンツなど全身が映る場面ではシャープでしまった映像となっています。1902年生まれのラングはサイレント時代に映画界入りし、モノクロの照明・撮影に類いまれな力を発揮しました。レンズにフィルターを装着したソフトフォーカスや、的確な照明で絶妙な影を作り出して光を強調するなど、女優の美しさをより引きだすラングの映像美は本作の大きな魅力となっています。大富豪ララビー家でのパーティーやテニスコートでのボギーとヘプバーンの場面などは、ため息が出るほどの美しさです。
常にイノベーティブだったラングはカラーが主流の時代になっても第一線で活躍、150本以上の撮影を手がけました。“教授”がニックネームの穏やかな紳士で完璧主義者だったというラングは女優たちからの信頼も厚く、ヘプバーン出演作では「シャレード」(1963)、「パリで一緒に」(1963)、「おしゃれ泥棒」(1966)、「暗くなるまで待って」(1967)の4作品を手がけています。4K・HDR版ではモノクロフィルムのきめの細やかさや光と影がこれまでになく表現されています。

初の4K・HDR版の放送です。ファッショナブルな衣装に注目しながら、ハリウッド映画3大スターの共演をモノクロの映像美でお楽しみください!