BS放送

7月8日(土)午後11時30分~午前1時6分

「フラッシュダンス 4K版」

昼は製鉄所で働き、夜は酒場で踊って技を磨きながら、プロのダンサーを目指す少女をスタイリッシュな映像美で描き、映画も音楽も大ヒットした80年代を代表する青春映画。

4K推しポイント!

おすすめ映画の4K見どころをご紹介

今回ご紹介するのは、80年代を代表する大ヒット作「フラッシュダンス」(1983)。
アイリーン・キャラが歌う主題歌「ホワット・ア・フィーリング」はアカデミー歌曲賞を受賞するなど、音楽も大ヒットしました。

比較的低予算で製作され、これほどの大ヒットになるとは映画会社も想像していなかったという本作。エイドリアン・ライン監督と撮影・美術スタッフは、光と影を強調し、暗い空間で登場人物のシルエットを浮かびあがらせるなど、スタイリッシュで美しい映像の作品に仕上げました。撮影監督のドン・ピーターマン、美術のチャールズ・ローゼンとマービン・マーチは20年以上映画やドラマで活躍してきたベテランで、明暗を強調し、暗くして“隠す”ことで奥行きや美しさを表現。限られた予算を有効に使う職人技が、ライン監督の演出を支えています。

映画は「ホワット・ア・フィーリング」にのせて、主人公・アレックスが自転車で職場に向かう場面から始まります。昼間は製鉄所で溶接工として働くアレックス。ガスバーナーの光や、暗い現場を照らす強い光が印象的です。続く酒場の場面は、薄暗いダンスフロアで強いスポットライトに照らされシルエットとなったアレックスが、シャンディの「ヒー・イズ・ア・ドリーム」にのせて激しいダンスをみせ、天井から水を浴びてさらに踊る有名な場面。主演のジェニファー・ビールスは冒頭からこの場面まで、約9分間もセリフがありません。セリフと説明を排し、映像と音楽で、見るものを物語に引き込んでいきます。クライマックスのオーディションの場面でも、部屋の片側にある窓から差し込む光が、まるでビームのように黒いレオタードで踊るアレックスを照らし、抜群のアクセントを添えています。

もう一つの主役ともいえるのが、音楽です。
担当したのはイタリアの作曲家ジョルジオ・モロダー。1940年生まれのモロダーは、1970年代、当時最先端だった電子楽器・シンセサイザーを多用した独特のリズムとメロディーの楽曲を制作、“ディスコの女王”ドナ・サマーの作曲・プロデュースで注目されるなど、EDM=エレクトロニック・ダンス・ミュージックの先駆者として知られています。本作に続き「トップガン」(1986)でも音楽を担当し、ケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」、ベルリンの「愛は吐息のように」も大ヒットとなりました。

40年前の劇場公開時は、ステレオ上映が多かった本作ですが、4K版は5.1サラウンドでの放送です。スタイリッシュな映像美とともに、音楽もお楽しみください!