BS放送

2月25日(土)午前8時00分〜午前9時32分

「美女と野獣」

詩人、劇作家など多彩な活動で知られるフランスの芸術家ジャン・コクトーの映画監督としての代表作。
美しく清純な娘と心優しい野獣の恋を描く傑作ファンタジーロマンス。

4K推しポイント!

おすすめ映画の4K見どころをご紹介

今回ご紹介するのは、フランスの芸術家・ジャン・コクトーの映画監督としての代表作「美女と野獣」(1946)。第2次世界大戦中に構想され、終戦後間もない1945年8月から撮影が開始されたという本作。戦後すぐに制作されたとは思えないゴージャスな美術や衣装、モノクロだからこその幻想的な映像が、4Kでさらに美しくよみがえります!

例えば、もう一つの主人公、とでも言うべき不思議な魅力がある野獣の城。
しょく台の腕や柱の彫刻の顔が動き出し、廊下の白いカーテンが風にたなびいて、まるで生きもののように優美な動きを見せます。光と影、深みのあるモノクロ映像だからこそ出せる雰囲気が4Kでさらに美しく表現され、今見ても新鮮な驚きがあります。
毎回5時間もかかったという野獣のメークにも注目です。今でいういわゆる特殊メークですが、デジタル修復によって顔のしま模様の毛並み、ひげの生え方、こぼれる涙もくっきり見えるようになり、心優しい野獣の感情が伝わってくるようです。

撮影監督はアンリ・アルカン。アメリカ映画「ローマの休日」(1953)やドイツのヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」(1987)など、国際的に活躍した名匠です。本作でもロングショットやミドルショットではシャープに、表情などアップの場面ではソフトな映像を作りあげ、コクトーの美学を実現した映像美に思わずため息。逆再生、ハイスピード撮影のスローモーションなどが巧みに使われて効果を発揮しています。美麗な映像だからこそ、より没入感を感じることができる作品です。ぜひ、4Kでお楽しみください!