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2016年09月21日

〇〇に気をつけろ!~あてなよる~ BY 成田はじめ

料理研究家・大原千鶴ソムリエ・若林英司が、酒と“あて”との出逢いを紡ぐ『あてなよる』…だがこの番組には、重々気をつけなくてはならない点があります。

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シメに気をつけろ!

大原千鶴さん「面倒くさいでしょ」というフレーズをよく口にします。私は彼女のこの言葉を聞くたびに心底シビれてしまいます。そう、酒呑みは面倒くさいことが嫌いです。旨い酒を前にし、一刻も早くこの液体を流し込みたいからです。「油で揚げるなんて面倒くさいでしょ」「高級な麺を用意するなんて面倒くさいわ」などと、大原さんは最短で仕上がる“あて”を提案してくれます。もちろん料理研究家として、手間暇かけた料理法のバリエーションを豊富に持ち合わせた彼女ですが、これが“あて”となると「面倒くさい」が多用されるのは彼女が酒呑みだからに他なりません。特にシメ料理は「面倒くさい」の真骨頂で、インスタント麺を使って“ちゃっちゃ”と時短で作り上げたりしてくれます。ある女性スタッフは、大原流シメ料理を“あて”ではなく単独の主菜としてご主人に出すそうです。

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女優に気をつけろ!

これまでさまざまなゲストが、人生で食した“あて”の逸品について話してくれました。生物学者の長沼毅さん「鮭の酒びたし」という郷土料理を上げ、戦場カメラマンの渡部陽一さん中東で食べ続けた「ヒヨコ豆」の旨さについて語りました。
いずれも人生の深淵を匂わせる印象的な“あて”ばかりでしたが、女優・坂井真紀さんの逸品には顎が外れそうになりました。

モンゴルの遊牧民にトナカイを一頭まるごとご馳走になりました」

それは、えも言われぬ美味しさだったそうで、人は見かけによらないとでも言うのか、食の好みは聞いてみないとわからないものだと感服しました。

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飲み過ぎに気をつけろ!

「あてなよる」のスタッフは酒豪揃いです。特に源孝志監督の酒の強さは群を抜いています。ある回のロケハンで、私たちはさまざまな種類の“あて”と酒との相性を試していました。海鮮中華に合う酒は何か?とか、この魚の刺身にピッタリの酒は?などと飲み食いし続けるうちに、私の限界量は超え後半は水を飲んで過ごしました。それでも研究熱心な彼は酒をあおり続け、深夜にまで及びます。翌日、昼食の席で彼は紹興酒を注文します。ひと瓶を空けた後、彼はこう言います。「ちょっと飲み過ぎた」 私は心の中でツッコミました。(酔いが回んの遅すぎだろ!)

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石橋蓮司に気をつけろ!

番組のかたりべ役(ナレーター)は石橋蓮司さんです。今や日本映画になくてはならない名バイプレイヤーで、そのセクシーな重低音は聴く者の五臓六腑に染み渡ります。ただしそんな名優にもただひとつ苦手なことがあります。フランス語の発音です。御年75歳、フレンチワインの産地や銘柄を鼻濁音を交えて発声するのはムリがあります。初回のナレ録りを終えた私たちスタッフには鉄の掟が定まりました…「蓮司さんにフランス語を言わすな」と

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放送予定
あてなよる
第九夜「豆腐屋を呑(の)む」

[BSプレミアム] 929日(木) 午後11:15

 

成田はじめ(なりたはじめ)

【コラム執筆者】
成田はじめ(なりたはじめ)

釣りとサッカーとラム酒をこよなく愛する放送作家、脚本家。