BSトピックス スペシャルコラム
みんなのうた
2014年07月15日

■みんなのうたコラム■6月・7月放送『ムクロジの木』~ダイアモンド☆ユカイさんインタビュー~ by 鈴木由美子

140715_minna_yukai01.jpg今回は6月・7月に放送されています『ムクロジの木』(作詞:ダイアモンド☆ユカイ 作曲:平井夏美 編曲:小野澤篤)を歌っている、ロック歌手・ダイアモンド☆ユカイさんのインタビューをお届けします。
作品についてのお話は、前回のコラムをごらんください。

 

―「ムクロジの木」は、ロックではなく、静かなバラードですね。しかも、語るように歌っていらっしゃるので、少し驚きました。

ユカイ(以下、ユ)実は、今流れている歌は、テイク1。つまり、いちばん、初めに歌ったものなんです。

―えっ、それは、曲がついて、初めてレコーディングで歌ったものということですか?

ユ)そうなんです。その後スタジオでは、何回か歌っているんだけど、みんな、いちばん初めの歌がいい、これしかない、俺以外は満場一致で。

―それは、どういうことでしょうか?

ユ)歌い上げるのではなく、語るように自然な感じの歌。何回も歌っていると、どんどん、歌がこなれてきて、上手(うま)くはなるけど新鮮なフィーリングが無くなる。だから、素直に歌った1回目になったんです。

―お父さんが我が子に歌っている感じが、本当によく伝わってきます。作詞はユカイさんが書かれたものですが、やはり我が子への思いを歌詞にされたのでしょうか

140715_minna_yukai03.jpgユ)4歳の長女と2歳のボーイズトゥーメン、3児の父親なんですが、我が子に対してという思いと、親になって初めて自分の父や母の気持ちがわかったということがあるので、親子、家族の絆をテーマに書いてみました。祖父母、いやもっとその前の代から、父母、自分、そして子どもたち、孫たちと、命と思いはつながっている。そのことをひしひしと感じて、そのことを歌詞にしたいと思いました。

―壮大なバラードになっていますね。家族というのが命の源で、いちばん大事なものというメッセージが伝わってきます。
タイトルの「ムクロジの木」は、ユカイさんの好きな木なんですか?


ユ)ムクロジの木は、漢字で書くと「無患子(むくろじ)」。子どもが患うことがないようにという願いがこめられているんです。このことを知って、この木を歌にしようと思いました。名前は知らなかったけど、ムクロジの木は、そんな経緯で、昔はよく学校に植えられていたようです。

―この歌で「無患子(むくろじ)」を知った方も多いのではないでしょうか。

ユ)この歌で、もっとたくさんの人たちにムクロジを知ってもらいたいですね。
この曲は、ちょっとした挑戦状みたいなもので、「みんなのうた」って、子どもが歌える歌というイメージがあるじゃないですか。そういう歌もいいなと思うんだけど、みんなの歌なんだから、子どもの歌じゃなくて、大人の歌でもいいのでは、と思って書いてみました。

―確かに『みんなのうた』はみんなで歌えるうたですから(笑)。大人は、胸が詰まって歌えないかもしれませんよ。子どもたちもメロディがきれいなので、きっと歌いたくなると思います。
ユカイさん、歌詞で気に入っているところは?


ユ)最初の「Hello, How are you?」とう英語をリフレインでいれたところ。この英語を子どもに覚えてもらおうと思って(笑)。
それから、「赤とんぼをおいかけて…」というところ。あれは、昭和の時代の思い出の象徴だと思っています。

―“赤とんぼ…”のところは、聞く方がいろんなことを思い出されるのではないでしょうか。

ユ)映像も懐かしい気持ちにさせてくれて、すてきですよね。

―さて、「ムクロジの木」はユカイさんご自身の思い出もたくさん入っていると思いますが、ユカイさんのお父さんとの思い出は?

両親は、両方とも公務員で、父は大正生まれでフンドシをしていて、真面目で無口で神経質な人でした。そういう父が、歯がゆいというか、カッコ悪いと思っていました。やんちゃな俺とは正反対で。ある日、父とキャッチボールをしていて、俺の投げた球がとれなかったんです。それからずっと、父のことを軽蔑してました(笑)。

―子どもって、結構そういうところで判断してしまうんですよね。

ユ)そんな父だけど、「赤とんぼ」の歌をよく口ずさんでいたのは覚えてます。

―そういう真面目なお父さんは、ユカイさんがロックに目覚め、プロを目指していたのをどうお思いだったのでしょうか?

ユ)もちろん、反対してました。ロックスターになるなんて、何てバカなことを言うんだろうと。

―それは、大概の親御さんはそう思いますよね。お父さんは、ユカイさんにはどんな職業についてほしかったんでしょうか。

ユ)自分と同じように公務員になってほしかったみたいです。いろいろ確執があって、ロック歌手でデビューする前の年に、父はこの世を去ってしまって。失って初めてわかったことだったんですけど、父のことを嫌いじゃなく、好きだったんだなあと。

―ユカイさんご自身が3人のお子さんの父となってから、わかることもあるんでしょうか。

ユ)そうですね。子どもを持って、親の気持ちがもっとよくわかるようになった気がします。

140715_minna_yukai02.jpg―この歌を聴く子どもたちには、どんなことを感じてほしいですか?

ユ)命の連鎖ですかね。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、そして自分と、そういう人がいるから自分も今、ここにいることの大事さ。でも、そんなことを思って子どもは過ごしていないから、大人になったときにも、思い出してもらいたいですね、この曲を。年代によって感じることが違うと思うから、いろんな局面で思い出してくれるとうれしいな。

―個人的には、親の子どもに対する思いの深さに、あらためて気がついて、そういう思いに包まれて育ってきたんだなと思いました。

ユ)それはうれしいです。「ムクロジの木」は、雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も静かに家族を見守る存在。それって、ある意味で父親みたいなものかな。

―最後に一言お願いします。

ユ)「ムクロジの木」は、自分にとって、親が、子どもが、家族がどれだけ大事な存在であるかを感じてほしい楽曲です。すてきな映像とともに、いろんなことを思い出して、そして、何十年たった後でも、愛と理解を感じてほしい作品です。ぜひ、見てくださいね。

―ありがとうございました。

 

~インタビューを終えて~
バリバリのロックなユカイさんが、語るように歌う「ムクロジの木」は、新たなユカイさんの一面を見た感じがします。ぜひ、ステージでも歌ってほしいなと思いました。


*「ムクロジの木」は7月25日にCD&DVDが発売されます。


ダイアモンド☆ユカイ
ロック歌手。1986年ロックバンド「レッドウォーリアーズ」でデビュー。1989年解散後はソロとして、歌手、俳優として活躍。2012年より、NHKラジオ第一「すっぴん!」(午前8時~11時50分)水曜日のパーソナリティとして、ロックから子育てまでを語り、幅広い年齢層の人気を博す。

rokubousei.jpgのサムネイル画像<おことわり>
ダイアモンド☆ユカイさんの「☆」の字は、正しくは「六芒星」(右の図を参照ください)ですが、環境により表示できないため「☆」を使用しています。

 

★「みんなのうた」〈リクエスト枠〉
Eテレ 毎週土曜 午後8時55分~9時
<2014年7月の放送予定>
■7月19日
・ 「永遠のとびら」
■7月26日
・「moonfesta〜ムーンフェスタ〜」 「お誕生日おめでとう」

『お願い!編集長』へのリクエストはこちらから!


★『みんなのうた』放送予定
総合
毎週月曜~金曜 午前4時05分~(再)
毎週月曜~木曜 午前10時55分~
毎週土曜 午後2時55分~(再)
毎週日曜 午前10時55分~
Eテレ
毎週月曜~木曜 午後0時55分~
毎週月曜~木曜 午後4時~
毎週金曜 午後4時~(再)
毎週日曜 午前7時55分~
「みんなのうたリクエスト」
毎週土曜 午後8時55分~
 
再放送のリクエストや感想は番組ホームページでも募集しています。

鈴木由美子(すずき・ゆみこ)

【コラム執筆者】
鈴木由美子(すずき・ゆみこ)

フリー・ディレクター。「ふるさと日本のことば」「アナウンサーにQ」「スタジオパークからこんにちは」他多数の番組を担当。 みんなのうたは「今日は一日みんなのうた三昧」「グラスホッパー物語」「リスに恋した少年」「愛されて50年♪みんなのうたリクエスト大全集」などに参加。「ありがとう!グラスホッパー」「ピースフル!」「HEART BEAT」ではキャスティング ディレクターもつとめる。

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