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2017年05月10日

スペシャルトーク
「京都人の密かな愉しみ 桜散る」
BSプレミアム BSプレミアム 5月13日(土) 午後9時00分~午後10時59分

京都人の一見不可解な思考回路をひもとけば、さまざまな心模様が見えてくる…四季折々の京都人の生活風景を描いてきた傑作シリーズが「桜散る」編で完結します。ドラマの中で、京都人に複雑な思いを抱くイギリス人言語学教授“エミリー”を演じるシャーロット・ケイト・フォックスさんに、お話を伺うことができました。 (※ドラマの概要はこの画面の一番下にございます)

 

-シャーロットさんから見て、今回ドラマで演じたエミリーはどのような人ですか?

エミリーはとてもおもしろい人です。心の中で思っていることがたくさんあるのに、言葉にすると反対のことを言ってしまう。脚本の方や監督さんは、どうしてエミリーがそのように複雑になってしまったか、そこに至るまでの背景や経緯を、とても丁寧に作っています

 

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-前回までのドラマでエミリーは、少しずつ京都や京都人に対する気持ちが変化してきましたが、シャーロットさんご自身は、このドラマにより京都や京都人のイメージは変わりましたか?

今回のドラマによって変わったというよりも、脚本などを通して、これまでよりももっと京都や京都人のことを学びました。この言葉はどういう意味なのか、この食べものはどのようなものか、など…。

最初は、日本語さえよく分からないのに京都弁まで覚えなければいけない〜と思うと、フラストレーションを感じました(笑)でも京都弁は言葉のリズムが歌のようでだんだん好きになりました。実は共通語よりも、覚えやすかったりします。

それから私がラッキーだったのは、初めて来日したときから、周りにたくさんの京都出身の方がいたことです。ヘアスタイリストやメイクアップの方、それから朝ドラの「マッサン」で夫婦役を一緒に演じ玉山鉄二さんも、京都出身です。そのため京都は、最初から“特別な場所”でした

 

 

-ご縁があるのですね。

京都は、私の故郷サンタフェととてもよく似ているように思います。サンタフェはアメリカのニューメキシコ州の文化の中心地で、アートや音楽が盛んな町です。日本に来て京都へ行ってみて、同じような印象を受けました京都は大好きです

 

 

 サンタフェ

アメリカで古いとされる観光都市。歴史的な街並みや芸術家、独自の食文化を育み「アメリカの宝石」と言われる町。

 


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-エミリーは、“京ことば”を言語学者として研究対象にしていますが、シャーロットさんにはお好きな“京ことば”はありますか?

たくさんあります。そうですね…一番好きなのは「よういわんわ」「ごきんとはん」です(笑)脚本で「ごきんとはん」という言葉を見たときに、どういう意味なのか友だちに尋ねてみたのですが、友だちも知らなくて。

 

-お好きな理由はありますか?

「よういわんわ〜」は言いやすくて(笑)そして、言葉の響きと意味(そんなこと言えないわ・やれやれ何にも言えないわ)がピッタリ合っているからです。あと、「ごきんとはん」は、「郵便局」と似ているからです(笑)

 

-郵便局と似ているとは??(笑)

日本に来て最初に好きになった言葉が「ユウビンキョク」で、音の響きが好きなんです。「ゴキントハン」は、その感じと似ているんです(笑)

 

「ごきんとはん」は言葉としては「均等である、釣り合いが取れている」の意。ドラマ「桜散る」編の中では印象的なシーンで登場します。エミリーがどんな独特の使い方をするかご覧ください。

 

-エミリーの住む家のお隣は、常盤貴子さん演じる三八子の老舗和菓子屋『久楽屋春信』で、和菓子もたびたび登場しますが、シャーロットさんがお好きな和菓子はありますか?

(即答で)道明寺です!

 

-お餅のモチモチした食感も?

大丈夫です。甘いものはふだん少ししか食べないのですが、道明寺は好きです。

 

「道明寺」は、ドラマの中でも老舗菓子屋のシーンで登場します。

 


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-京都人は、言葉と心の中が違っていたり複雑な面がありますが、嫌だなと思ったりしませんか?

そういった複雑さが、このドラマをすばらしくしていると思います。京都人だけではなく、誰もが同じようにそういう面を持っていて、ふだん私たちも言葉に出すことと、心の中にあることが違っていたりしますよね。「こんにちは!」と口では言いながら、「あなた、すごく遅かったわね!」と思っていたり(笑)京都人は、そういう人の心の複雑さを、まさに体現しているのかもしれないです。

 

-確かにそうですね。

舞台のお芝居(英語劇)でも、前後にたっぷり“間”を置いて短いフレーズを言うとき、言葉に二重の意味が含まれていることがあって、京都人の言葉遣いと似ているように感じます。例えば劇中で “put a sock in the drawer”( 直訳すると「 “片方の”靴下を引き出しにしまう」)というフレーズの前後にたっぷり“間”を置いて言うと、「あなたとは別れるわ」という意味になったりします。

 

-おもしろいですねー。シャーロットさんの母国アメリカには、言葉に別の意味を含ませて使う文化が特に感じられる地域はありますか?

それぞれ地域ごとの文化がありますけれど、言葉の面で言うと、南部の言葉遣いには、とても特徴があります。例えば、“Bless your heart”(直訳すると「あなたの心に祝福を」)と言いながら、実際は「ふざけるな!」という意味だったりします。南部の女性が何かひどいことを言われて、言い返すときに使ったりするのですが、礼儀正しくレディらしい言葉でありながら、心の中はまったく違う。言い方も、ちょっと皮肉めいた感じで言います。

 

-複雑な気持ちが表れていますね。

 

 


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-撮影現場で印象的だったエピソードがあれば、教えていただけますか?

エドワード(団時朗さん)との場面で、エミリーがテーブルを両手でたたくシーンがあったのですが、テーブルが立派な堅い木でできていたので「もしや…」と思いながら、本番で思い切って強くバンッとたたいたら…やっぱり両手がものすごーく痛くて(笑)顔の表情にも自然に出てしまったんです。それを見た監督さんが「痛そうに見えたので、もう一回やりましょうか!」と言うので(笑)「それも演技なんです!」と言ったらOKが出て、良かったです(笑)

 

-では最後に、ドラマの結末に絡んでお伺いしますが、イギリスから京都まで“いいなずけ”を追いかけて来たエミリーさんと、思いを心に封印してきた常盤貴子さん演じる三八子さんとでは、同じ女性でも恋愛の仕方がかなり違いますが、シャーロットさんは、どちらの方が共感できますか?

難しいですね、どうでしょう…たぶん実生活では三八子さんの方が近いと思います。エミリーはとにかく強くてタフで、きつい感じの性格なので、私とはちょっと違いますね。三八子さんの気持ちの方が理解できます。

 

 

シャーロットさん、どうもありがとうございました!

 

 

ヒロイン三八子の秘められた恋、そして騒動を起こしたエミリーのもう一つの恋、二つの恋の意外な行方はいかに。満開の桜の元で美しく描かれる京都人の物語。「京都人の密かな愉しみ」最終回の、人間味あふれるエミリーの姿をどうぞ皆さま、お見届けください。

番組概要

番組概要

「京都人の密かな愉しみ 桜散る」

date
BSプレミアム 5月13日(土)
time
午後9時00分~午後10時59分
出演
常盤貴子、団時朗、銀粉蝶、深水元基、石丸幹二、伊武雅刀、シャーロット・ケイト・フォックスほか
京都の老舗和菓子屋の若女将(おかみ)を主人公に、京都人の生活の中の喜び、苦悩、約束事などを描く。ドラマとドキュメンタリーが見事に融合した5部作いよいよ完結編。物語の始まりは二十四節気の「清明」。三八子(常盤貴子)に老舗の重圧を背負わせるのを不びんに思っていた母(銀粉蝶)は職人頭の茂さんにのれん分けの相談をするが、彼はもっと適任の男がいるという。かつての弟弟子の三上(石丸幹二)のことだった。一方、エミリー(シャーロットKフォックス)は、ヒースロー(団時朗)の突然の出家騒動に心かき乱されていた。 その他、短編ドラマ「逢瀬の桜」出演:佐津川愛美、和田聰宏、高岡早紀、白井晃、益岡徹ほか、大原千鶴料理コーナー、京都人マダムお花見女子会などもお楽しみに!