BSトピックス スペシャルコラム
ドキュメンタリー
2018年04月25日

BS1スペシャル「月へ、夢を~月面探査レースに挑んだ若者たち~」by佐藤

番組の冒頭は、HAKUTOが撮影した月面の映像からスタートだ!
…と、思っておりましたが、残念ながら実際にはそうはいきませんでした。人類初の月面探査レースGoogle Lunar XPRIZE。番組は、このレースに参加する日本チームHAKUTO密着ドキュメンタリーです。

0425_kumitate.jpgレースのルールは、探査機を月に送り込み着陸地点から500m移動させ、高解像度の動画・静止画を地球に送り届ける”。これをレースの期限である2018年3月末までに、最初に成し遂げたチームが優勝賞金20億円を手にします。ただし、参加条件は民間であること国家の力は一切借りることができないのです。ですが、参加したチームたちはむしろそこに面白さを感じています。「民間の力で月面探査をやってみせる」、世界15か国34チームの猛者どもが名乗りを挙げました。その中でも日本チームHAKUTOは優勝候補の一角でした。彼らの技術力は、他のチームからも一目を置かれる存在だったのです。0425_hakuto.jpgしかし…、HAKUTOを含む全参加チームがレース期限までに月に到達することはできませんでした。およそ3年半をかけて密着取材してきた私としては、本当に残念でたまりませんでした。
それでも、「『残念だった』で終わったら意味がない。続けている限り、その先の可能性が広がる。」という代表・袴田さんのきぜんとした態度からは、非常に強い意志を感じました。およそ8年、彼はこのプロジェクトに人生をかけてきました。「民間での月面探査を絶対に達成する」という、何があっても揺るぎない断固たる決意があるのです。0425_hakamada.jpg袴田さんの元に集まってきたHAKUTOメンバーたち。とにかく賢くて、とにかく面白い。東京大学で人工衛星を開発していたエリートエンジニア世界一速いスポーツカー開発に携わった元ヤンエンジニア子育てしながらのママさんエンジニア。様々なバックグラウンドを持った人たちが集結し、月面探査機の開発に力を注ぎます。
開発現場はもう、個性と個性のぶつかり合い。ですが、だからこそイノベーションが起こる。そんな雰囲気がレンズにビシビシと伝わってくる、そんな撮影現場でした。0425_2member.jpgレースの終了と共にHAKUTOの挑戦も終わりました。しかし、彼らは今も開発を続けています。一体、彼らは何を目指しているのでしょうか?それは宇宙ビジネスです。代表の袴田さんは、実はもともと“レースへの参加を足がかりに宇宙ビジネスへの第一歩を踏み出したい”という思いからHAKUTOを結成し、そして同時にその母体となる宇宙ベンチャー企業も立ち上げていたのです。
彼が目指すビジネスは、月への物資輸送と、月の資源開発。なんだか話が大きすぎて、またまたそんな夢みたいな話を…、と思いきや、2020年に最初の月面着陸を目指して、なんと100億円を超える資金の調達にも成功したのです。なんということでしょう…。民間による宇宙開発の時代は本当にもうそこまで来ているのです。まさに今が大転換期。

とはいえ、民間による宇宙開発は簡単ではありません。今回のレースで、世界のどのチームも達成できなかったことがそれを物語っています。一体何が民間にとって難しいポイントなのか。番組では、海外チームにも取材してその辺を赤裸々に語ってもらいました。
一筋縄ではいかない彼らの挑戦。何回も何回も壁にぶち当たりながらも、諦めずに進み続けるその姿は、純粋にかっこいいです。袴田さんや開発メンバー、それぞれがどんな夢を胸に、そしてなぜ挑み続けるのか…?ぜひ番組をご覧ください!


★放送予定→番組情報はこちら
【BS1】5月3日(木・祝21:00~21:49
BS1スペシャル「月へ、夢を~月面探査レースに挑んだ若者たち~」

佐藤 創我(さとう そうが)

【コラム執筆者】
佐藤 創我(さとう そうが)

グループ現代ディレクター。今回の番組は昨年の「BS1スペシャル 月へ、夢を ~人類初の月面探査レースに挑む~」に続いて第二弾!合わせて見てほしいです。大学院では宇宙物理学を専攻していました。宇宙ってやっぱり面白い。