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ドキュメンタリー
2016年12月09日

ポルトガルから帰るときのスーツケースの重さは半端じゃありません!~コウケンテツの世界幸せゴハン紀行~ BY 高橋みちこ

大航海時代の16世紀、日本に南蛮文化をもたらし、和食の歴史にも大きな影響を与えたポルトガル人。ヨーロッパで最も米を多く食し、魚介類中心のその食生活は、日本と多くの共通点を持つと言われています。

そんなポルトガル人が今、何を食べているのか?その答えを探すために料理研究家・コウケンテツが旅にでました。アジアへの食の旅で様々な家庭の味や家族の形を見てきた彼が、初めて訪れたポルトガルで、また新たな“幸せゴハン”と出会うことになります。

ポルトガルの食材として最もポピュラーなのが「バカリャウ」。これはタラを干して塩漬けにした保存食です。1年365日、違うレシピがあるといわれるほど、家庭料理には欠かせません。タンパク質が豊富なバカリャウは海運国ポルトガルにとって船乗りたちの大切な食料でもありました。コウさんはこの「バカリャウ」を深く知るために、海洋博物館を訪ねます。そこで知ったのが、世にも過酷なバカリャウ漁の歴史でした。命がけで海に出た漁師たち、そしてその帰りを待つ妻や子どもたち。そこには家族の強い絆があり、その中心に愛情あふれる“料理”がありました。

漁村には漁村の、都会には都会の“バカリャウ”の食べ方があります。例えばひとつのテーブルに並ぶ、焼きバカリャウゆでバカリャウ!!(これはトンカツとポークソテーを同時に食べるようなもの…)この二品を味わうために、名脇役となるのがオリーブオイル。実はポルトガルといえばオリーブオイル、どんな料理にも登場するといっても過言ではありません。ちなみにコウさん、オリーブオイルを大量に購入。スーツケースの重さは半端じゃありませんでした!!


さて、ポルトガル人はバカリャウばかり食べている?いえいえ、大丈夫です。お肉も食べています。コウさんが聞きつけたのは「子豚街道」。ここをたどっていくと、特別な子豚料理と出会えるというのです。ポルトガル中部アゲダ、最近、街じゅうにカラフルな傘を飾る街興しイベントで注目を浴びている都市です。この辺りの名物が子豚の丸焼き。生後6〜8週目の豚を窯で焼き上げます。この料理は“ポルトガルの7つの味”のひとつと称されています。(コウさん。この味に魅せられ3食続けて味わいました。)

「バカリャウ」「子豚の丸焼き」に続いて注目すべきがポルトガルの「スイーツ」!日本にもカステラやボーロ、コンペイトウをもたらしてくれましたが、そのルーツはなんと修道院にありました。その昔、服を糊付けするために使っていたのが卵の白身。修道士たちは大量に余った黄身を使って、ケーキを焼きました。卵をたっぷり使ったスイーツはそこからポルトガル中に、そして世界へと伝わっていきました。世界遺産アルコバッサ修道院近くにあるお菓子屋さんでカステラ作りに挑戦したコウさん。コウさんが大好きな福岡名物の鶏卵そうめんも、ルーツはここにありました。

日本の国土の四分の一位のポルトガルですが、北と南ではやはり食文化は違います。

ヨーロッパ最南端のアルガルベ地方には“カタプラーナ”という郷土料理があります。丸い独特な形の鍋に魚貝類を入れて蒸すこの料理、日本のポルトガルレストランでも最近人気のメニューです。珍しくコウさんはこのカタプラーナのワークショップに参加。ファロという街で人気のシェフのレシピを体感しました。


同じ年頃の子を持つシェフと意気投合したコウさんは、彼からも家庭料理の根底にある家族愛を感じ取ることができました。

そして旅の終わりに訪れたのが、リスボンのファドレストラン。ポルトガル人の哀愁の歌といわれる伝統の民族歌謡をナマで聴きます。ファドの切ないメロディーに胸を打たれたコウさん・・・。

国を愛し、海を愛し、家族を愛し、そして何よりも食を愛するポルトガルの人々の優しさと強さを知ったというコウさんの旅でした。


放送予定
「コウケンテツの世界幸せゴハン紀行~ポルトガル~」
[BS1]12月23日()夜7:00~8:49

高橋みちこ(たかはし みちこ)

【コラム執筆者】
高橋みちこ(たかはし みちこ)

株式会社 アダージォ・カンパニー所属。NHKでの10年間のディレクター生活の後、1983年アダージォ・カンパニー設立。音楽番組のほか、美術、教養、情報番組などを手掛ける。「昭和の歌人たち」「日曜美術館」「スタジオパークからこんにちは」「ブラタモリ」の他、「イタリア四都物語」「ミュンヘン建築紀行」など多数の特番を制作。