BSトピックス SPECIAL COLUMN (コラム)

番組知っ得情報

2014年08月02日

■番組知っ得情報■ドキュメンタリードラマ「撃墜 3人のパイロット」撮影秘話 by 岡下慶仁

実在した日米中の3人の戦闘機パイロットの人生をドラマ化! 「空の宮本武蔵」と呼ばれる日本海軍の武藤金義。中国空軍の英雄、楽以琴。若きアメリカ兵、ロバート・アップルゲート。3人の若者の運命が、戦争と国家に翻弄され、大空でぶつかり合う……
この壮大なストーリーを実写化するため、出演者もスタッフも工夫をこらして撮影を行いました。脚本を担当した映像ディレクターの岡下慶仁が、撮影の裏話をご紹介します。

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20140802_gekitsui2.jpg■“舞台”は70年前…3つの国の空気感を再現

日本・アメリカ・中国。それぞれの国のパイロットが、大空で交じり合うストーリーのこのドラマ。
もちろん、ドラマ撮影の“舞台”も、3か国に。。。。それぞれの国の風景を創り出すために、ロケ場所、美術、小道具にこだわり、違う空気感を出すことに奮闘しました。70年前の風景を再現するために、3か国のさまざまな資料を可能な限り集め、そのディテールを突き詰めて、各国の“舞台”の空気感を創り出しました。


20140802_gekitsui3.jpg■人間描写のため大切にした“アップ”

第二次世界大戦という、世界を動かした歴史的な事象をテーマにしていますが、ドラマ中で最も大切なのは、やはり、その時代を生きたそれぞれの“人間”の描写です。今回は、その時代が一目で分かるようなダイナミックな画面の描写はあまりせず、グッとズームをしたアップの描写を大切にしました。特に顔から手の爪にいたるまでの汚れメイク、また負傷した登場人物の傷メイクなどのディテールについては、演出の岸さんに強いこだわりがありました。細部にこだわり、ていねいに撮影したアップのカットを1つ1つつなぐことで、あまり見たことのない世界観で、よりこの動乱の時代を生きた人々の表現ができるのではないか? 現場のスタッフは皆、そのように信じて撮影しました。


20140802_gekitsui4.jpg■そこにない“絵”を想像して…戦闘シーン

空での戦闘シーンは、CGと実写の映像で表現しています。撮影現場では、そこには存在しないCGの背景や状況の情報を常に確認しながら、想像力をふくらませて撮影を進めていきます。
撮影を終えてから、演技とCGを合わせていき、さらに、演技によってCGに修正がくわえられていきます。シーンの長さや情景の変更などに伴って、CGと演技が互いに高め合うように戦闘シーンは作られていきました。


20140802_gekitsui1.jpg■番外編・小さな大女優の誕生!?

また、ストーリーでは、主人公の武藤金義と喜代子の間にも赤ちゃんが生まれます。役をつとめてもらう赤ちゃんには、武藤家の一員として登場しながらも、時には、金義の気持ちや喜代子の思いを代弁するように、泣いたり、寝たりという演技をしてもらう必要がありました。しかし、赤ちゃんは、こちらの意図通りにはなかなか撮影が進まないのは当然のこと…。
時には、撮影が難航することも起こりうる状況なのですが、実は今回の撮影では、一発OK! 泣き声や涙の表情が入るところで、自然と泣き始める赤ちゃんに、共演者もそのまま演技を続け、アドリブを交えたシーンとして完成しました。また、寝始めるシーンも、他の共演者と共に演技(?)を継続して、OKカットへ。共演者・スタッフ共に認める、小さな大女優の誕生と、一連の演技で紡(つむ)がれた家族の風景をぜひご覧ください!

 

 

★放送予定
ザ・プレミアム ドキュメンタリードラマ「撃墜 3人のパイロット」
BSプレミアム  8月9日(土)・16日(土) 午後7:30~9:00

岡下慶仁(おかした・よしひと)

【コラム執筆者】
岡下慶仁(おかした・よしひと)

映像ディレクター。映画、ドラマ、CMの制作にたずさわり、今回、「撃墜~3人のパイロット~」で脚本を担当。過酷な状況の中で人はどう生きるべきかを日々模索中。趣味は料理。

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