「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札」の落札者の決定について

 「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札(東京都台東区・荒川区)(東京都新宿区)(東京都府中市・稲城市)(神奈川県厚木市・海老名市)(大阪府大阪市天王寺区・生野区・阿倍野区)(福岡県福岡市博多区の一部・南区の一部)」について、以下のとおり落札者を決定いたしました。

●落札事業者

  (東京都台東区・荒川区) 入札参加者4事業者

落札者の名称:
株式会社 パソナ
落札金額:
433,856,812円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
710.0 99.3 809.3

 

  (東京都新宿区) 入札参加者5事業者

落札者の名称:
株式会社 アイヴィジット
落札金額:
374,800,000円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
685.0 44.7 729.7

 

  (東京都府中市・稲城市) 入札参加者6事業者

落札者の名称:
クルーガーグループ 株式会社
落札金額:
379,798,709円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
791.0 35.0 826.0

 

  (神奈川県厚木市・海老名市) 入札参加者3事業者

落札者の名称:
クルーガーグループ 株式会社
落札金額:
444,208,338円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
788.0 36.0 824.0

 

  (大阪府大阪市天王寺区・生野区・阿倍野区) 入札参加者2事業者

落札者の名称:
株式会社 シーズコーポレーション
落札金額:
438,015,900円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
852.0 80.5 932.5

 

  (福岡県福岡市博多区の一部・南区の一部) 入札参加者6事業者

落札者の名称:
九州総合サービス 株式会社
落札金額:
248,548,000円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
485.0 49.2 534.2

●落札者決定までの経緯

9月8日
入札公告(NHKホームページ・官報等)
9月21日〜22日
入札説明会実施
9月21日〜28日
データルーム公開
10月25日
入札書等提出締切、入札
11月2日〜5日
プレゼンテーション実施
11月19日
(評価委員会)
11月25日
開札、落札者決定

●落札者決定の理由

 「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札実施要項」に基づき、入札に参加する者に必要な参加資格を全て満たし、提出された企画提案書およびプレゼンテーションの内容を、「NHK評価委員会事務局」において審査し、外部の有識者で構成される「評価委員会」に諮問した結果、企画提案書の審査により得られた評価点と、入札価格によって得られた価格点との合計点(総合評価点)が最も高く、入札価格についてもNHKにおいてあらかじめ設定する予定価格の制限範囲内であったため落札者として決定しました。

●落札者の企画提案内容の概要と評価

(東京都台東区・荒川区)  株式会社 パソナ
[概要]

  • ○ 実施責任者1名、グループ長1名、営業トレーナー1名、チーム長3名、総数開発要員13名、衛星開発要員1名、収納要員7名、バックヤード3名を配置。
  • ○ 移動手段については、自転車を利用。
  • ○ 契約取次業務は、2つの行政区をチームで交互に対策。チーム間の責任意識と競争意識の向上を図る。
  • ○ 口座・クレジット取次を高めるため、契約取次後数日以内に「サンキューコール」を実施。さらに一定期間を経ても口座・クレジット申し込みがない場合は2次対応を実施。

[評価]

  • ■ NHK業務の経験をふまえた実現可能性の高い提案と、業務経験者をリーダー格に配置することによる業務遂行能力を評価。
  • ■ 人材派遣業として、豊富な登録人材のなかから適性な人材を選考・採用できることや、大量移動期の土日祝日に要員を加重する施策等、人材確保・運用に重きをおいた提案。
  • ■ 地図ソフトを活用して効率的に業務を展開。

 

(東京都新宿区)  株式会社 アイヴィジット
[概要]

  • ○ 業務責任者1名、業務副責任者1名、契約取次要員15名、収納要員5名、事務要員1名を配置。
  • ○ 移動手段については、自転車を利用。
  • ○ 総数対策は地区担当制を基本とし、地域特性や視聴者のライフスタイルに応じた訪問により、接触率の向上を図る。
  • ○ 未収者への年4回の書面による収納督励のほか、電話対策もあわせて実施。

[評価]

  • ■ 地域分析と考察にもとづいたアプローチ手法を立案。活動量を試算し、要求水準達成に向けた計画を評価。
  • ■ 口座取次の手法や、要求水準に遅れが生じた場合の具体的な補完策を提案。
  • ■ NHK業務の経験者による人材採用・育成計画が明確。

 

(東京都府中市・稲城市)  クルーガーグループ 株式会社
[概要]

  • ○ 支店長1名、フィールドマネージャー2名、総数開発要員8名、衛星開発要員1名、未収収納対策要員6名、事務要員1名を配置。
  • ○ 移動手段については、車・バイク・自転車を利用。
  • ○ 1日3巡、年2回以上の全戸点検を実施。
  • ○ 月2日以上の衛星契約重点対策を実施。

[評価]

  • ■ 総数開発業務従事者と衛星開発業務従事者のノウハウを融合。衛星新規率、新規同時口座率等について高品質な目標を掲げ、「万能型」の要員運用を目指す提案を評価。
  • ■ 面接率向上を目指し、月数回の早朝・夜間訪問対策を実施するほか、電話対策も実施。
  • ■ 対応マニュアルや自己啓発マニュアルを整備し、対策要員のスキルアップが図れる環境を整備。

 

(神奈川県厚木市・海老名市)  クルーガーグループ 株式会社
[概要]

  • ○ 支店長1名、フィールドマネージャー2名、総数開発要員10名、衛星開発要員1名、未収収納対策要員7名、事務要員1名を配置。
  • ○ 移動手段については、車・バイク・自転車を利用。
  • ○ 収納および衛星対策において電話対策を実施し、面接率向上を図る。
  • ○ 新入社員を育成するための「早期独り立ちプログラム」を実施、研修の充実化を図る。

[評価]

  • ■ 偏った対策とならないよう管理者による「訪問指示型」の対策手法を導入した業績確保施策を評価。
  • ■ 補完型業務等の経験をふまえて、計画遂行に向けた要求水準の試算を実施。
  • ■ 契約をいただいた視聴者への「マナーアップコール」は、品質管理の徹底とともに、現場訪問要員の人材育成に活用する計画。

 

(大阪府大阪市天王寺区・生野区・阿倍野区)  株式会社 シーズコーポレーション
[概要]

  • ○ 統括責任者1名、フィールドマネージャー2名、総数開発要員11名、衛星開発要員2名、未収収納対策要員5名、事務要員1名を配置。
  • ○ 移動手段については、バイク・自転車を利用。
  • ○ 対象エリアを12分割かつ世帯層別の分類にして、地域属性や視聴者の在宅時間にあわせた訪問活動を展開。
  • ○ 訪問対象層ごとのロールプレイング実施や、訪問計画を策定。

[評価]

  • ■ 大阪市天王寺区・生野区を対象とした公開競争入札で落札した経験により得たノウハウに基づいた提案を評価。
  • ■ 上記対策要員枠以外で、事業所対策要員を配置し、訪問活動のほか、テレマ・DM対策を実施。
  • ■ 契約化までの対応をステップアップする過程として、地図等に“可視化”する「ランクアップ活動」の提案。

 

(福岡県福岡市博多区の一部・南区の一部)  九州総合サービス 株式会社
[概要]

  • ○ 管理責任者1名、実施責任者2名、契約・収納要員14名、指導員1名、電話兼事務要員3名を配置。
  • ○ 移動手段については、バイク・自転車を利用。
  • ○ 類似業務経験に基づいた地域分析を行い、訪問シフトパターン・対応マニュアルを設定。
  • ○ 訪問結果を5段階に分類し地図上で管理して活用。

[評価]

  • ■ 年3回の全戸点検において、契約勧奨はもとより、口座・クレジット勧奨も取り込んだ対策を評価。
  • ■ 衛星契約勧奨の強化週間や、収納督励強化期間など、メリハリのある活動を展開。
  • ■ 契約取次後の「サンキューコール」等を実施するとともに、フリーダイヤルを設置してコールバックにも対応。

●外部有識者で構成される「評価委員会」の委員および入札手続に対する評価コメント

(1) 評価委員
(NHKがおこなった「企画提案書」の評価について、中立・客観的な立場でその結果の妥当性をチェックする役割)

委員長
 樫谷 隆夫(公認会計士・税理士)
委 員
 稲生 信男(東洋大学国際地域学部教授)
委 員
 山形 康郎(弁護士)

 

(2) 評価コメント

  • 東京都台東区・荒川区、東京都新宿区、東京都府中市・稲城市、神奈川県厚木市・海老名市、大阪府大阪市天王寺区・生野区・阿倍野区、福岡県福岡市博多区の一部・南区の一部を対象とした第二次公開競争入札の企画審査手続は、公平かつ適切に行われているものと評価する。また、事業者が「質」と「価格」で適正な競争が可能となるように「エリア型法人」を整備したことが、競争入札制度の実効性を高めることにつながり、今般の提案にも反映されていることから、NHKの取り組みを高く評価する。
  • 前回に引き続き、総じて企画提案内容の充実がみられた。具体的には、入札対象地域の視聴者の属性や地域の実情の分析はもとより、新規契約と同時に取り次ぐ口座振替利用届等の割合など独自の指標や人材育成カリキュラムの充実等、意欲的な提案につながっている。また、「エリア型法人」等の経験をふまえた企画提案内容の充実により、評価の向上につなげている事業者も増えてきた。このことが、高いレベルの競争をもたらしており喜ばしい。NHKの契約・収納業務の理解がさらに深まったことの表れと評価できる。
  • 今回も、複数の地区に応札した事業者があった。複数の地区を同一事業者が落札することも当然想定される。複数の地区を同時に受託する等の観点から、契約内容に適合した履行がなされるのか、評価委員会の意見等をふまえ、必要に応じて事業者に対して聴取を行う等の措置を講ずることが望ましいと考える。
  • 総合評価にあたっては、引き続き、事業者の経験や実績を過度に重視することなく、新規事業者がNHKの契約・収納業務に参加しやすく、かつ落札が可能となるような環境整備についても、NHKにおいて継続して注力すべきである。
  • 競争入札の仕組みの精度を高め、コスト削減と業績向上の両立を実効あるものにするためにも、プレゼンテーションを含めた企画競争の評価結果については、企画提案の充実の観点から、他の応札事業者の独自ノウハウに留意しつつ、丁寧なフィードバックを実施するべきである。また、入札には至らなかった説明会参加事業者へのヒアリングなども引き続き実施し、事業者の参加意欲の低下を招かないよう努めてほしい。
  • NHKに対しては、事業者の参加意欲を高めるためにも、今後の試行拡大のスケジュールや規模など事業者への的確な情報提供とともに、「エリア型法人」等の裾野拡大や、参入後の契約取次業務の早期展開と習熟に向けた取り組みをいっそう強化することを期待する。