「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札」の落札者の決定について

 「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札(京都府京都市右京区)(兵庫県神戸市北区・三木市)(兵庫県伊丹市)」について、以下のとおり落札者を決定いたしました。

●落札事業者

  (京都府京都市右京区) 入札参加者4事業者

落札者の名称:
株式会社 シーズコーポレーション
落札金額:
285,705,000円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
798.0 56.5 854.5

 

  (兵庫県神戸市北区・三木市) 入札参加者5事業者

落札者の名称:
株式会社 E’ホープ
落札金額:
304,000,000円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
750.0 107.0 857.0

 

  (兵庫県伊丹市) 入札参加者7事業者

落札者の名称:
株式会社 アイヴィジット
落札金額:
269,000,000円

落札者の評価結果

評価点 価格点 総合評価点
627.0 29.3 656.3

●落札者決定までの経緯

5月14日
入札公告(NHKホームページ・官報等)
5月25日
入札説明会実施
5月25日〜28日
データルーム公開
6月28日
入札書等提出締切、入札
7月6日〜8日
プレゼンテーション実施
7月22日
(評価委員会)
7月27日
開札
7月30日
落札者決定

●落札者決定の理由

 「放送受信料の契約・収納業務 公開競争入札実施要項」に基づき、入札に参加する者に必要な参加資格を全て満たし、提出された企画提案書およびプレゼンテーションの内容を、「NHK評価委員会事務局」において審査し、外部の有識者で構成される「評価委員会」に諮問した結果、企画提案書の審査により得られた評価点と、入札価格によって得られた価格点との合計点(総合評価点)が最も高く、入札価格についてもNHKにおいてあらかじめ設定する予定価格の制限範囲内であったため落札者として決定しました。
 なお、入札価格が「契約内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の基準」を下回る入札が行われた(3地区中1地区)ことから、その価格によって契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められるか否か等に関する確認を行いました。その過程において、第一次事業者が「入札書に記載した入札金額では、業務履行が不可能であるため」辞退されました。よって、入札価格が予定価格の制限範囲内であった次点事業者が落札者として決定しました。

●落札者の企画提案内容の概要と評価

(京都府京都市右京区)  株式会社 シーズコーポレーション
[概要]

  • ○ 兼務役員1名、統括1名、兼務事務管理者1名、フィールドマネージャー2名、営業事務1名、総数開発6名、衛星開発2名、未収対策3名、収納対策2名を配置。
  • ○ 1日3巡。全エリアを年間2回以上全戸訪問を実施。移動手段については、エリアの特性に合わせて、自転車、原付自転車、自動車を利用。
  • ○ 受託エリアを地域性に応じて7つ(学生区、住宅密集区、山間裾野区、山間区)に分割。山間部と都市部、さらに時期に応じて対策密度を変動させ計画的な運用を図る。
  • ○ 地図に彩色し地図システムでお客様状況を可視化。

[評価]

  • ■ 契約化までの対応をステップアップする過程として“可視化”した「ランクアップ活動」の提案を評価。
  • ■ 地図の彩色を電子住宅地図上で行い共有するなど、バックヤード業務にも工夫。
  • ■ 「実績予測値」「稼動生産性」「計画要員配置」などの算出根拠への信頼。
  • ■ 契約者への「マナーアップコール」を、品質管理の徹底とともに、現場訪問要員の人材育成に活用する計画を評価。

 

(兵庫県神戸市北区・三木市)  株式会社 E’ホープ
[概要]

  • ○ 管理責任1名、実施責任者2名、契約・収納要員12名、事務要員2名、電話要員2名を配置。
  • ○ 移動手段については、徒歩による活動を基本とし、地域状況に応じて、自動車・バイク・自転車を活用。
  • ○ 取次時に「サンキュー&マナーアップコール」の実施を伝え、好適訪問時間帯を把握。
  • ○ 1班3名の体制でエリア内を巡回し、後続対応が必要な場合もリーダーによる迅速対応が可能。

[評価]

  • ■ 受信契約の取次時に「サンキュー&マナーアップコール」の実施をあらかじめ伝えることによって、電話番号登録率の向上や在宅時間帯の把握につなげる提案を評価。
  • ■ 1班3名からなる小集団による巡回活動に他班の業績補完機能を併せ持たせ、きめ細かいお客様対応と業績確保の両立を図るなどの合理的な施策。
  • ■ 平日、土日祝日を通して、9時から22時までの4パターンのシフト勤務が組まれており、対象地域における視聴者の在宅時間帯に対応できる態勢。
  • ■ リーダーを含め、契約・収納業務の経験者を確保。

 

(兵庫県伊丹市)  株式会社 アイヴィジット
[概要]

  • ○ 管理者2名、契約取次要員7名、収納要員5名を配置。
  • ○ 移動手段については、基本的に自転車、必要に応じて電車・バスを活用。
  • ○ 対象地域を、5ブロックに分け全戸点検を実施。
  • ○ 各年度第1期など要求水準の高い時期や実績低迷期について、担当者を追加して対応。

[概要]

  • ■ 東京都内の統括責任者が関西エリアでの同業務をバックアップし、東京都内での実務経験者をマネージャーとして登用する配置計画を提案。
  • ■ 新規の受信契約者に対して「ありがとうコール」を実施して、口座勧奨を実施。
  • ■ NHK業務仕様にカスタマイズした「金銭取扱管理規定」を整備し、個人情報漏洩保険に加入する概要を評価。

●外部有識者で構成される「評価委員会」の委員および入札手続に対する評価コメント

(1) 評価委員
(NHKがおこなった「企画提案書」の評価について、中立・客観的な立場でその結果の妥当性をチェックする役割)

委員長
樫谷 隆夫(公認会計士・税理士)
委 員
稲生 信男(東洋大学国際地域学部教授)
委 員
山形 康郎(弁護士)

 

(2) 評価コメント

  • 京都市右京区、神戸市北区および三木市・伊丹市を対象とした第二次公開競争入札の企画審査手続は、公平かつ適切に行われているものと評価する。また、事業者が「質」と「価格」で適正な競争が可能となるように「エリア型法人」を整備したことが、競争入札制度の実効性を高めることにつながり、今般の提案にも反映されていることから、NHKの取り組みを高く評価する。
  • 入札参加10社のうち8社は、NHKの契約・収納業務を経験している事業者であったことから、入札対象地域の視聴者の属性や地域の実情の分析に踏み込んだ中身の濃い提案がみられた。また、初めて入札に参加した事業者であっても、「エリア型法人」における経験をふまえた提案により、高い評価につなげており、参入事業者の裾野拡大に向けた取り組みを一層進めることが望ましいと考える。
  • 今回も複数の事業者が3地区すべてに応札した。複数の地区を同一事業者が落札することも当然想定される。複数の地区を同時に受託する等の観点から、契約内容に適合した履行がなされるのか、評価委員会の意見等をふまえ、必要に応じて事業者に対して聴取を行う等の措置を講ずることが望ましいと考える。
  • 総合評価の配点については、前回から、事業者の経験や実績を重視するものとなったが、新規事業者がNHKの契約・収納業務に参加しやすく、かつ落札が可能となるような環境整備についても、NHKにおいて継続して注力すべきである。
  • 競争入札の仕組みの精度を高め、コスト削減と業績向上の両立を実効あるものにするためにも、プレゼンテーションを含めた企画競争の評価結果については、他の応札事業者の独自ノウハウに留意しつつ、丁寧なフィードバックを実施するべきである。また、入札には至らなかった説明会参加事業者へのヒヤリングなども実施して、事業者の参加意欲の向上と裾野拡大への努力を継続してほしい。
  • NHKに対しては、事業者の参加意欲を高めるためにも、今後の試行拡大のスケジュールや規模などの的確な情報提供を期待する。