同時多発火災を少しでも減らすためには“そもそも火事を起こさない”ことが、なによりも大事です。そのために重要なのは“初期消火”です。
かつては、コンロやストーブなどによる火事を防ぐために避難訓練などで『グラッときたら火の始末』とか『地震だ!火を消せ!』という標語が使われてきました。
年輩の方のなかには、いまでも、揺れたらすぐ火を消そうとしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、地震時にあわてて火を消そうとして、火傷をしたり、ケガをする事例もたくさん報告されています。東京消防庁の調査報告によると、炊事をしている人が多い時間帯に起きた新潟県中越地震では、負傷者の1割が熱湯による火傷だったといいます。
今は、昔と違いガス器具やストーブも揺れを感じると自動的に止まる仕組みが普及しています。
火を使っていた場合でも、まず身の安全を確保することを優先し、揺れがおさまってから火の確認をするようにしましょう。
万が一、出火していたとしても、慌てないように。
初期の火が小さい段階であれば、消火することは可能です。
現在は避難訓練でも『火の始末をするのは、揺れがおさまってから』と指導するように変わってきているそうです。