生きるスキル

"火災"からのサバイバル③火事が遠くでも、あなどってはいけません。
早めの避難行動が大事です。

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火が燃え広がる速さは、風があっても時速200~300メートルくらいです。
これは人間の歩く速さの20分の1程度でしかありません。
そう聞くと、ついつい“火が近くにきてから逃げれば十分間に合いそう”と思ってしまいますよね。

しかし、地震火災を長年研究してきた室崎益輝さん(兵庫県立大学大学院 減災復興政索研究科 科長)はこう語ります。

「火事の現場が遠いからといって決して安心はできません。
地震の際は、同時多発的に火災が起き、意外な形で燃え広がっていくからです。例えば“火の粉”。数百m先まで飛んで、遠いところまで延焼を拡大していきます。放置した車両が、炎から発せられる熱(輻射熱)にさらされ、燃え出し、道路を越えて炎が拡大していくことも考えられます。また、すぐそばの一見平穏そうな家のなかでは、いままさに炎がくすぶっている状態かもしれないのです。

油断していると、いつの間にか火災で取り囲まれ、逃げる機会を失ってしまいかねません。
延焼のエリアが大きくなれば、狭い路地に安全な場所をもとめて避難しようとする人があふれ、思うように移動できなくなっていきます。
お正月の初もうでの混雑のような状況のなかを移動する状態を想像してみてください。
逃げることがままならないうちに、どんどん火の手が迫ってくることになります」

ではどうしたらいいのでしょうか?

室崎さんは、状況が深刻になる前の早めの避難が肝心だといいます。

「ひとつの目安ですが、500mぐらい先に複数の煙が立ち上っているような状況を見たら危険が迫っていると思っていただきたい。風が強ければ、逃げ遅れる可能性も出てきます」阪神淡路大震災のときの火災の映像が、地震の際の火災の実情を克明に伝えています。
神戸市のホームページで見ることができるので、ぜひ参考にしてください。(NHKサイトを離れます)

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