これまで書評した本
2009年02月28日放送内容    (再放送:2009年03月01日)
司        会 三舩優子 ・ 中江有里
出演・書評 向井万起男 ・ 神津カンナ ・ 坂口恭平
特        集 津村記久子    新芥川賞作家に迫る
■おすすめの一冊 様々なジャンルのゲスト3人が自分の選んだ本を推薦するコーナーです。
一粒の柿の種 サイエンスコミュニケーションの広がり 書    名 一粒の柿の種 サイエンスコミュニケーションの広がり 向井万起男
著    者 渡辺政隆
出版社 岩波書店
書評する人 向井万起男 (医師、慶應大学准教授)
本の内容
日本にサイエンスコミュニケーションという概念を紹介した著者が、科学の楽しみ方を、ユーモアたっぷりにまとめました。
茶碗に立ち上る湯気から森羅万象を説明した寺田寅彦や、ダーウィンが、「種の起源」を、専門書ではなく一般向けに書いたことなど、一流の研究者が優れた表現者でもあったエピソードも興味を引きます。
科学のもたらす豊かさと、それを分かりやすく伝えることの重要性が示された一冊です。
向井万起男さんの「おすすめの本」(上記以外)
書名 著者 出版社
野球 アメリカが愛したスポーツ ジョージ・ベクシー著 鈴木泰雄訳 ランダムハウス講談社
ブルー・ヘヴン C・J・ボックス著 真崎義博訳 ハヤカワ文庫
精神分析を受けに来た神の話 幸福のための10のセッション 書    名 精神分析を受けに来た神の話 幸福のための10のセッション 神津カンナ
著    者 マイケル・アダムス著 勝野憲昭訳
出版社 青土社
書評する人 神津カンナ (作家、エッセイスト)
本の内容
豊富な臨床経験を持つ精神科医が、自らの経験を元に描いたフィクションです。
アメリカの小さな町で開業するジョンソンのもとに、ある日ガブリエルという患者が面接に訪れます。初めはごく普通の中年男性に見えたのですが…。ジョンソンの過去や、未来の出来事を鮮やかに言い当て、神としての苦悩を口にするガブリエル。思いがけぬ事態の連続に、医師であるジョンソンが自己に混乱をきたします。
一級のサイコスリラーのような面白さと、生きることの意味を、深く噛み締めることのできる物語です。
神津カンナさんの「おすすめの本」(上記以外)
書名 著者 出版社
感染地図 歴史を変えた未知の病原体 スティーヴン・ジョンソン著 矢野真千子訳 河出書房新社
停電の夜に ジュンパ・ラヒリ著 小川高義訳 新潮文庫
乱歩の軌跡 父の貼雑帖から 書    名 乱歩の軌跡 父の貼雑帖から 坂口恭平
著    者 平井隆太郎
出版社 東京創元社
書評する人 坂口恭平 (建築探検家)
本の内容
日本の探偵小説の草分け・江戸川乱歩の、知られざる人生を明らかにした労作です。
第二次大戦中、執筆休止状態に追い込まれた乱歩は、手製の自伝を作り上げます。家系図に始まる生い立ちの記憶や、転居と転職の連続…。乱歩は、手紙、スケッチ、写真や新聞記事などを交え、卓越した観察力と驚異的な執念で自分の足跡を記しました。
「貼雑年譜」と呼ばれるこの自伝は、今では戦前戦後の時代風俗を伝える貴重な資料になっています。本書は、この「貼雑年譜」を、乱歩の長男で社会学者でもある著者が、客観的に分析したものです。
作家・江戸川乱歩が誕生するまでの紆余曲折の人生が綴られた、大変興味深い一冊です。
坂口恭平さんの「おすすめの本」(上記以外)
書名 著者 出版社
新潮日本文学アルバム15 萩原朔太郎 萩原朔太郎 新潮社
デュシャンは語る マルセル・デュシャン/著 ピエール・カバンヌ/聞き手 岩佐鉄男・小林康夫/訳 ちくま学芸文庫
■特集 旬の作家や大物作家へのインタビューから電子本などのジャーナルな話題まで、本を取り巻くビビッドな動きをお伝えします。
ポトスライムの舟 書    名 ポトスライムの舟 津村記久子
著者・ゲスト 津村記久子
出版社 講談社
アレグリアとは仕事はできない 書    名 アレグリアとは仕事はできない
著者・ゲスト 津村記久子
出版社 筑摩書房
テーマ
新芥川賞作家に迫る
内容
第140回芥川賞を受賞された津村記久子さんをスタジオにお迎えし、受賞作「ポトスライムの舟」と話題作「アレグリアとは仕事はできない」を中心にお話を伺いました。

【本の内容】
「ポトスライムの舟」
母親と二人暮らし、30歳を目前にした独身女性・ナガセ。工場の契約社員としてほそぼそと働いていましたが、ある日、手取りの年収とほぼ同じ、163万円の世界旅行ツアーに参加を決意します。しかしその矢先に、離婚を決めた友人と娘が自宅に転がり込み、少しずつ心が変化していきます。
著者自身と同じ、就職氷河期に大学を卒業した女性たちの生活と心理を、細やかに描いた小説です。

「アレグリアとは仕事はできない」
主人公・ミノベの仕事は、小さな会社で報告書の製本をすること。ある日、最新型という触れ込みで導入されたコピー機・アレグリアの度重なる不調に、ミノベは怒りを爆発させます。
一台のコピー機があぶり出す社内・社外の微妙な人間関係。その危うさを、皮肉とユーモアたっぷりに描き出しています。

■ベストセラーレビュー 様々な切り口で本に関するランキングをお伝えしていきます。
テーマ 単行本・文芸 週間ベストテン
調   べ トーハン調べ
  書 名 著 者 出版社
1 英雄の書(上・下) 宮部みゆき 毎日新聞社
2 利休にたずねよ 山本兼一 PHP研究所
3 悼む人 天童荒太 文藝春秋
4 告白 湊かなえ 双葉社
5 ダブル・ファンタジー 村山由佳 文藝春秋
6 ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊 宝島社
7 ポトスライムの舟 津村記久子 講談社
8 新装版 天地人(上・中・下) 火坂雅志 NHK出版
9 猫を抱いて象と泳ぐ 小川洋子 文藝春秋
10 喋々喃々 小川糸 ポプラ社
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