干すだけで変身!野菜の栄養パワー

2020年8月6日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

驚きの変身!干し野菜の栄養パワー


干すだけで変身!野菜の栄養パワー


美と若さには欠かせない野菜!
1番おいしい野菜は新鮮でみずみずしい野菜と思いますよね…

でも、それって違うかもしれないんです。

お見せしましょう!
フレッシュな野菜をさらにおいしく大変身!

干からびちゃっているように見えますが…
そのお味は?

ということで、今回のテーマは「干し野菜」
野菜の深みのあるおいしさを味わいたいなら、「干す」のが新常識!

美と若さのアドバイザー、東京医科歯科大学特任講師の宇山恵子さんは、長年の知恵が干し野菜だといいます

「干し野菜は、実は日本食の伝統で、万葉集の中にも登場するほど古いんです。ステイホーム中に料理を始めたら、ちょっと切りすぎちゃったとか、そういう野菜を捨てずに「そのまま干しておくだけでいい」ので、ステイホーム中の趣味みたいな感じもあるっていうことです。」(宇山さん)

その干し野菜を詳しく知る人が、
食のプロが集まる町、東京築地にいました。

60年以上続く料理道具店です。

店主の廣田有希さん。12年前、父親から家業を受け継ぎました。

廣田さんが、今いちばん力を入れている商品が、干しカゴと呼ばれる干し野菜をつくる専用の道具。

そのほか、干し野菜をつくるのに使えるざるもたくさん揃えています。

実は廣田さん、干し野菜へのこだわりが高じて、千葉県に一軒家を借りるまでに。

ここはまさに、廣田さんの干し野菜の研究室。

近所の農家の方から買ったとれたての野菜。

いつも、片っぱしから干し野菜にしちゃいます。
にんじん、カブ、大根からズッキーニまで!

実際に干すのは南向きの縁側。

天気のいい日には切った野菜をざるやカゴに並べて、半日ほど干していきます。

その効果を聞いてみると

「料理がおいしくなってる感じをかもしだせるのがいいです。腕が上がると思います。野菜を干すだけで。」(廣田さん)

そもそも廣田さんが干し野菜づくりにハマったきっかけは、このざる。

「こういう昔ながらの日本の道具を、みなさんに知ってもらいたいと思っていました。今の人の生活スタイルにあわせて、どうやったら楽しんでもらえるかと考えていました。」(廣田さん)

そんなある日、廣田さんは知り合いの農家から、とても食べきれない量のたくさんのトマトをもらいました。

そのときふと、ざるを使って干してみたらどうだろうと思いついたのです。

「ドライトマト、イタリアであるじゃないですか?それが作れるかな?と思いました」(廣田さん)

見よう見まねで半日トマトを干し、食べてみたところ、ビックリ!

「それまで私は、野菜があまり好きではなかったんですけど、ちょっと1日干しただけで、野菜がすごくおいしくなって、あれー?なんか今まで食べいてたのと違うぞ、と思いました。」(廣田さん)

では、その味の違いを確かめてみましょう。

協力してもらったのは、70年の歴史を持つ老舗のフランス料理店。
カプレーゼ。トマトの上にチーズを乗せたサラダを作っていただきました。

生トマトと干しトマト、それぞれご用意いただきました。

試食するのは、料理研究家の和田明日香さんです。
いろんな食材に詳しい和田さんですが、干し野菜にはいったいどんな評価を下すのか。

まずは、新鮮な生のトマト。

「おいしい。もちろんおいしい。知ってるトマトです。」(和田さん)

続いて干したトマトのほうは?

「甘い!あと濃いです、うまみが。生だとトマトのみずみずしさみたいなのが、第一印象って感じだけど、干しトマトは噛めば噛むほどその水の奥にあるトマトの味、うまみみたいなのがじわじわくる感じでした、おいしいです。」(和田さん)

「干し野菜」の大変身!その1
トマトの甘みとうまみが増す?

さらにもう1品、干しきゅうりも料理していただきました。

ひき肉と干しきゅうりの炒め物。
見た目としても随分違いますが…

「おもしろい。お漬物でもないし、なんだろう? 青臭い感じも全然ないし、フルーツっぽい感じかも?パパイヤとか。きゅうりが変わっちゃった感じです。」(和田さん)

干し野菜の大変身!その2
きゅうりがフルーツに!?

干し野菜のおいしさを探るため、スタジオにはたくさんの干し野菜をご用意。

干し野菜の達人ともいうべき、廣田有希さんに干し野菜の魅力もうかがいます。
きっかけは、やっぱりおいしさですか?

「おいしさと、あとは料理をするという時に、すごく楽に料理ができるんです。切って干してあるから、そのまま使うだけですので。」(廣田さん)

例えば、こちらの干しにんにくなどは?

「私は結構スライスして干しちゃいますけれど、加熱すると、ホックリ感がすごいのと、あとは甘みと、コクが出てくるので、煮込みとかにする時にはすっごい濃い味が、出てくる感じです。だしの固まりというか、うまみを引き出すのが、干し野菜なので」(廣田さん)

ブロッコリーや白菜は、ちょっと見た目的には、おいしくなくなっていそうに見えますが・・・。

「見た目的にはちょっと残念な感じかもしれませんが、湯がいたり加熱したりすると、しゃっきり感がすごくって、料理するとほんとにシャキっとなって、最高なんです。」(廣田さん)

オススメの干し野菜は何ですか?

「とくにトマトとにんじんがおすすめです。干したにんじんは、オイルかけてトースターに入れて1分くらいでスナックもできます。チップスみたいな感じなのでにんじんを食べられない子どもも、あっという間ににんじん1本分を食べちゃいます。」(廣田さん)

こちらは干しにんじん。とっても甘いんだそう。

こちらは、干しトマト。調理済みのようなコクがあるんだとか。

では、その簡単な作り方、教えて下さい!

「干し野菜(を作るとき)のコツは、乾かすことが目的なので、野菜を切ったら水分をキッチンペーパーとか布で水気をとってあげます。干す時は基本的にはお天気の良い日。お布団干して気持ちいいなという感じの時に、私はお野菜も一緒に干すようにしています。」(廣田さん)

晴天のときに、半日以上 干すのが、廣田さんのおすすめ。
見た目が少し乾いていないように見えても、ちゃんとおいしくなるのだそう

専用の道具でなくても、ザルやクッキングバットなど風通しの良さそうな器具でオッケーです。

ちなみに、初心者におすすめの野菜ってあるんでしょうか?

「大根は、干しやすいです。にんじんもすごく干しやすいと思います。これからの夏場はきゅうりなども簡単に干せると思います。」(廣田さん)

こうした「おいしさ」の激変ぶり。
野菜を干している間、何が起こっているのか?
ある変化のおかげで、干し野菜は甘くなるのです。

どれだけ甘みに違いが出るのか、ミニトマトを使って実験してみました。

干した時間は、たった4時間。

干す前は糖度は5.0%でした。
4時間干した後、見た目はあまり変わらないのに糖度は10.8%に!

水分量が減ったことを加味して計算しても、約4.8%も糖度が増えています。

これだけの甘みを生んでくれる仕組み、長く干し野菜を研究している、農林水産物光処理研究所所長 青木秀敏さんに聞きました。

「天日干しとは、お天道様の恩恵を受け入れて、糖とかアミノ酸が増えた食材を、家庭で手軽に作れる、そういうものです。」(青木さん)

野菜は通常、成長に必要な養分を土から得て育っています。

収穫してしまうと、土からの養分が届かなくなるため、当然、成長もストップ。

ところが、これ以上育つことができなくなっても、細胞は活動を続けているんです。

「植物には、光受容体っていうのがあります。その光受容体で太陽光を感知しますと、光合成あるいは代謝物の合成やデンプンの蓄積が行われるんです。」(青木さん)

光受容体とは、光に対するセンサーのような役割を持つ器官。
細胞それぞれの中にあり、光が当たると反応します。

収穫したり、切ったりしても、野菜の細胞は生きているため、太陽の光を感知することができます。
すると、野菜は光のエネルギーと自らの身に残った水分を使って糖を作り始め、甘みの元である糖は増えるというわけです。

こちらは、白菜を干したときの糖度についてのデータ。
たった3時間の天日干しで変わっています。


資料提供:農林水産物光処理研究所所長 青木秀敏

「天日干しにして、白菜の糖がどういう風に変化したかというデータですけれども、いちばん最初の状態から、時間が経つにつれて、糖度が増していくということがわかっています。」(宇山さん)

しかも、アップするのは甘みだけじゃないんです!
こちらは、うまみのもとであるアミノ酸の量を測定したグラフです。
天日干しを始めて1時間後、一旦は下がりますが、2時間後からは増加。
太陽の光の影響で、アミノ酸を使う作用より、作る作用が増えるのです。


資料提供:農林水産物光処理研究所所長 青木秀敏

「たった3時間でこんなにうまみが増えています。だいたい3時間から5時間、切った表面がちょっと変わっちゃったかな?というぐらいでも、十分うまみは味わえると思います。野菜を切って、太陽に当たる面を大きくしてあげた方が、光を取り入れ栄養を貯めようということになります。曇り空とかでも効果は得られます。晴れの日と全く同じではないですけれども、干し野菜を作ることはできます。」(宇山さん)

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