骨の質「骨質」が劣化する!?

2020年6月25日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

“質”が盲点!骨の新健康術


骨の質「骨質」が劣化する!?


骨の新たな問題が、実は若い人にも起きていると言います。

順天堂練馬病院准教授で整形外科医の坂本優子さんは日常の臨床でそのことを体験してきました。

ある日の一例です。
30代の女性が、出産後に腰が痛いということで診察に来ました。

「出産後、赤ちゃんを抱っこしたりとか、家事をしたりという重労働があるんですけれど、その中で急に腰が痛くなってきてしまっていました。レントゲンをとると、怪我もしていないし転んでもいないのに骨が折れていた、という方が実際いらっしゃいます。」(坂本准教授)

そのときのレントゲン写真がこちら。
背骨を構成する椎骨が潰れてしまっています。
診断は圧迫骨折でした。

骨密度を測ってみたところ、確かに低下はしていました。
しかし骨折するほどの値ではありませんでした。

「骨密度がしっかり正常であっても、なぜか折れてしまうという人がいます。若いうちに折れる方の中には年老いて折れる方よりも多く、骨質が悪いということが含まれていると思います」(坂本准教授)

骨の質、「骨質」とは一体なにか。
実は、骨密度と並んで、この骨質こそが骨の強さを支えているというんです。

もう一度、ミクロの世界で見てみましょう。
無数に入り組むカルシウム成分の構造。

その中を覗くと、 実はその中心に鉄筋のようなものがあるんです。
これが「骨質」に影響するんです!

なぜ、骨質が悪くなってしまうのか?

実は、ブドウ糖を取りすぎると骨質を悪くしてしまうんです。

その骨の様子を実験的にわかりやすく見せてくれたのが、同志社大学教授の八木雅之さんです。
骨質劣化のメカニズムを研究しています。

準備したのは2本のウシの骨。

ブドウ糖を溶かした溶液を作り、骨を入れたケ―スに注ぎます。
もう一方の骨には、ブドウ糖のない液体。

温度を一定に保つ機械に入れます。

3日後、取り出された骨がこちら!
なんか色が違いますね。

ブドウ糖入りの液体につけた骨は、茶色くなっています。

では骨の折れやすさは、どれだけ変化があるのか?
2つの骨を同じ形に削り、骨の強さを比較します。

機械に固定し、上から力を加えて折れるまでの時間を計ります。

上が、骨質のいい白い骨。
下が、骨質の悪い茶色の骨です。

ゆっくり力を入れていくと、骨質の悪いほうの骨が先に折れました。
タイムは41秒。

白い骨のほうはさらに力を加えて、64秒まで耐えました。

骨密度だけでなく、骨質までケアすることが本当の骨美人なんです!

「骨質が悪いことによって骨折をする、ということが認識されたのが2000年代に入ってから、ここ10年のことです。骨質の研究というのが非常に活発に進められてきています。」(金沢さん)

この新しい研究の「骨質」。
その強さを生み出す「しなやかさ」とは、どういうことなのでしょうか。

骨の中にある鉄筋のようなもの。
この鉄筋の正体がコラーゲン。

コラーゲンがあることで、骨が単にかたいだけでなく、しなやかさも手に入れ、外からの衝撃を受け流せるようになるのです。

「骨のしなやかさを生み出すのは、コラーゲンです。肌のことでよく聞く物質ですが、骨の中でもすごく重要な役割を担っています。実は骨の中にもたくさんコラーゲンがございまして、骨というのはかたいだけではダメで、しなやかさを持って衝撃を逃がせるというのが骨の強さということになってきます。ですので、かたさだけではなくその質を担保するのがコラーゲンということになります。」(金沢さん)

では、若い人にも関係があるという骨質劣化のチェックリストを見てみましょう。

骨質のチェック項目は6つ。

1. 「内臓脂肪が多いと言われたことがある」
2. 「甘いものが好き」
3. 「1日1食で済ませることが多い」
4. 「たばこを吸う」
5. 「睡眠不足」
6. 「ストレスをよく感じる」

当てはまる数が多い人ほど、骨質が悪い可能性があります。

上の3つが糖に由来する項目です。

「内臓脂肪が多い方は、そもそも糖をとりすぎの方が多いですし、内臓脂肪があると食べたものが、食後の血糖が上がりやすくなったり、あるいは1日1食とか、まとめてドカ食いするような方は吸収が高まっているので、その後の食後の血糖が上がりやすくなるということがわかっています。」(金沢さん)

問題は下の3つ。
ここにチェックがある人は、さらに注意が必要です
原因は・・・活性酸素!

「活性酸素というのは、私たちが呼吸をして酸素を取り込んで、エネルギーに変えて生きているわけですけど、その取り込んだ酸素の数パーセントが、活性のいい暴れ者の酸素になってしまうんです。その数が多すぎて増えてしまうと、自分自身の細胞とかを傷つけてしまって、それが病気になったり老化を招いたりということで問題視されています。」(宇山さん)

糖と活性酸素。
この2つが重なると骨に何が起こるのか。

内科医で骨粗しょう症学会評議員の金沢一平さんは、酸化ストレスが骨質の悪化を進めてしまうと言います。

(活性酸素による)酸化ストレスというものが非常に重要な役割をしています。糖がコラ―ゲンにたくさんつく。そこに酸化ストレスが加わってくると、AGEと呼ばれる老化物質が蓄積することになり、最終的に骨質が悪くなります。」(金沢さん)

皆さん、AGE(エージーイー)という言葉、聞いたことありますか?

実はパンを焼いたときにできる、この茶色い焦げもAGE。

これがカラダの中にできると、老化を進めてしまうという美の大敵!
このAGEが骨にまで影響するんです。

金沢さんの考える骨質劣化のメカニズムです。

骨のしなやかさを作るコラ―ゲン=鉄筋をつなぐ梁の構造。
これが衝撃を受け流し、しなやかさを生み出すポイントです。

ところが血流に乗って余分な糖がやってくると、梁の周りにくっつきます。
さらに活性酸素が来ると、AGEというかたい物質に変わります。

このAGEの梁が増えれば増えるほど、コラ―ゲンはそのしなやかさを失ってしまうのです。

つまり、酸化ストレスはAGEを増やし、骨質の劣化を早めているのです。

骨質を劣化させる原因は過剰な糖と活性酸素による酸化ストレス
この2つをなんとかすることが、骨質をよくする鍵なんです!

「このコラーゲンの間にできる梁というのが、骨質のキモになってきます。正常な状態では、この梁の場所というのは、もう遺伝的に決められた場所がありますので、設計図通りに作られることによって、しなやかさが保たれることになります。一方で、糖や酸化ストレスがありますと、余計なところに、余計な邪魔が入ってしまうので、ガチガチのかたさになって、しなやかさが損なわれて、骨の強度が低下するということになります。かたくなれば、例えば瀬戸物のように、かたいんですけども、コンコンと衝撃があると、パリンと割れてしまうのです。古くなったり、質が悪くなったものでも、正常な新陳代謝が行われていれば、そこが削られて、新しいものに置き換われますので、骨の質は担保されるということになります。」(金沢さん)

骨質劣化の原因がわかったところで、 骨に良くない習慣を、おさらいしましょう。

【骨密度を悪化させる】
・ 痩せ型
・ カルシウム不足
・ 女性ホルモン低下
【骨質を悪化する】
・ 肥満(内臓脂肪)
・ 甘いもの好き
・ ドカ食い
・ 喫煙
・ 睡眠不足
・ 精神的ストレス
【両方に共通】
・ 運動不足
・ 日光を浴びない

こうした生活習慣は、骨粗しょう症が心配な高齢者だけでなく、若者も気を付けてほしいと金沢さんはいいます。

「生活習慣の乱れというのは、むしろ若い人のほうが多いかもしれません。こういったものは骨質の劣化につながって、若いので骨折はしなくても、オステオカルシンのようなものは、低下してくると考えられます。」(金沢さん)

よくコラーゲンを食べるといいと考える人がいますが、実はそれが骨質をよくするというわけではないそうです。誤解は禁物ですよー

「骨の中のコラーゲンとは、食べたものがくっつくわけではなくて、骨芽細胞がコラーゲンを作り出します。」(金沢さん)

ということで、骨芽細胞をどうやって働かせるかが大事になってくるんです。

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