病気や老化予防!骨から若返りホルモン

2020年6月25日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

“質”が盲点!骨の新健康術


病気や老化予防!骨から若返りホルモン


「骨に豊か」と書く
この漢字、読み方わかりますか?

その答えは有名な本にありました

解体新書の体の字。
そう”カラダ”と読むんです。

私たちのカラダには200本以上の骨があります。

骨が豊かであることは、私たちにとってとっても大事!
骨が豊かでなくなると…

シワや、たるみの原因にも骨は関係しています。

骨が弱くなって痩せてくると、大きさも縮みます。
すると骨と皮膚の間に、隙間が!

これが、しわやたるみの原因になるんです。

「頭蓋骨がちょっと痩せてきて、それがしわになったりたるみになったりということが、2011年頃にアメリカの研究ですごく話題になりました。頭蓋骨が縮んだら小顔になってくれて嬉しいような気もしますが、皮膚とか他のものもキュッと一緒に縮まないので、どんどんたるみが出たり、目が窪んでしまうことになるんです。」(宇山さん)

さあ、それだけ大事な骨のお話。
まずは、こちらの可愛らしい女性に注目してみましょう。

ウエイトリフティングで、2大会連続でオリンピックに出場している八木かなえさんです。

身長153センチ、小柄なカラダで持ち上げる重さは最高記録112kg!

これだけの重さを持ち上げるのが、鍛えられた筋肉と、 そう丈夫な骨ですよね!

206本の骨のうちの1本がどれくらいの重さに耐えられるかというと・・・。

なんと600kg!およそ軽自動車1台分!

その強さの源は、みっちりと中に詰まったカルシウム成分です。

カルシウムが足りなくなると、 骨粗しょう症となります。密度が減って骨が弱くなってしまう状態です。

この密度を保つため、骨は日々作り変えられてるんです。
骨の中をお見せしましょう!

骨の中はカルシウムの柱や赤い血管が網目のように入り組んでいます。

なにやら、その中を動いているものがあります。
こちらは破骨細胞(はこつさいぼう)

古くなった骨を壊す働きをしています。

しかし、壊すだけでは困ります。
そこで登場するのが、分裂を繰り返して生まれる小さな細胞。
壊した骨を修理する 骨芽細胞(こつがさいぼう)です。

破骨細胞が壊したあとに、カルシウムなどの成分を出して新しい骨を作ります。

作っては壊し、壊してはまた作る。
この2つの細胞の連携プレ―が、骨の強さのヒミツなんです!

では実際にどのように連携して働いているのか。
その貴重な瞬間を捉えたのが、大阪大学教授 石井優さんです。

見せてもらったのは2光子励起顕微鏡という特殊な顕微鏡です。

「生きたままカラダの中を特殊なレーザーを当てて見るという顕微鏡です。」(石井教授)

骨を見る場合、眠らせたマウスを箱の中に入れ カラダの見たい箇所にレーザーを当てることで骨の中の様子を捉えます。

その映像がこちら。
赤く染めているのが、古くなった骨を壊す破骨細胞。
一方、青く染めているのが、骨を新しく作る骨芽細胞です。

2つの細胞がくっつきました。

実は赤い破骨細胞が自らくっつきにいっているんだそうです。

石井教授はこのとき、2つの細胞はメッセージを交換しているのだと言います。

「骨を壊す破骨細胞がコンタクトすることによって、今度は骨芽細胞に、骨を作ってくださいねというシグナルを伝えているということがわかっています。」(石井教授)

古い骨を取り除いた破骨細胞が、骨芽細胞に「次は任せた!」と伝えている瞬間なんです。

「骨は、作られっぱなしだと段々古くなっていきます。生涯、何十年もカラダを支えていかないといけないのが骨です。常に古い骨を削って新しい骨に置き換えることによって骨は強くなっているのです。」(金沢さん)

この細胞レベルの精巧なメカニズムが研究されることで、骨と健康の研究が近年急速に変わってきたといいます。

「骨密度も大事なんですけど、最近、骨の質「骨質」というのがとても重要であるということがわかってきました。また骨は、さまざまな病気と関連しているということがわかってきまして、密度だけではなく質をよくすると、そしてさまざまなパワーがあるということが最近の研究でわかってきています。」(金沢さん)

再び骨の中を見てみます。
新しく骨を作っている骨芽細胞。
実は骨を作りながら、大切なホルモンを放出します。
それがこの赤い粒、オステオカルシン

骨から出たオステオカルシンは、血流に乗って、全身にさまざまな効果を発揮するというのです。

女性医療の専門家で骨粗しょう症研究の第一人者、藤田医科大学病院 客員病院教授太田博明さんは、この全身にもたらす様々な効果に注目しています。

「全身の代謝にオステオカルシンが関与している。骨の代謝ばっかりではありません。例えば心臓だと動脈硬化を予防するとか、肝臓に働くと脂肪肝を予防します。」(太田教授)

オステオカルシンは特に生活習慣病を予防する働きがあるのです。
血管に作用して動脈硬化を予防したり、肝臓に脂肪がたまるのを抑えたり、すい臓の機能を高め高血糖を抑える、などなど!

つまりオステオカルシンは、臓器の老化抑制を後押ししてくれるということ。
最強のバックアップホルモンなんです!

最新研究では、オステオカルシンが脳の働きも大きく向上させることが確かめられています。
マウスを使った実験です。

準備したのは水をはった水槽。
赤く示した避難場所が1か所だけあります。

ここにマウスを入れると、陸地を探して泳ぎ回ります。

ようやく水面から出ている避難場所にたどり着きます。
時間を計測してみると、 通常たどり着くまでの時間は、1分30秒ほどでした。

今度は、遺伝的にオステオカルシンを作れないマウスに繰り返し泳がせて、通常のマウスとの違いを比べます

10回以上繰り返すと…
通常のマウスは、たった4秒でゴールイン!
一方、オステオカルシンを作れないマウスは 結局1分30秒ほどかかってしまいました。

通常のマウスは、実験を繰り返すとどんどんタイムを縮めていきます。

しかし、オステオカルシンのないマウスは、タイムをほとんど縮められませんでした。

つまりオステオカルシンを作れないマウスは、学習能力が大きく下がってしまったのです。

記憶や学習能力も、骨芽細胞が作るオステオカルシンが支えている。
つまり骨は私たちのカラダだけでなく、賢ささえも支えているのです。

「古くから骨というのは、カラダを支えているだけだと思われていたのですが、実は骨からオステオカルシンなどいろいろなホルモンが出てくることがわかってきたのが、2000年代に入ってきてから、特にオステオカルシンがわかったのは2007年頃です。」(金沢さん)

「実はオステオカルシンだけではなくて、ランクルという、あの骨芽細胞から分泌されるホルモンも免疫機能の働きと関係していると言われていて、非常にたくさんの新しい機能を持つホルモンが骨から分泌されているというのが、すごく注目されています。」(宇山さん)

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