感染予防のバリア!粘液のなかの潤い物質

2020年6月11日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

ドライシンドロームを防げ!粘膜美人の秘けつ


感染予防のバリア!粘液のなかの潤い物質


私たちのカラダを守ってくれるという粘膜。
その粘膜は、どうやって私たちのカラダを守ってくれているのでしょうか?
斎藤教授に解説して頂きました。

「粘膜というものは、我々のカラダを守ってくれてるということで、バリア機能とも言われています。外に接している臓器には、いろんな微生物、細菌とかウイルスが入って来ますが、こういう粘液をもって、防いでくれているのです。液体っていうものだけが守っているわけではありません。液の中には、抗菌物質が入っていたり、我々のカラダを守るための、様々な有効成分がたくさん含まれているのです。」(斎藤教授)

乾燥を防ぎ、感染を予防する「粘膜」の潤い成分、粘液は増やせるのでしょうか?
そもそも、粘液はどこから供給されるのでしょうか?


映像提供:アイカム

粘液を分泌するのは、粘液腺というところです。

粘液は、腺細胞と呼ばれる細胞で作り出されています。

腺細胞が、血液を材料に粘液を作っているのです。
つまり、血行を良くすることで、絶え間なく補充され、粘膜の潤いが保たれるのです。

この粘液のなかには、バリア機能を果たしている、重要な物質が含まれています。

その一つが、「ムチン」。

これは、粘液細胞の中のムチンを捉えた貴重な映像です。
この黒い小さな粒のなかに、ムチンが詰まっています。


映像提供:アイカム

長年ムチンの特性を研究する北里大学教授 丑田公規さんです。
ムチンには、バリア機能を強める役割があると言います。

「ムチンというのは、異物をくるんでそれを取り囲んでしまうという性質があります。細菌とかウイルスとかそういったものも、このムチンに包まれると洗い出しやすくなって、流れていきやすくなると言えます。」(丑田教授)

ムチンには、細菌やウイルスが侵入してくると・・・
それをくるんで・・・
カラダの外へと、洗い流すという機能があるのです。

ムチンには、もうつ大事な役割があります。
実は粘液が、粘膜にムラなく広がるのを助けているのです。


映像提供:アイカム

そのムチンの働きを実験で見せてもらいました。
これは、豚の胃液からとったムチンと、それを溶かした溶液です。

このムチンを片方の鏡にかけて、その表面がどうなるかを調べてみます。

ムチンが右側の鏡全体を覆いました。

そして、この両方の鏡に同じように普通の水を霧吹きでかけてみます。

ムチンを塗らなかった方は水滴ができています。

一方、ムチンを塗った方は水滴が見当たりません。
これは、吹きかけた水が、鏡の表面に均等に広がっているためです。

ムチンを塗ってない方についている水滴は、いわば表面のムラです。

「ムチンという分子には、非常に弱いながら界面活性能という性質があります。この界面活性能というのは、粘膜の表面にきれいに粘液を濡れ広がる性質を持っています。」(丑田教授)

先ほどのドライノーズの粘膜でも、粘膜のムラが見えましたよね。
このムラが、いわばムチンなしの左側の水滴と同じ状態。

一方、正常な鼻の粘膜は一様にきれいに見えました。
これが、ムチンの界面活性能で覆われた右側の鏡と同じ状態というわけです。

実は、目の粘膜でも、ムチンは、こんな重要な役割を果たしています。

「涙の層は3層になっていまして、ムチン層という糖タンパク質で目の表面に水をくっつけています。そして水自体の層、そして乾燥しないように油の蓋がされているのです。このムチンという糖タンパク質がないと、水はあるのに、そこにとどまってないから、どんどん落ちていってしまうわけですね。」(坪田教授)

こちらの画像は、目の表面の涙の広がりを調べたもの。
左側、水玉模様に黒くなっているところが、ムチンが足らず潤っていない場所です。
一方の右側の方は、ムチンが十分にあり、目は全体が潤っています。


画像提供:かめざわ眼科

鼻や目だけではありません。
粘膜のバリア機能のために欠かせないのがムチンです。

こちらの映像は、胃の粘膜。
ムチンが入った粘液が粘膜を隙間なく覆っています。


映像提供:アイカム

ムチンが入った粘液で、ムラなくバリア機能を発揮。
この潤いがなくなると、カラダの内側も胃潰瘍などさまざまなトラブルが起こるのです。


映像提供:アイカム

「北里大学の研究で、ムチンが減ってしまったネズミと普通のネズミを比較してみたところ、ムチンが少ないと胃潰瘍になってしまったネズミが3倍も多かったというデータが出ています。」(宇山さん)

この大切なムチン。
どうすれば私たちは増やすことができるんでしょうか?

「ムチンだけを増やすことは多分できないと思います。分泌液を、粘液を、相対的に増やすことになります。そうすると、中にムチンが含まれているわけです。粘液、分泌液を増やすように考えたほうが良いと思います。」(斎藤教授)

ときどきムチンというものは、ヤマイモとかオクラとか ネバネバ食材に多く含まれているという情報を目にします。
そうした食材を多く食べることで、ドライシンドロームを防ぐことはできないのでしょうか?

「ヤマイモとか、オクラとかネバネバしたものにも、ムチンがあるんですけども、我々のカラダの中にあるムチンとは、まったく別のものです。ですから、それを食べても、カラダの中のムチンが増えるわけではありません。」(斎藤教授)

私たちのカラダのなかで、分泌細胞が作り出すムチン。
その成分は、食材に含まれているムチンとは、まったく別の種類だといいます。

では、どうやってムチンや粘液を増やせばいいのか。
いよいよ次は、その対策編です!

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