粘膜が乾く!それはドライシンドローム?

2020年6月11日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

ドライシンドロームを防げ!粘膜美人の秘けつ


粘膜が乾く!それはドライシンドローム?


みなさん、カラダのどこかカサカサしたり、カラカラだったり…
乾燥しているって、感じたことありませんか?

ドライアイや、ドライマウス、ドライノーズ…
体のどこかに乾燥を感じるというあなた。
カラダ全体に異変が起こっているかもしれないのです。

目、口、鼻だけでなく他の部位も乾燥し、 しかも、カラダの内側まで乾いた状態になっている可能性があることがわかってきました。

その結果、問題になるのは、粘膜のバリア機能。
粘膜は、ふだん細菌やウイルスが体内に侵入するのを防いでくれる バリア機能を持っているのですが、 粘膜が乾いてしまうと、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまいます。

口の乾き「ドライマウス」を中心に、ドライシンドロームについて長年研究しているのは 鶴見大学歯学部教授 斎藤一郎さんです。

粘膜にとって一番良くない状態が、乾燥ということでしょうか?

「我々のカラダを守ってくれているところが粘膜ですので、それが乾燥によって機能が失われる。そうすると感染症になりやすいんです。特にいまは、新型コロナウイルス感染が流行していますので、乾いていると粘膜の機能が落ちて、そういうウイルスなどを受け入れやすくなってしまいます。ですから、乾燥というのは大敵だと思います。」(斎藤教授)

ところで、粘膜って、カラダのどの部分にあるものなのでしょうか?

「目、鼻や口のほかに、その先にある食道や胃、腸も全部、粘膜で覆われてるのです。それ以外には、例えば肺です。肺もちゃんと粘膜によって覆われています。生体防御として働いている粘膜が、いろんな感染症を防いでくれているということになります。皮膚についても、口の中や他のところの粘膜と構造は同じです。ただ粘液によって覆われてないというのが(一般的な)粘膜と皮膚との違いだと思います。外界に接しているところはみな粘膜があるわけですけども、粘膜の上には粘液があり、外界からのいろんな刺激を防いでいます。この粘膜を覆っている粘液が枯渇する、なくなることによって乾燥を生むわけです。」(斎藤教授)

斎藤教授のもとで具体的な症例を取材させて頂きました。
今回、斎藤教授を訪ねたのは、渥美舞佑さん。口に時々、乾燥を感じると言います。

「朝起きたときにすごく口が乾いてしまったり、人と話していても口がカラカラして、べたつくというより、くっつくような感じがしてしまうことがあります。」(渥美さん)

まず口の乾きの検査として行うのが、唾液量のチェック。
まず、乾いたガーゼの重さを測ります。

そのガーゼを2分間口に含んで噛んでもらい、唾液を染み込ませます。
取り出したガーゼと乾いたガーゼとの重さの差が、唾液量になります。

普通の人の唾液量は、7gから8gです。
2g以下ならドライマウスの疑いがあり。

渥美さんの唾液量は、2.89gでした。
「ドライマウス予備」と診断されました。

口の中は確かにドライ。では、全身はどうなのでしょうか?

渥美さんは、口以外の乾きについて自覚症状がありませんでしたが、耳鼻科でも調べてもらいました。

順天堂大学客員教授 三輪正人さんは、鼻の乾き「ドライノーズ」を長年研究する耳鼻科医です。

さっそく鼻の中を診てみると、粘膜状態は・・・。

「乾いているかなという感じです、軽い炎症状態になっています。ドライノーズと言ってもいいと思います。」(三輪教授)

鼻の粘膜を見ると、白い筋が走ったり、濡れていないところもあったり、ムラが見えます。
それがやや乾いているというシルシ。

右側の画像は、十分に潤っている粘膜。
一様に潤いが広がり、きれいに見えます。

一方、渥美さんの場合、乾いて赤味を帯びている場所も。炎症を起こしているのです。
診断は「ドライノーズ」。

渥美さんの自覚症状は口だけ。しかし実際には、鼻も乾いていたのです。
最近こうしたケースが増えているといいます。

「ドライマウスでいらっしゃる患者さんのお話を聞くと、口だけではなく、目や鼻、皮膚や他の部位も乾燥している方がいらっしゃる、そういう方が非常に多くなってきました。そういうものを総称して乾燥症候群「ドライシンドローム」と我々は呼んで対応しています。」(斎藤教授)

ドライシンドローム!
みなさんは大丈夫ですか?

果たして自分は、乾いているのか、いないのか。
チェックすることはできるのでしょうか?

慶応義塾大学医学部眼科学教室教授で、目とドライシンドロームの関係を研究する坪田一男さんです。

粘膜が乾いている恐れがあるか、自分で判断するのに坪田教授のおススメは、目のチェック。

「我々、生命は、もともとは水の中で生まれたのです。そこから外へ出てきたときに、目だけは海を持ち込んだと言われています。ですから、涙というのは世界で1番小さな海。この海が枯れてしまうことによって、粘膜が乾いて、さまざまな症状が出るのです。」(坪田教授)

目の粘膜の乾燥を、簡単にチェックする方法を教えてもらいました。

使うのはストップウォッチ。携帯電話についているものでも大丈夫です。

自分でストップウォッチを使うのではなく、 誰かにストップウォッチを操作して自分の様子を観察してもらいましょう。

被験者の方は、まず最初に目をつむります。
そして、被験者の方が目をあけたとき、協力者の方がストップウォッチをスタートさせます。
協力者の方は、被験者の目を観察、次の瞬きまで何秒間あけていられたか、記録します。

目の粘膜が乾いている「ドライアイ」の人は、 10秒ももたずに、瞬きをしてしまうのです。

結果は、2人ともドライアイの疑いあり。

精密な検査は、涙の量を計測して判断します。
標準値の4.5mlと比べてみたところ、2人の結果はやはり「ドライアイ」でした。

さらに2人の口の乾燥状態を知るために、唾液量も検査してみました。

その結果は、左の方は、標準量の7-8gに比べ、やや唾液量少なめと判明。 右の方は、基準となる2gも下回ったため「ドライマウス」という診断でした。

あなたも全身が乾いてしまっていないか、心配になってきませんか?

ところで、日本人でドライシンドロームの人は何人ぐらいいるものなのでしょうか?

「ドライマウスは、人口のおよそ25%というのが一番多い調査結果です。そうすると3千万人ということになります。ドライマウスだけではなくて、他のところも乾いている方というのは、私どもの外来で受診された方の約1割が、難病のシェーグレン症候群という方です。その残り9割の方は、難病のシェーグレン症候群ではないけれども、全身が乾く、いろんなところが乾いてくる症状を持ってらっしゃる方が非常に多いです。」(斎藤教授)

「新潟大学を中心としたネットによる調査結果では、目が乾いている症状がある人の大体84%が、例えば皮膚だったり、鼻だったり、口の中だったりというほかの場所にも、乾燥の違和感を感じているそうです。目の乾燥は、こうしたドライシンドロームの1つの目安、基準になるのではないかと言われています。」(宇山さん)

瞬きチェックのほかにも、ドライシンドロームをチェックする方法はあります。
思い当たるところに、チェック入れてみてください。

□ 目やにが多い。
□ せきが出やすい。
□ 喉がすぐ痛くなる。
□ 口臭が気になる。
□ 滑舌が悪くなる。
□ 鼻が乾く。
□ 肌が乾燥する。
□ 強いストレスがある。

「唾液が減ることで、滑舌が悪くなるとか、ろれつが回らなくなるとか、滑りが悪くなること。これらはドライマウスの可能性があるということです。そうなると、口の中の雑菌を洗い流せなくて、口臭のリスクにもなります。また唾液が減ってくると、喉も乾燥して喉が痛くなると。こうしたところで説明がつくと思います。」(斎藤教授)

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