第7の栄養素で注目 スプラウト!

2020年4月9日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

植物の神秘!スプラウトでアンチエイジング


第7の栄養素で注目 スプラウト!


初耳の人も多いはずの栄養素、「ファイトケミカル」。
最新研究から驚きの美容効果がわかってきました。

スプラウト研究の第一人者で愛知学院大学特任教授の大澤俊彦さんは言います。

「(ファイトケミカルは)美の救世主。老化を防ぐアンチエイジングの救世主といっても言い過ぎではない。」(大澤教授)

このファイトケミカルをたくさん持っているのが「スプラウト」
さまざまな植物の新芽です。

医療や美容を取材するジャーナリストで東京医科歯科大学特任講師 宇山恵子さんは、スプラウトについてこう語ります。

「私の周りでは、『発芽系やってる?』というのが合言葉になっています。低カロリーで、高栄養ということで、ダイエットや美容意識の高い方が、モリモリ食べています。」(宇山さん)

いま人気のさまざまなスプラウト、 たとえばこんなスプラウトご存じですか?

もやし、そしてかいわれ大根も、スプラウトなんだって。

「大きくわけると2種類あります。「もやし」系は、光をあてず暗いままで育て、光なしで育ちます。「かいわれ」系は最後に光をあてるスプラウトです。そもそもスプラウトとは新芽のこと。種から生まれてくる、野菜の子どもです。一番やんちゃ盛り、そういう時期です。そのスプラウトの力をわれわれ人間が借りていることになります。非常にいい食材だと思います。」(大澤教授)

スプラウトについて詳しく知るため、神奈川県小田原市にある生産センターにやってきました。 訪ねたのは、料理研究家の和田明日香さん。

こちらが国内最大規模でスプラウトを販売するメーカーの生産センター。
栽培は、土も使わず水と光で成長させる、シンプルな方法。

白いケースのなかにあったのは、栽培を始めて5日ほどのスプラウトたち。
発芽したら、たった1週間ほどで出荷しちゃうんです。

なぜ大人の野菜になるまで育て上げず、子どもの時期に出荷してしまうでしょうか。

そのわけは、品種によっては大人の野菜より、子どものスプラウトのほうが 栄養をたくさん持っているからなんです。

かいわれ大根(子ども)と大根(大人)のビタミンCを比べると

その差はおよそ4倍。
スプラウトのほうが、かなり豊富です。

かいわれ大根のほか、ブロッコリーやレッドキャベツのスプラウトも見てみましょう。
そのビタミンC量は、あのレモンと、ほぼ同等の量を持っているんです。


出典:日本食品成分表 2018七訂
レッドキャベツスプラウトは村上農園調べ

なぜスプラウトはこれほど多くの栄養を持っているのか?
静岡県立大学食品栄養科学部教授 熊澤茂則さんを訪ねました。

「スプラウトというのは、成長していくためのいろいろな成分などが、ぎゅっと濃縮されているんです。成熟すると植物が大きくなっていって、そこに含まれている成分が植物全体に行きわたって薄まってしまうということです。」(熊澤教授)

栄養がギュッと凝縮しているからこそ、スプラウトは人気が高い。
先ほどの農園のブロッコリースプラウトの出荷量は、およそ20年前と比べなんと7倍以上もアップ。

そしてさまざまな品種も、どんどん開発されています。

こちらはレッドキャベツのスプラウト。

これは、青じそのスプラウト。

これらのスプラウト(子ども)、大人野菜と比べると…
ブロッコリーとレッドキャベツの場合、 カルシウム、ベータカロテンは、スプラウト(子ども)の方に、特に多く含まれています。


出典:日本食品成分表 2018七訂
レッドキャベツスプラウトは村上農園調べ

レッドキャベツに関しては、ビタミンKも多く、子どもの方がおよそ8倍です。

「スプラウト(子ども)と大人の野菜はそれぞれ、多く含まれている成分がだいぶ違います。それを理解して、それぞれの良さをうまくカラダに取りいれるのが大事だと思います。」(大澤教授)

さて、これまで見てきたのは、いわゆるビタミンやミネラルという栄養素。
しかし、スプラウトには、さらにもう一つの、すごい栄養素が詰まっているんです。
それは、第7の栄養素!

第7の栄養素って言われても…
ということで、まずは6大栄養素からおさらいしましょう。
3大栄養素というのは、タンパク質、脂質、炭水化物。お馴染みですね。
これにビタミン、ミネラルが加わったものが5大栄養素。
食物繊維を入れて、6大栄養素と言われることもあります。
では、第7の栄養素って何?

この注目の7つ目の栄養素が、「ファイトケミカル」なんです。

「ファイトケミカルは、本来は“非栄養素”といわれたんですね。栄養素ではないと考えられていたのです。ところが最近いろいろな研究が盛んになって、ファイトケミカルが様々な生活習慣病、そして認知症などの予防に必要であるといわれるようになったんです。」(大澤教授)

ファイトケミカルの「ファイト」は「闘う」ではなく「植物」という意味。
表記はphytoです。そしてケミカルが「化学成分」。
直訳すると「植物が持つ化学成分」のこと。

その成分には、どんな特徴があるのでしょうか?
長崎県立諫早農業高校を訪ねることにしました。

出迎えてくれたのは、バイオ園芸科生物工学部のみなさん。

校舎の中は、まるで研究所!
専門家さながらに作業しているのが現役の高校生です。

生物工学部というクラブ活動のなかで、希少植物などをバイオテクノロジーや植物工場などを用いて増殖する活動を行っているそうなんです。

そんな彼らが今、力を入れているのが、こちらの伝統野菜。
長崎紅大根や雲仙こぶ高菜など、古くから長崎で伝承されてきた野菜たち。

今ではその数は減少して、地元でも食べる機会が減ってしまっている野菜のため 生徒たちが目をつけたのが、スプラウトでした。

「長崎伝統野菜を多くの方に知ってもらおうと、スプラウトという栽培技術で伝統野菜の普及活動を行っていこうと思いました」(吉岡さん)

さあ、こうして作られた伝統野菜のスプラウト、
大人野菜と食べ比べてみると、何が違うのでしょうか。
実はそこに、ファイトケミカルの正体を知るヒントがあります。

和田さんが試食したのは、雲仙こぶ高菜のスプラウトと大人野菜。

そして、長崎紅大根(あかだいこん)の親と子です。

「おいしい」と言って赤大根の親を試食した和田さん。
子どものスプラウトを食べたとき、大きな反応がありました。

その辛味にびっくり。
そう、このスプラウトの辛味こそがファイトケミカルのひとつの特徴なんです。

店で売っているスプラウトでも、この辛味をアピールしているものもあります。

ファイトケミカルの健康成分の正体、愛知学院大学 大澤教授に詳しく教えてもらいました。

「(植物が)次の世代に命をつなぐために持っていたものがファイトケミカルなんだと思います。動物は、敵が来たら自分で逃げることができますが、植物はできません。植物は、そこでじっと耐えしのがなくてはいけない。そのために自分で自分を守る物質が必要になってくるのです。」(大澤教授)

ファイトケミカルとは、自分を食べようとする昆虫などの敵から、食べられないようにするための、防衛物質だったのです。

特に柔らかい新芽の時期は狙われがち。

そんな食べられやすい時期を守るため、新芽のときは辛味成分をたくさん持っているんです。

敵から身を守るための防衛物質ファイトケミカル。
最新研究からとてもありがたい効果を持っていることがわかってきています。

例えば、カイワレ大根に多く含まれている辛味成分は、イソチオシアネートというファイトケミカル。

ガンや動脈硬化予防などの効果がわかってきました。

「ファイトケミカルというのは植物に含まれている化学成分です。例えば、緑茶。これはカテキンというのが入っています。苦味物質ですが、これも動脈硬化を抑えるなど様々な機能が注目されています。大豆のモヤシのなかにある大豆のイソフラボンもファイトケミカルの一種です。これは女性ホルモン活性を持っているため、乳がんや骨粗しょう症などの予防作用があります。ファイトケミカルはいろんな作用を持っていて、いろんなタイプのものを摂取するとたいへん健康にいいことがわかってきました。」(大澤教授)

和田明日香の美と若さの新料理

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