ぬか漬けの乳酸菌はなぜ強い?

2020年2月18日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

乳酸菌が強い!発酵漬物のチカラ


ぬか漬けの乳酸菌はなぜ強い?


今日は、北九州の台所・旦過市場でみつけた 日本が誇る伝統の味のお話から。

この地域の名物は、ぬか漬けです。
江戸時代、小倉城のお殿様がぬか漬けを広めたことから、特産物となったそうです。

野菜だけでなく昆布もぬか漬けにしちゃうんですね。

今回注目するのは、この「ぬか漬け」にたくさん含まれる乳酸菌!

そう、ぬか漬けはヨーグルトやチーズにも勝るとも劣らない乳酸菌の宝庫なんです。

いま若い女性の間でも、ぬか漬け作りがブームになってきました。
あるお店でお手軽にぬか漬けができるキットを売り出したところ、 売り上げが2年間でなんと10倍になったんだとか。

そんなぬか漬けにハマった人たちの姿を求めて 訪れたのは、東京・下北沢。
月に2回ほど行われている親子向けのぬか漬け教室です。

この教室の講師は大湯みほさん、38歳。
8年前から、ぬか漬けの魅力にどっぷり漬かり始めたそう。

毎日、自分でぬか漬けを作っているという、大湯さんのぬか漬けライフを見せて頂きました。

どんな食材でも、ぬか漬けにしてしまう実験室のようなご自宅。
こちらは豆腐のぬか漬け。

こちらは、りんごのぬか漬け。

パイナップルもぬか漬けにしているんだとか!

こうしたぬか漬けライフを続けたところ、大湯さんはカラダにうれしい変化があったそうです。
それは、便秘や肌荒れの悩み。

「(便が)2、3日出ないこととかよくあったんですけど、ぬか漬けを食べる習慣をつけてから便秘で悩むことがなくなりました。(他にも)今までは「お肌荒れているけど大丈夫?」だったんですが、ある日突然、「お肌すごいきれいだね」って褒められる、に変わったんです。」(大湯さん)

こうしたぬか漬けライフのうれしい変化、そのカギは漬物の乳酸菌にあることがわかってきたのです。

その最先端の研究を教えてくれるのは、食品メーカーの研究員 鈴木重德さんです。 鈴木さんは、漬物の乳酸菌が持つある特徴が、便秘や肌荒れの改善につながると言います。

「漬物からとってきた乳酸菌というのは、腸で生きる力が強い傾向があります。強くたくましく生きている乳酸菌であると言えると思います」(鈴木さん)

その漬物の乳酸菌が持つ特徴とは、腸で生きる力です。

それがどれほどのものなのか。
鈴木さんは、漬物からとった乳酸菌と、乳製品からとった乳酸菌で比べてみました。

2つの乳酸菌を、人工的に作った胃液と腸液の入った試験管に加えて、どれほど生き残るか観察しました。

2つの乳酸菌、初めはどちらの姿も、はっきり見えていましたが…

時間が経つにつれて、乳製品のほうが、薄くなって…。
7時間後には、消化液に耐え切れず、死んでしまったのです。

一方、漬物からとった乳酸菌は、7時間経っても変わりません。

生き残った数を比べてみると、漬物からとった乳酸菌のほうが、格段に多かったのです。

生き残った乳酸菌がどれほどすごいのか。
シャーレの真ん中に漬物の乳酸菌、その端にいわゆる悪玉菌を繁殖させると…。

悪玉菌はどんどん広がっていきますが…。
乳酸菌の周辺には侵入することができません。
漬物の乳酸菌が、悪玉菌を寄せつけようとしないのです。

この乳酸菌のチカラが、便秘や肌荒れにも効いていると考えられるのです。
乳製品からとった乳酸菌と、漬物からとった乳酸菌、どれほど違ったのでしょうか。

「これはもう全然違いました。実験に使われたヨーグルトの菌というのは、もともと『生きて腸まで届く』ことがわかっていた菌なんです。その菌と比べても(漬物の乳酸菌が)全然強かったので、どういうことなんだろうと驚きました。自分たちが実験を間違えたのかと思ったぐらいなのですが、何度確認しても変わりませんでした。そこに新しい発見があったということが、我々もビックリしたところです。」(鈴木さん)

具体的にヒトでも便秘や肌荒れ改善の効果は確かめられているのでしょうか?

「我々の研究では、便秘の症状があり、なおかつにきびにも悩まれている女性の方に、漬物由来の乳酸菌を、片方は摂取する、片方は摂取しないと2つのグループに分けて、4週間食べ続けてもらいました。その結果、まず便秘の方が、摂取した人たちというのが、摂取しなかった人たちよりもはるかにお通じの回数が増えました。生きて腸に届くことによって、まず腸を刺激して、中のものを外に出そうとする力とか、あとは腸内菌叢に働きかけて、自分たちではできないような仕事を他の菌にもやってもらって、最終的にはお通じを促すということにつながっているのではないかと考えています。一方、にきびの方の改善率も、乳酸菌を摂取してない人たちに比べて、摂取していた人たちは、はるかに改善しているということがわかりました。」(鈴木さん)

こうした漬物の乳酸菌の強さは、どのように生まれるのか。
実は、ぬか漬けの作り方をみると、そのことがわかります。

北九州市、旦過市場にある老舗漬物店。
自家製のぬか漬けがおいしいと評判の今村ノブ子さんのお店で、作り方をみせてもらいました。

今村さんが使っているのは、昭和35年からお世話をしているという60年もののぬか床。

2週間に一度、ぬか床の減った分だけ、新しいぬかを足しています。

唐辛子も加えますが、この唐辛子はあくまで風味付けです。

さらに加えるのがお塩。これが決め手。
強い乳酸菌を増やすのに一番大事なのは「塩」なのです。

こちらが、強い乳酸菌を育てるために果たしている塩の役割です。

ぬか床のぬかは、最初はほとんど無菌に近い状態。
しかし野菜には乳酸菌と雑菌が付着しています。

ここで働くのが、塩です。
雑菌や一部の乳酸菌など、ほとんどの菌類は塩に弱いため、繁殖できません。

しかし、乳酸菌の中には塩に強いものがいます。

この乳酸菌が過酷な環境を生き抜いた結果、増えることができ、やがてぬか床を占めるようになるのです。

ぬか床で育った強い乳酸菌がいれば、どんなものを漬けてもぬか漬けにすることができます。
おいしいぬか漬けがあると聞いてやってきたのは、福井県美浜町。

ぬか床は海沿いの作業小屋のなかにあります。

ぬか床から出てきたのは、魚!
サバのぬか漬けの「へしこ」です。

「へしこ」は、サバを乳酸菌で発酵させて作る伝統食です。
毎年冬に漬け込み、約1年間かけて作ります。

どうです! 身が見事なあめ色。
熟成して、食べごろになった証です。

濃厚なへしこのうまみは、強い乳酸菌のおかげ。
乳酸菌が魚のタンパク質を分解して、うまみ成分となるアミノ酸をたくさん出してくれるんです。

「タンパク質が分解されて、アミノ酸やペプチドというものができます。カラダの中にとって良い成分です。たとえばですが、中性脂肪とかコレステロールを肝臓にためにくくするとか、排泄を促進させるような効果があります。健康効果も、へしこの中に凝縮されているのだと思います。」(松岡教授)

生で食べる以外にも、軽く火であぶって、お酒のおつまみにするのも定番。

お茶漬けにして食べるのも人気です。
塩に強い乳酸菌が、食材のおいしさを格段にアップしてくれるんですね。

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