貴重映像!ファシアの正体

2019年7月16日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

ファシアで解決!美スタイルへの特急券


貴重映像!ファシアの正体


皆さん、自分のスタイルにどんな悩みがありますか?

年齢とともに出てきたポッコリお腹?ひどい肩こり?

それとも、その両方?

たくさんあっても大丈夫。まとめてファシアが面倒を見てくれます。

ファシアとは、筋肉をとりまく筋膜だけでなく、私たちのカラダの臓器や骨、血管などを包む、膜のこと。

このファシアのケアが、美しいカラダを手に入れるカギとなっているんだそうです。

2人のスペシャリストは、ファシアを次のように説明します。

「筋肉を包んでいる膜が、筋膜というように考えられていることが多いんですけども、筋肉だけでなく、骨や神経、血管、それぞれの臓器と臓器の間に筋膜と同じような組織のものがあり、広く含めてファシアというような言い方をします。今まで関心を集めていなかった組織なのですが、カラダの不調があるとかいったことまで、ファシアが重要な役割をしているのではないかという考えになってきたのです。」(遠藤准教授)

「ファシアの1つの機能として滑走性、『動く』という機能があるんです。滑走性というのは、いわゆる、筋肉がなめらかに動くとか、骨がスムーズに動くとか、そういうことです。滑走性が改善しないと、それは動きづらく、正しい動きにつながらないので、機能美、美しい動きという意味では、美しさに十分関連がある機能だと思います。」(成田教授)

こういう話を聞いてもなかなかピンとこないファシア。

このファシアとは何かを明らかにするため2人の女性に協力して頂きました。

こちらは美しいボディの持ち主、30代のマキさん。

すらりとした全身、引き締まったウエスト。

ヒップラインもたるみなし、見事なラインです。

そしてもう1人。同じ年代のマナミさん。
実はマナミさん、こうした着ぐるみを着て人前でパフォーマンスする仕事をしています。

ときに10キロ近い重さになる着ぐるみを着用するので肩甲骨くらいから上の疲労感はすごいです。

そんなマナミさん、自分のスタイルに悩みがあるそう。

まず、気になっているのは猫背。

そして、ポッコリお腹。

お尻もちょっと下がり気味かなー。

こんな2人のファシアにはどんな違いがあるのか。
探ることにしました。

群馬県前橋市内、クリニック院長の木村裕明さんに協力頂きました。
木村さんは、肩こりや腰痛の原因となっている場所に、生理食塩水を注射して治療するエキスパート。

そのとき、活躍するのが超音波診断装置。
こうして年間延べ1万人の患者の筋肉の動きを見極めてきました。

美しいボディを持つマキさんの肩の筋肉の状態をエコーでみてもらいます。

これがその映像。一番上が皮膚、その下が僧帽(そうぼう)筋、さらにその下が菱形(りょうけい)筋。

そして、そのそれぞれの間にある、青い部分が、ファシアです。

マキさんに肩を上下に動かしてもらいます。

すると皮膚の下の2つの筋肉は、それぞれ別々の動きをしていました。
上の僧帽筋が先に右に動くと、その後、下の菱形筋が右に動き、といった具合です。

「筋肉は、違うところについていますから、動きは当然違うわけです。少なくとも筋肉の動きが良いのがわかります。」(木村院長)

2つの筋肉が違う動きができるのは、その間にあるファシアが癒着してない証拠。
そのおかげで筋肉がスムーズに動いては、元の位置に戻ることができるのです。

今度は猫背のマナミさんです。

上が僧帽筋、下が菱形筋、その間にファシアがあります。

肩を同じように動かしてもらうと2つの筋肉が同じ方向に動きました。

別々の動きをするはずの筋肉が、一緒に動いてしまう。
これが問題なのです。

つまり、マナミさんは2つの筋肉の間のファシアが、癒着しているような状態なのです。

それにはファシアの働きが深く関わっています。

ファシアは筋肉、血管、臓器、骨などを包んでおり、カラダの動きに合わせて3次元的に変化します。

映像提供:フランス サン・マルタン病院
形成外科 ジャンクロード・ガンベルト
DRJ・C GUIMBERTEAU / ENVIVO PRODUCTIONS

この柔軟な動きによってスムーズにカラダが動かせるばかりか、元の正しい位置にカラダのパーツを保ってくれる。

これが美しいスタイルを保つことに関係していると考えられるのです。

そのファシアの驚くべき姿を撮影したのが栃木県立がんセンター泌尿器科の医師、川島清隆さんです。ファシアの可能性に注目しています。

「筋膜というものは臓器や組織を覆っている結合組織の膜ですけれども、ファシアの概念というのは全体的なもので、海外のファシアの研究とともにファシアの構造の全体像がわかると、人体観や解剖観が大きく変わっていく可能性があると思います。」(川島さん)

この映像は、骨盤内にある静脈の表面を覆っていたファシアの部分。

画面上が、直径およそ1.5㎝の静脈。
その下にファシアが広がっています。

ピンセットでつまんで引っ張ると、繊維状の物質がまとわりついているのが見えてきました。
これがファシアの正体です。

縦横無尽に張り巡らされているのは、コラーゲンを多く含む繊維状の物質。
ファシアは、実はただの膜ではなく、こうした立体的な網の目構造をしているのです。

このファシアが体中の臓器、骨、筋肉などを、くまなく覆っているのです。

このファシア、なぜこれまであまり研究がされてこなかったのか聞いてみました。

「これまでは、例えば、手術の際、神経の圧迫を取るなんて手術があるのですが、神経をだすために、かえってファシアを剥がしながら神経をだすというようにしていました。臓器をフリーにしなければいけないので、臓器の手術をするためにファシアを避けて、その臓器にアプローチしなければならないのです。研究対象というよりは、むしろ厄介者として扱われているような部分もありました。」(遠藤准教授)

「ファシアが癒着してしまわずに、ある程度動いていたほうが良いい状態です。肩こりが一例となりますが、ファシアには、受容器も入っているということが、最近の研究でわかってきています。ファシアがどれぐらいテンションがあるかというのを感じていて、実は、肩こりは、ファシアが感じているのかということが最近言われてきています。」(成田教授)

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