食べ方次第でリコピン吸収力UP!

2019年7月9日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

美と若さの宝石箱!トマトの魔法


食べ方次第でリコピン吸収力UP!


みなさん、トマトをちゃんと食べていますか?

日本人が1年に食べる量は、実は、世界平均の半分ほどなんですって。

1日あたりの消費量に換算すると、ミニトマト2個程度しか、日本人はトマトを食べていないそう。

これはもったいない。
なぜならば、トマトには、病気や老化の原因となる活性酸素を消し去るリコピンのほか、肥満防止や血管を若々しく保つ成分など、様々な成分がたくさん含まれているからです。

どうやってたくさんのトマトを世界の人々は食べているのか。

そのヒントを探るため、断トツ1位でトマトを消費している国、トルコをみてみましょう。

トルコ料理は、中国料理、フランス料理と並ぶ、世界三大料理の1つ。

よく見ると、あちこちにトマトを発見。
とにかく、いろんな料理にトマトが入っています。

1年で食べる量は、なんと日本のおよそ10倍。99kgになります。

実は、トマトをただそのまま食べているだけではないんです。
本場の味が楽しめる、都内で人気のトルコ料理店。

オーナーシェフのエリフ・アガフルさんが、そのヒミツを教えてくれました。

そのヒミツが、こちら。
トマトペーストの「サルチャ」。
調味料として、いろんな料理に使っているんです。

「トルコの料理は幅が広いです。いろんな煮込み料理とか、オーブン焼きとか、サルチャがないとトルコ人は、困ると思います。」(エリフ・アガフルさん)

このサルチャの作り方は、まず、生のトマトをつぶすところから始まります。

このペースト状にしたものを数日間、天日干し。

すると発酵し、独特のうま味が出るのです。

これを料理で使う時は、加熱して、ソースにするのが主流。

こちらは、伝統料理イスリム・ケバブ。
肉団子をナスで包み、サルチャたっぷりのトマトソースで煮込んだ逸品です。

トマトをつぶして、熱する。
実はこの作り方に、リコピン吸収アップの鍵があるんです。

その研究を行なっているのが、信州大学特任教授の稲熊隆博さんです。

「リコピンは、細胞の中に存在しますから、とりたかったら細胞を壊さないといけないということです。生で食べるよりも、熱を加えて、砕いて、食べたほうがいいです。」(稲熊教授)

2006年に行われたある実験では、加熱したトマトの加工品は、生に比べ、リコピンの吸収が16倍にも上ることがわかりました。

「Bioaccessibility of Carotenoids and Vitamin E from     
Their Main Dietary Sources」Emmanuelle Reboul et al (2006)

「トマトをそのまま食べても噛む回数が足りないので(通常の食べ方では)細胞は壊れません。だから熱を加えて、軟らかくして、砕いて、(細胞の)中から出してあげるのは非常に良いと思います。(細胞からリコピンを出すためには)10回とか100回じゃなくて、1,000回以上噛まないといけないのです。」(稲熊教授)

そんなリコピンが持つパワーの1つが、美肌効果といわれています。

食品メーカー研究所 研究員の堤彩香さんを訪ねました。

実験は、日焼けを防ぐ効果を調べたものです。
夏の強い日差し。日焼けは、やっぱり気になりますよね。

これは、リコピンをとっていない人の肌に紫外線をあてたケース。
赤くなった場所は、28日後、このように茶色くなっています。

一方、トマトジュースでリコピンを毎日とった人の肌に、同じように紫外線をあてると…。
赤くなった場所は、ほぼ元どおりに回復しています。

比べると、この通り。
なぜ、リコピンが日焼けを防ぐことができるのでしょうか?

「リコピンはとても高い抗酸化作用を持っています。紫外線を浴びた後に生じる活性酸素を消去することでメラニンの生成を抑制したと考えております。」(堤さん)

紫外線を浴びると、肌に老化の原因となる活性酸素が発生します。

その紫外線の侵入を抑えようと出てくるのがメラニン。
それが、日焼けになります。

ところが、あらかじめリコピンがあると、紫外線からできる活性酸素をすぐに消去してくれます。

メラニンを大量に作る必要がなく、日焼けを抑えられるわけです。

リコピンには、日焼けばかりか、活性酸素による老化を防ぐ力もあります。
その抗酸化パワーは、同じく抗酸化作用がある栄養素、ビタミンEの100倍以上といわれています。

信州大学の稲熊教授に、その他のリコピンの健康効果について解説してもらいました。

抗酸化力、日焼け防止・ターンオーバー促進。

善玉コレステロールを増やす。
骨粗しょう症の予防。
肺気腫の予防。
男性の不妊対策。

いろいろあるそうです。

「女性にとっては、お肌にいいこともありますが、閉経後、骨粗しょう症の予防につながることがあります。またリコピンは体内ではお肌に蓄積されるのですが、意外な場所にたまることがわかっています。男性の精巣もその1つです。男性不妊の方を調べるとリコピンが少ない。トマトをとることでリコピンを増やし、精子の運動量が改善されるということも見えてきています。」(稲熊教授)

では毎日、どれぐらいの量のトマトをとるのがいいのでしょうか。
リコピン研究からみた稲熊教授のオススメは?

「片手に1つ、片手に1つ、(大玉なら)2個だと思います。活性酸素を抑えるためにリコピンは毎日消費されるので、毎日食べ続けることが重要だと思います。」(稲熊教授)

美と若さにいいトマトの成分。
日本一のトマトの産地では、どういうとり方の工夫をしているのか。

トマトの生産量日本一の熊本を訪れました。

料理研究家、和田明日香さんとともに熊本県八代市のトマト農家で地元ならではのトマト料理を探ることにしました。

トマトを栽培して50年の鶴山悦子さん。

毎日、農作業をしているのに、お肌を見ると、日焼けやシミは、あまり目立ちません。

さらに、ご近所の奥様たちのお肌を拝見すると、シミもない、白い肌。
とても68歳とは思えません。

この地域の土は塩分の濃度が高いため、リコピンなどの栄養成分が豊富なトマトができるんだとか。

そんなトマト農家で教わったのがこちら、美と若さのトマト料理。
リコピン吸収アップの技が隠されています。

1品目は郷土料理、「トマトのダゴ汁」

主役は、トマトのうま味がつまった「ダゴ」、つまり団子です。

通常は小麦粉と水をまぜて、団子を作りますが、これらの団子のつなぎに使うのは、すりおろしたトマト。

これなら細胞がちゃんと壊れ、リコピンが外に出ます。

次は、加熱。トマトの団子をゆでると、その色は、ピンクからオレンジに。
これが、リコピン吸収アップのサイン。
オレンジ色に変わると、リコピンが吸収されやすい形になった証しです。

ゆで上がったら、団子を肉や野菜がたっぷり入ったおだしの中に入れます。
いりこだしがトマトのうま味成分、グルタミン酸と合わさって、より深い味わいに。

さらに…

追いガツオならぬ、追いトマト。
リコピンは熱に強いのでじっくり煮込んでも大丈夫です。

さらにもう一品はこちら。
「トマトの炊き込みごはん」

作り方は、お米を炊く前に、炊飯器に炒めたトマトを入れます。

さらに水で戻した干しエビと、調味料に昆布茶を加えます。

そして、最後にあるものを加えました。
実はこれが、リコピン吸収アップの技なんです。

それは、オリーブオイル。

なぜオリーブオイルがいいのか、教えてくれるのは、食品メーカーの研究員、大亀友華さんです。

「そもそも、リコピンは油と仲のいい性質を持っています。油に溶けやすいとわかっていまして、吸収されるのではないかといわれています。」(大亀さん)

オリーブオイルを加えると、リコピンの吸収は最大4倍に上昇する ことがわかったのです。

「最近の研究では、油に加えて玉ねぎやにんにくを一緒に加熱調理することで、トマトの中に含まれているリコピンが、吸収されやすい形に変わるという結果もあります。トマトソースのパスタにはにんにくも玉ねぎも入っていて、摂取できるという結果が出てきて、私たちも驚いています。」(大亀さん)

様々な知恵のつまったトマト料理。
そのお味も格別です。

リコピンたっぷりの「だご汁」。
粉とトマトだけなのにうま味がすごい!

「炊き込みごはん」は、いい香り。味がまとまっていて、全然飽きない!

和風の味で、お肉と一緒に合わせても、美味しく頂けます。

食卓には、おかずはもちろん、デザートにもトマトがふんだんに使われていました。

おいしく食べて若々しい肌に。

この作り方は、今日から役立つ生活術で紹介します

NHKオンデマンド

Page Top