手が水にぬれると乾燥するナゾ
手が水にぬれると乾燥するナゾ
女性に多い、手荒れ。
みなさんも、指の付け根が乾燥して白くなってしまったり。
指先が割れてしまったり、あがぎれになったり。
指の間、水かきもこんなになったり。
この季節、手荒れには本当に悩まされますよね。
家事といえば、水仕事が欠かせません。
炊事に洗濯、トイレやお風呂のお掃除。水に触れる場面は数知れず。
当然、手荒れが起きています。
ということで、今日のテーマは「ハンドケア」です!
手荒れに悩む女性たちがいると聞いて、訪ねたのは、こちらの写真スタジオ。
スタッフは全員女性です。
なぜ彼女たちの手が荒れているかというと、お客さんが帰ったあと、すぐ向かったのは、洗面所。
インフルエンザも流行する季節。
お客さんにうつさないためにも、こまめな手洗いを心がけています。
それだけではありません。
子どもが遊んだおもちゃ。
次の子どものために一つ一つ丁寧に洗います。
撮影に使った子どもの衣装も、その日のうちに洗います。
この水仕事が手荒れの原因になります。
でもなぜ水仕事が良くないのか、知っていますか?
それは、肌の水分量に理由があります。
そこで、みなさんの水分量を測らせてもらいました。
まず最初に、水を使う前。
そして、水仕事のすぐ後に、2度目の測定。
さらに30分経った時に3度目の測定をします。
この人の肌の水分量は?
最初は、およそ40%。
それが水を使った直後、41.2%に上昇、水分量は上がりました。
でも30分後には39.5%。
あれ!肌の水分量は水を使う前より減ってしまいました。
次の人も同じ。
肌の水分量は、いったん増えましたが、その後大きく減ってしまいました。
この水分量の低下が手荒れにつながっています。
いったいなぜ肌の水分量がもともとの数値より減ってしまうのか?
長年、肌荒れと水の研究を続けてきたのが、化粧品製造会社 研究部長 岩井一郎さん。
岩井さんは、肌が水にぬれることは
肌のバリア機能にとって大きなマイナスになる可能性が高くなるといいます。
「水は潤いの大敵になりえます。なぜかというと、角層が水でふやけてしまったとき、肌の潤いをキープする大切な役割を果たすバリア機能が低下してしまうことがわかっているからです。」(岩井さん)
これは皮膚の断面を表した模式図です。
一番表面にあるのが角層。
たった0.02ミリの薄さのこの角層が肌荒れを防ぐバリア機能を担っています。
その角層の中を撮影した電子顕微鏡写真。
分かりやすく着色してみると・・・黒く見えるのはタンパク質。
水色は、水分と、その水をためている保湿成分です。
その手が水にぬれるとどんな変化が起きるのか?
右側は、角層が水に長く触れた後です。
水が角層内部にまで浸入し、いわば洪水状態になっています。
問題は、このあと。
水に長く浸かって洪水状態になった角層。
その水が蒸発していきます。
その時、角層内部にあった水分や保湿成分も奪われていきます。
この乾燥が肌のバリア機能を損ない、手荒れを招いてしまうのです。
つまり手荒れが進行していくのは、水に触れている時ではなく、
その後、ぬれた手が乾燥していく時なのです。
こちらにまとめたのが、水による手荒れの主な原因です。
まず、水を使う時間が長い。
そして、せっけん・洗剤の使い過ぎ。
これはなんとなくわかりますよね。
意外なのが3つ目。
「きちんと拭けていない」ことなんです。