FILE099:「未知なるカタチとの遭遇」
2010年1月26日放送
三浦公亮(宇宙構造工学)
宇宙ステーションなど無重力の宇宙に造る建造物には、地上の常識が一切通用しない。建材を運ぶロケットの直径は10メートル以下。大きさや重さが極端に制限されるうえ、展開や構築が容易でなくてはならない。その難題に突破口をもたらしたのが、三浦公亮東大名誉教授が考案した「ミウラ折り」と呼ばれる折り紙だ。コンパクトにたため、紙の一端を引っ張れば一気に全体を開くことができ、力をかけずに自然と元に戻せる。宇宙実験で太陽電池パネルなどに活用できることが明らかになったほか、ガイドマップなどの身近なところでも活用されている。その発想のもとになったのは、なんと壊れたロケットだった。
三浦はNASAにいた1960年代、ロケットのような薄い円筒が潰れると綺麗な菱形模様ができることを知る。「美しいからには何かある」と考えた三浦が調べると、潰れる前より後のほうが強度が増すことが判明した。これをヒントに幾何学的に編み出した「ミウラ折り」は、実は甲虫の羽や植物の葉など自然界にも存在していた。宇宙に通じるだけでなく、毛織物やモナリザの絵のなかにまで見いだされるというその神秘の形に、爆笑問題が迫る。
三浦公亮(みうらこうりょう)
1930年生まれ。東京大学工学部、コロンビア大学、NASAを経て、現JAXAにて宇宙構造工学を研究。宇宙構造物の設計家として、宇宙実験衛星の二次元展開アレイなどの発明・開発や、電波天文衛星「はるか」の大型アンテナなどの設計に携わる。
今回の対戦内容
三浦公亮(みうらこうりょう)/爆笑問題
三浦:ミウラ折り。
太田:これを何?宇宙に運ぶための大きな建造物を、こういうふうに折り畳むわけですか。
田中:先生、これどうやって思い付いたの?
三浦:NASAでロケットの破壊を研究していたわけ。
太田:破壊?
三浦:ロケットを破壊する。ロケットって結構、ごついようなイメージあるけど、相対的には薄いんですよ。それが壊れるとどうなるかって。こう変なね、パターンができる。
太田:わ。すごい!絶対にこういうひし形になるんですか?
三浦:そうそうそう。みんな菱形。それで何十年もたってから、この形は、自然界にもあったと・・・。
太田:何があった?
三浦:例えば葉っぱが開く時に、メカニズムが。それから昆虫の羽根とか。
太田:これと似ているんですか。
三浦:やっぱりこういうメカニズムを使っているという。
太田:すごい!
田中:逆に後で分かったんですね。
三浦:やっぱり自分としては、幾何学の非常に小さな分野ですけど、新しいパターンを作ったかなと。
宇宙でも使えるし、自然界でも、「あっ俺のパテント(特許)使ってんじゃないか」と(笑)
先生の対戦感想
三浦公亮(みうらこうりょう)
形とか、算数とか、折り紙とかについて、ジェネラルにこれだけ深く説明するっていうのは初めてでしたね。それはいい経験でしたね。
我々は「円筒と紙は同じ仲間だ」っていうことは当たり前だと思っているけど、太田さんが「分からん」って・・・。「円筒は3次元で、紙は平面じゃないか」と。
そういうところはちょっとやっぱり自分でも説明が抜けていたなと思いましたね。
それを指摘されて、かえって、勉強になりましたね。
人に説明する、やっぱり方法がありますよね。どうやって人に説明するかっていうことについて、それはすごく勉強になりました。
爆笑問題の対戦感想
田中:構造工学の専門の人のようなあまり気がしなかったんですね、印象としてね。例えば発見とかも、勘みたいなのがまあそれが数学だって先生はおっしゃっていたんですけど、もともと理論があってそれを積み重ねていって答えを出すようなイメージじゃなくて、先に解があってっていう。荒っぽいというか、それがすごい意外で面白かったです。
太田:(2次元と3次元の中間をつなぎ合わせて作られたミウラ折りについて)
やっぱりおれはどうもこだわりたくなるのは、次元の変わり目っていうのがそこにあるとすれば、それは原理的なすごい発見だと思うんだけど、今のところそれの応用として、例えば強度があがるとか、宇宙に運ぶためにコンパクトにすることが出来るようになりましたっていう、その程度のことにしかまだあの原理がね、応用されていないとすると、そんなことではないだろうと。それはもちろん、派生して出てくる部分であって、もっと何かあの原理を使って、解明されたり、あるいは何か答えが導かれることがもっといっぱいあるはずのような気がしてならない。
ディレクター観戦後記
「おっとりとした口調とは裏腹に、平然とかっ飛んだ事を成し遂げる人」というのが、三浦先生に対する印象です。
NASAの研究員になったのも、アポなしで直談判しに行ったのがキッカケだっだとか・・・。
そんな先生の健康法は、朝テニス。撮影では、30分ほどテニスの腕前を披露して頂いたのですが、途中で息切れする相手役の私を尻目に、先生はピンピンしていました。
恐るべし79歳・・・。
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