FILE012:「万物は渋滞する」
2007年10月9日放送
西成活裕(渋滞学)
現代は、何をするにもスピードが求められる時代だ。そこで非常に厄介なのが「渋滞」。そしてこの渋滞が引き起こす日本の経済損失は、年間14兆円にのぼるという。この渋滞を解消しようと立ち上がった男、それが東京大学准教授の西成活裕だ。
西成は、巨大なナゾに、数学という観点から挑んでいる。心の動きすら数値化し、渋滞という現象を数式化しようというのだ。
西成の試みは、車の渋滞にとどまらない。人間、インターネット、不良在庫・・・西成にかかると、世の中が「渋滞」というキーワードでくくられてゆく。 果たして西成の挑戦は、爆笑問題の目にはどう映るのか?新しい学問領域「渋滞学」の全貌に迫る。
西成活裕(にしなりかつひろ)
西成活裕のホームページ「西成総研」はこちら。
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tknishi/ (NHKサイトを離れます)
爆笑問題の対戦感想
田中:今日は珍しく話の内容がほぼ大体分かりました。渋滞の話も面白かったですし、並ぶ時の計算式とか、その他のいろいろなものね。渋滞理論みたいなものっていうのは、「へえ」と思うものがたくさんありましたね。面白かったですね。
特に行列の計算式。今度ちょっと試してみようかなと思うんですけど、行列に並ぶっていうことが実はあまりないじゃないですか。行列に並んでまで食べるとかって、あまり最近していないので、ちょっと確かめるのは難しいですかね。
太田:数学というのは、全部式にして、理論化するというか・・・。理論化っていうのは、普遍的なものにするためにやるわけだけど、西成先生の場合は、それを常に変化することを念頭に置いてやっているところが面白かったですね。要するに、数学っていうのは答えがあるものなんだろうけど、そうじゃないものを相手にしている。それをちゃんと分かっているっていうか、すぐこれは違うものに取って代わるっていうね。そういうことはすごく面白いなって思った。
人間っていうのはもともと文系だと思うんです、常に。人間は数字ではない、個人は。とにかく文学的な、そういう人格というものがあって・・・。やっぱりこう、一つこうじゃないかって目安を置くんだけど、すぐそれが崩れ、またそうやってっていう繰り返しなんだなっていう、先生の研究っていうのは多分そういうので、いろいろな人と会っているって言っていたじゃないですか。だから、もちろん流れを研究しているんだから、変化は一番意識している人なんだろうし。変化っていうのはやっぱり面白いなと思うのね。
ディレクター観戦後記
数学ってやっぱり面白い。これが初めて西成先生とお会いした後に感じたことです。ですので私は、「数学の力」をテーマにしようと考えておりました。
ところが爆笑問題さんの興味は、「数学の力」ではなくて、「数学で不確定なものを扱っているのって面白い」という方向に向きました。ドライバーの心理や行動は、あまりに読めないものです。それを数学で扱うということが、これまでの「数学像」を超えて面白かったのだと思います。
収録の間は、もっともっと数学そのものの話が出てきた方がいいのに、と思い続けていました。先生との打ち合わせ通りにしたいということでは決してないのですが・・・
これは多分に個人的な趣味が入っているかもしれません。
結果としてはどちらが良かったのか・・・?爆笑問題さんの興味が今回の方向に向いたからこそ、『流れというものから見ると、世の中が違って見える』という議論になっていきました。これは非常に刺激的でした。
この番組は、「予定」はありません。それゆえ「その時、その場でしか起こらないこと」が起こります。それが番組の特徴ともいえます。
んー、でも、西成先生と爆笑問題さんとの「数学」をめぐる対論も聞きたかった・・・いまだにウジウジ思っていたりします。
プロデューサーの編集後記
全ては「流れ」の中にある・・・。先週の福岡先生の回と同じく、また「流れ」がキーワードになりましたね。もちろん、、全く異なる文脈ではありますが。
「空気を読むな、流れを読め。」
最近の“KY”現象に少々怖いものを感じていました私としては、今回のクロストークのひとまずの結論?に大いに賛同致します。「空気を読む」ということが、その場の状況を感じ取り他者を気遣うセンスを指して用いられるならばよいのですが、逆に、単に場を制圧する多数派と共に動け、という意味合いで用いられてしまうとしたら・・・。まあ、どうしても後者の意味合いが強くなりがちな日本社会、少々恐ろしいですからね。「長いものには巻かれない」KY男、KY女が時代を変える、ブレークスルーにも期待したくなります。
その意味で言えば、「ウジウジする前に、流れを読め!」と言いたくなる担当のKディレクターのKYぶりにも期待します、か・・・。
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