過去放送記録

FILE009:「ロボットに人間を感じる時・・・」

2007年8月31日放送

 

石黒浩(知能ロボット学)

ロボットは人にどこまで近づけるか?ロボットに心はあるのか?マンガやSF映画などでよく見られるこの空想の世界を、研究しているのが、大阪大学教授の石黒浩だ。触覚、視覚、聴覚、などの人の感覚をアンドロイドに再現する技術で世界に名を知られている。これまでに、自分の娘のロボット、自分そっくりのコピーロボットを作成。さらに今年6月には、世界一複雑な動きをするという赤ちゃんロボットを開発。皮膚もやわらかく、音や動きにも反応。また、人間の微妙なゆれなどを忠実に再現している。まるでロボットに意志があると錯覚するほどの出来栄えだ。

「 ロボットはヒトを映す鏡である」という信念を持つ石黒は、ロボットを作ることで「人間とは何か?」という大きなテーマを追い続けている。最新のロボットと触れ合った爆笑問題はどう反応するのか?工学から見た人間の本質に迫る。

石黒浩(いしぐろひろし)
1963年生。大阪大学教授。人間型のロボット、アンドロイドの開発では世界トップレベル。その研究は、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界中のメディアにも取り上げられ、注目を集めている。

爆笑問題の対戦感想

田中:驚きましたね。あの赤ん坊みたいなのは、何とかスクウェアだっけ…?あれ?忘れちゃった。何となくテレビで見たことはあるけど、実際に目の前で見ると本当に不気味なぐらいですね。
太田:俺が面白いと思ったのは、今まではロボットっていうとSF小説なんかでも、大抵は家のことをするとか、兵器や、工場用とか、人間のために物理的に仕事をするロボットが出てきたと思うんですよ。でも、今日見たロボットは、別に何の意味も持たないというところが新鮮でした。何かの役割を持たせるのではなくて、思想の道具としてああいうものを作ってみるっていうのは、新しいロボットのあり方なのかな…。
田中:実際にロボットと付き合う時代が来るかもしれないね。
太田:出来そうですね。まあ、その世界に入っちゃえば対応出来ちゃうのは人間の方なんだよね、ロボットじゃなくて。やっぱり人間の方がすごいから。
田中:今日は、ちょっと未来を見たような感じがしたね。

ディレクター観戦後記

ロボットと人間を分かつもの・・・それは心、なんて簡単な答では許されない時代が来ていることはうすうす感じてはいましたが、今回はあらためて考えさせられました。近年のハリウッド大作では軒並み、こうしたテーマがエンターテイメントの中に散りばめられていますが、映画の中ではなく、やはり現実に目の当たりにすると…、正直、複雑な気持ちです。
太田さんのデカルトかニーチェか、ではないですが、「主体」か「構造」か…? 今後出てくるテーマですが、「量子論の時代」の人間論というものが、イメージだけでなくリアルに迫ってきます。
今回担当したのは、いみじくも、第7回「哲学ということ」で野矢先生を取材、「心って何?」というテーマ設定を考えたKディレクターでしたが、野矢さんはこの事態をなんと哲学することかと、ぼんやり夢想しました。我々が、キャラクターを愛するのも、そこに勝手に「心もどき」を読み取っているから…?「爆問学問」のキャラクター、“問ちゃん”は今日も「微笑んで」います、少なくとも私には。
結局の人間の心の真実は、勝手な妄想の中に宿るものでしかないのか、人間の主体性とは…? と、Kディレクターが、キーを叩く私のパソコン画面を覗き込みます、また例によってニヤニヤと笑みを浮かべて。そんな高尚なことを考える前に、部下の心を読めと言いたげに…。

プロデューサーの編集後記

4月、番組に出演してもらう先生をネットで調べている時、衝撃の写真が目に入ってきました。
鋭い眼光を放つ石黒先生とそのコピーロボット。この異様な2ショットに惹かれ、すぐにこの先生に取材を申し込むと、なんと7月末までスケジュールは埋まっているとのこと。アンドロイド造りでは世界でトップレベルの先生は月の半分くらい海外で講演、研究会に出席しているそう。3ヶ月待って、いよいよ取材の日。マッドサイエンティストだったらどうしようと思いながら先生の研究室に入っていくと、そこには期待通りというか、写真よりも鋭い眼光で私を見つめている先生が。怖い・・・。しかし、話をしてみると非常にユーモアにあふれた関西弁の優しい先生の姿に変わっていました。人は見かけで判断してはいけないなとしばし反省。しかも、取材後、先生の車で近くの駅まで送ってくださるという。先生が愛する黒いスポーツカーに乗り込むと、車内はハードロックが大音量で鳴り響いている。そして先生は一言「僕の運転で酔わなかった人はいないからね。学生はみんな吐いたから。覚悟してね。」
…やっぱり第一印象は大切にしようと心に誓った取材でした。

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人間

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