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放送済みの作品(2010年)

第25回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集佳作

『葡萄の秘密』

(名古屋局制作)

【放送日】
2010年12月18日(土曜日)22:00-22:50

作:田中摂
音楽:BANANA
演出:東山充裕
技術:坂野伊和男
音響効果:菅野秀典


出演:中嶋朋子 前田亜季 小島藤子 田中靖浩 
小島範子 柳川花帆 ほか

あらすじ:昭和15年、華美な髪型、パーマネント自粛の情勢下。とある港町に住む黒田響子(15)は、母の千鶴子(39)と亡くなった父が開いた美容室で、美容師になる夢を持って母の仕事を手伝っていた。そんなある日、謎の女・ミチル(22)がやってくる…。「贅沢は敵だ」と言われた時代、天才的な女性美容師と、美しくありたいと願うひとりの女性が出会ったときに、奇跡のような"美"が生まれる。しかし、それは悲劇の始まりでもあった。いつの時代でも、美しくありたいと願う女性の気持ちに変わりはない。戦時下でも美を求め、自らの生き方を貫こうとした女性たちの姿を描く。
 

『命の洗濯』

(新潟局制作)

【放送日】
2010年12月11日(土曜日)22:00-22:50

作:富永智紀
選曲:黒田賢一

演出:安田哲郎
技術:糸林薫
音響効果:三谷直樹



出演:浅利陽介 宝田明 二宮弘子 西村学
中村章吾 吉田小南美 外谷勝由 海本きくえ

あらすじ:新潟と長野の県境に位置する秘境 秋山郷=B人里離れた山奥に12の集落がある。今からおよそ180年前、一人の男が命がけで秋山郷を旅し、一冊の本を遺した。本の名は『秋山記行』。江戸時代の山村の暮らしが克明に記録され、「日本最古のフィールドワークの書」とも言われている。大学生の竹本卓志(23)は、本の最後に記された「命の洗濯」という言葉に興味を抱き、カメラ片手にその足跡を辿る旅に出る。そこで卓志は、これまでに抱いてきた山村のイメージを大きく変える出会いを果たす。山で豊かに暮らす人々との出会いを通して成長する若者の姿を描く物語。
 

『祖国を想う 沖縄を想う
〜ドラマ照屋敏子伝〜』(再)

(前編・後編)

【放送日】
2010年11月27日・12月4日(土曜日)22:00-22:50

原作:高木凛
「沖縄独立を夢見た伝説の女傑照屋敏子」
脚色:小松與志子
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:米本満 三谷直樹


出演:若村麻由美 山崎銀之丞 小竹伊津子 前原弘道 
柳川慶子 神保共子 新納敏正 小磯勝弥
長浜之人 前原エリ 茶花健太 柄本明 ほか

あらすじ:大正から昭和の終わりまで波瀾に満ちた生涯を送った照屋敏子(1915〜84)の半生をドラマ化。2歳にして両親と生き別れ、9歳から故郷糸満で魚の行商を始める。その類い稀な商才と強引なまでの精神力から、戦前、戦中から戦後までを数々の事業をおこし、成功と失敗を繰り返しながら、いつも郷土沖縄への熱い思いに突き動かされていた。家屋敷を焼き出された戦争体験から米軍統治下の沖縄での必死の商売という、激動の時代を駆け抜けた一人の女の生涯を通し、行き詰まっている今の日本に、生きそして愛する激しさを劇的に伝える。第14回小学館ノンフィクション大賞受賞作のオーディオドラマ化。
 

『ひとつきの楽園』

(松山局制作)

【放送日】
2010年11月20日(土曜日)22:00-22:50

作:永田優子
演出:葛西勇也
技術:満尾智子
音響効果:水谷明男



出演:田中圭 渡辺哲 木南晴夏 水橋研二
大和田健介 桜木健一 戸村美智子 神崎智孝
茂木和範 薬師寺順 合田絢子 太田美来瑠
小田恵大

あらすじ:柑橘栽培が盛んな愛媛県八幡浜市の真穴地区では、毎年11月に温州ミカンの収穫を手伝う「ミカンアルバイター」を募集する。そうして全国から集まるミカンアルバイターたちの目的は単なる出稼ぎではなく、将来が見えない若者の自分探し、定住しない流浪の旅の途中、都会のけん騒から離れた田舎暮らしを楽しむためなど、十人十色だ。今回は、就職先が見つからないまま大学を卒業した主人公・町田ハル(22)が、ミカンアルバイターとして働きながら、個性的な仲間たちとの交流や地元の人々との触れあいの中で、自らの足下を見つめ直し、新たな一歩を踏み出そうとする姿を描く。

 

文化庁芸術祭参加作品

『ぐじの小骨』

(大阪局制作)

【放送日】
2010年11月13日(土曜日)22:00-22:50

作:森脇京子
音楽:野田雅巳
演出:大久保篤
技術:深田次郎
音響効果:水谷明男



出演:藤村志保 近藤正臣 三倉茉奈 佐川満男
芝本正 小松健悦 今村雄一 榎園実穂
後藤基治 田村ツトム 立川貴博

あらすじ:東京で幸福な結婚生活を過ごし、いま京都で平穏な老後を迎えつつある幸恵(68)は、強姦致傷事件の裁判員に選ばれたことをきっかけに、心の中に封印してきた過去の記憶を呼び覚まされる。その忌まわしい記憶に立ち向かい、理不尽な暴力によって奪い去られた初恋を取り戻そうとする。自分の人生の意味と幸福のあり方を問い直す一人の女性の姿を通じて、人生の苦悩と解放を描くヒューマンストーリー。

 

『12歳の成人式』

(富山局制作)

【放送日】
2010年11月6日(土曜日)22:00-22:50

作:福田卓郎
演出:平井雅仁
技術:斉藤隆
音響効果:菅野秀典



出演:加藤千尋 森田芳土 中村圭太 折谷佳城
寺林侑莉 川原みなみ 片山景介 大黒幸雄 ほか

あらすじ:富山で明治時代から続く伝統、小学6年生の「立山登山」。富山を囲む北アルプス立山連峰、その主峰である雄山(おやま)3003メートルの頂に、自らの力で立つのだ。「雄山を登って初めて一人前」、いわば"成人式"のようなものとして考えられてきた。藤田彩奈(12)は、荒俣広太、清水勇気と同じグループのリーダーを務める。山頂を目指して歩く3日間、励まし合い、時にぶつかりながら、仲間の、そして自分自身の知らなかった一面に気付いていく。大人になるための道を一歩一歩登っていく12歳の子供たちの姿を描く。

 

NHK銀の雫文芸賞2010 最優秀作

『花の独身』

【放送日】
2010年10月30日(土曜日)22:00-22:50

原作:伊藤幸子
脚色:東多江子
演出:木村明広
技術:浜中邦基
音響効果:石川恭男



出演:岩本多代 山本圭 清水コウ治 矢代朝子
佐藤誓 若林哲行 小林由利 関えつ子
山ア千惠子 常石梨乃

あらすじ:独り暮らしの三谷有子(75)は、歯科医の坂東(73)に誘われ、中高年のカメラクラブに入会。紅葉撮影会で奈良の正歴寺を訪れた有子は、杉本由紀雄(73)と親しくなる。いつもは会が終わればさっさと帰途につく有子だが、撮影中に滑って足を痛めた杉本を気遣い、家が近所の彼女が一緒に帰ることになった。この日から、どちらからともなく二人は、クラブの勉強会後一緒に帰るようになる。子を育て上げ、連れ合いの死を乗り越えた二人は、お互いの"伴走者"となり人生の第4コーナーをまわろうと、"同棲"生活を始める…。「超高齢社会・日本」の、これからの"老い心地"良いラストスパートの駆け抜け方を描く。

 

文化庁芸術祭参加作品

『薔薇のある家』(再)

【放送日】
2010年10月23日(土曜日)22:00-22:50

作:オカモト國ヒコ
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:米本満


出演:大竹しのぶ 奈良岡朋子

あらすじ:舞台や映画への出演はおろか、足の怪我の後遺症で家から外出すらできなくなった往年の大女優。そして、彼女と同居している献身的な付き人の中年女性。この二人が、ある夏の日の一夜に繰り広げる、残酷だがハートウォーミングな葛藤のドラマ。

 

文化庁芸術祭参加作品

『リバイバル』(再)

【放送日】
2010年10月16日(土曜日)22:00-22:50

作:青木豪
音楽:菅谷昌弘
演出:佐々木正之
技術:糸林薫
音響効果:岩崎進


出演:田口トモロヲ 草村礼子 利重剛 中野英樹
高橋理恵子 山口美也子 江上晶真 山岸快
田中智也 山崎海童 峯村淳二 猪又武春
関塚まいこ 石井英明 橘敏輝 皆川勇仁

あらすじ:CMの作曲を仕事にしている虻谷健介(48)は、新しい音楽に行き詰っていた。音楽を始めたのも、母・洋子の影響だったし、仕事にしたのも、学生時代の親友・上川に誘われたバンド活動がキッカケだった。元々「音楽がすべてという人間ではない」と思っていた。音楽や音に囲まれた世界にも疲れていたのだ。最近は、母のアルツハイマーも進行し、明日という時間に希望も感じられず、半年前に鉄道自殺で亡くなった上川のことを考え、自殺の誘惑にかられていた。しかし、今を忘れ、過去の世界に戻ってしまった母と暮らすうちに、不思議に虻谷本人が忘れていた子供の頃の記憶に出会い、自分自身の「原点の音・音楽体験」を再発見(リバイバル)し、やがて生きる希望を取り戻す姿を、人と音の関わりを中心に描いていく。

 

『鳥を放つ日』

【放送日】
2010年10月9日(土曜日)22:00-22:50

作:大河内聡
音楽:横山克
演出:江澤俊彦
技術:浜中邦基
音響効果:岩崎進



出演:上村祐翔 板垣桃子 升毅 亀井有馬
セーラ 原口健太郎 稲葉能敬 鵜澤正太郎
石坂志輝 冨澤風斗 藤原薫 モモタロウ
早川恭崇 長谷川大陸 長瀬眞承

あらすじ:寺橋イサム(15)は中学3年生。父は日本人、母がカンボジア人。母・チャンタ(36)は、カンボジアで誠治(42) と出会い、20歳の時に結婚、来日。お弁当工場でパートをして7年になる。育児とパートで忙しく日本語を勉強する機会がなかった。イサムとのコミュニケーションに不自由を感じ始め、夜間中学に通おう、と決意する。少年の目からみた両親の国際結婚と、自分自身の"祖国とは何か?"への問いかけを、無理解な差別も含め、厳しく残酷な現実を踏まえながらも温かく描いていく。

 

文化庁芸術祭参加作品

『心にナイフをしのばせて』(再)

【放送日】
2010年10月2日(土曜日)22:00-22:50

原作:奥野修司
脚色:原田裕文
音楽:渡辺博也
演出:望月良雄
技術:糸林薫
音響効果:石川恭男


出演:矢崎滋 三田和代 麻生祐未 河西健司 
大橋吾郎 阪田マサノブ 坂上忍 ほか

あらすじ:いわれなき凶悪犯罪に巻き込まれた被害者の遺族は、心の中に深い傷跡を残している。40年前に実際に起きた、高校生の少年による同級生の殺人事件。長年にわたってこの事件を取材してきたノンフィクション作家の奥野修司氏は、ルポの最後、遂にに事件の遺族の心の真実に到着した……。奥野氏のルポルタージュを原作にドキュメンタリータッチのドラマとして描く。

 

『殺人者たちの午後〜記憶の闇』

【放送日】
2010年9月25日(土曜日)22:00-22:50

原作:トニー・パーカー
訳:沢木耕太郎
音楽:北爪道夫
脚色:高谷信之
演出:真銅健嗣
技術:佐貫渉
音響効果:今井裕



出演:柄本明 角替和枝 ほか

あらすじ:「誰かの命を意味もなく奪って、ようやくまともな自分に出会った…」淡々と元殺人囚の口から出てくる言葉の波を、イギリスのジャーナリスト、トニー・パーカーがインタビュー集にまとめ、沢木耕太郎が渾身翻訳したノンフィクションをドラマ化。時空を随意に行き来できるオーディオドラマの特性を生かし、殺人犯の心の闇と、犯罪を起こさせる社会の空洞に光をあてる一人語り。

 

『キャパになれなかったカメラマン

〜ベトナム戦争の語り部たち』(前編・後編)

【サラウンドドラマ】

【放送日】
2010年9月11・18日(土曜日)22:00-22:50

原作:平敷安常
脚本:原田裕文
音楽:渡辺博也
演出:望月良雄
技術:糸林薫
音響効果:石川恭男



出演:坂上忍 津嘉山正種 山本太郎 安達祐実
村田雄浩 矢崎滋 三田和代 篠井英介 ほか

あらすじ:ロバート・キャパに憧れてベトナム戦争の前線にとび込んだ日本人カメラマン、平敷安常氏の半生をドラマ化。命を省みず戦場を撮影しまくり次々と特ダネをものにする平敷。戦争報道に確固とした動機と志を持つジャーナリストたちとの出会いの中、成長を遂げていく。著名なカメラマン沢田教一も、胸襟を開いた。プロ同士の会話、交流。しかし戦局は、隣国のラオス、カンボジアを巻き込んで拡大し、より深刻な危機にあった。平敷は、次第に、戦場で生き残った者の罪の意識にとらわれて行く…。戦争の真実、そして報道の使命。国家が、人間が、そしてジャーナリストすらが、奥底に潜め持つ「征服欲」の残酷な正体を、ドキュメンタリー・タッチで描く。

 

『裁きの朝』

【放送日】
2010年9月4日(土曜日)22:00-22:50

原案:海原卓
作:冨川元文
音楽:菱沼尚子
演出:保科義久
技術:松本恒雄
音響効果:原大輔



出演:久米明 高橋和也 嵐芳三郎 谷川清美
田岡美也子 小林明音 小高三良 酒向芳
鶴忠博 ほか

あらすじ:勝田(76)は裁判員の呼び出し状を受け取り迷っている。被告は無差別殺人を犯した若者で、死刑判決の可能性がある。勝田は40年以上前、看守として東京拘置所に勤めていたころに出会った一人の死刑囚、島秋人との日々を思い出す。島は<獄中の歌人>として注目を集める有名人だった。死刑に怯える様子もない島に、勝田は反感を覚えた。だが、それぞれの父への愛憎に相通じるものを感じ、いつしか二人の間に心の交流が始まる。真に罪を償うとはどういうことか。人は人を裁けるのか。その苦悩が、時を越えて勝田の胸に迫る・・・。実在した死刑囚の実話に基づき、生きることの尊さと、命の重さを描く。

 

『アキタ系、なう』

(秋田局制作)

【放送日】
2010年8月28日(土曜日)22:00-22:50

作:藤井青銅
演出:浜崎智史
技術:中森直樹
音響効果:遠藤正昭



出演:岡本玲 白鳥英一 丹野久美子 杉浦金男
佐藤興治 河野珠実 ほか

あらすじ:エリー(23)は東京でギャル雑誌の読者モデルをしている自称「カリスマ読モ」。「これからは農業よ!」と、秋田県にノギャルになるためやってきた。その応対をするのが、地元農業事務所の「ノギャル担当」として指名された中年男・野島(38)。エリーは撮影のために田植え体験をしてみるが思った以上の重労働。しかし、それでもやり遂げようとするエリーの姿に、野島もしだいに心を開いていく。一方の野島も村では異質な存在。「田植えロボット」を作成し、インターネットとパソコンを器用に扱う「ロボット・オタク」だったのだ…。「ギャル」と「オタク」、現代の申し子ふたりが繰り広げる「自分探し」の奮闘劇をコミカルに描く。

 

『相方のあり方』

【放送日】
2010年8月21日(土曜日)22:00-22:50

作:松居大悟
音楽:小林洋平
演出:小島史敬
技術:大塚豊
音響効果:岩崎進



出演:池松壮亮 中尾明慶 塩田朋子 廣田行生
西田奈津美 藏内秀樹 星野秀介 松居大悟
目次立樹

あらすじ:北九州の予備校に通う純(20)は二浪中。受験勉強よりも、お笑いコンビを組んでいる相方の泰平(20)と過ごす時間が大切だった。泰平が「東京の大学を受験する」と言い出したのに話を合わせ、「俺も東京に受験するつもりやったし・・・」と嘘をついてしまった純は、本音を口に出せず、どんどん拠り所をなくして行く。ともに東京へ行き芸人を目指したいという親友の夢、地元に残ってほしいと願う両親との葛藤、そして胸をしめつける切ない恋。受験という人生の大きな転機の中、純は初めてぎりぎりの自分と向かい合う。なかなか本音を言い合わない友人関係の中で、揺れ動くイマドキの青春をみずみずしく描く。

 

『薔薇のある家』

【放送日】
2010年7月31日(土曜日)22:00-22:50

作:オカモト國ヒコ
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:米本満



出演:大竹しのぶ 奈良岡朋子

あらすじ:舞台や映画への出演はおろか、足の怪我の後遺症で家から外出すらできなくなった往年の大女優。そして、彼女と同居している献身的な付き人の中年女性。この二人が、ある夏の日の一夜に繰り広げる、残酷だがハートウォーミングな葛藤のドラマ。

 

『つきのふね』

(大阪局制作)

【放送日】
2010年7月24日(土曜日)22:00-22:50

原作:森絵都
脚色:しおつか夢
音楽:寺嶋民哉
演出:田中正
技術:惣田睦弘
音響効果:定本正治



出演:岡本杏理 崎本大海 光平崇弘 今西彩
尾崎麿基 猪谷洋子 谷口知輝 土岐明里
水谷優希 堀之内沙恵 森川航

あらすじ:自分が捕まっても、他の子を巻き込まない。友達と万引きを繰り返していた中学2年のさくらは、その掟を破ったせいで、ひとり孤独な日々を過ごしていた。そんなさくらの前に、智という救世主が現れる。他人のSOSが聞こえるという智に惹かれ、さくらは日々、智のアパートに通う。アルバイトは仮の姿という智には、秘密の仕事があった。それは、破滅から人類を救う宇宙船を作ることだった。ある日、智が突然、船の完成を焦りはじめた。そして同じ頃、街で連続放火事件が起こりはじめる。さくらは、追い詰められた智を救うことを決意する。

 

放送文化基金賞優秀賞受賞

『かわり目〜父と娘の15年〜』(再)

(大阪局制作)

【放送日】
2010年7月17日(土曜日)22:00-22:50

作:山本雄史
演出:石塚嘉

音楽:妹尾武
技術:福井清春
音響効果:吉田直矢


出演:橋爪功 木南晴夏 桂吉弥 片岡静香 小阪風真

あらすじ:阪神大震災で妻を失った吾郎は、15年たつ今も、妻の死にまだ向き合うことができないでいた。一人娘の晴美もまた、母の死を語ることはなかった。互いを思いやりながらも、大切な話ができない父と娘……ところが晴美が妊娠し、シングルマザーになると言い出したことから事情は一変、お腹の子の父親も加わって大騒ぎとなる。やがて晴美の本音が漏れ始める。家族を作ってもそれをまた失うのが怖いと。吾郎も告白する。あの日、晴美のことで喧嘩をしたのが原因で妻は死んだが、そのことは晴美には言えなかったと。互いの心の奥底をさらけ出し、吾郎と晴美は新しい家族のつながりに希望を抱く。15年の間、あの震災の前に立ちすくんでいた二人は、目を向けることのなかった「明日」について考え始めるのだった。

 

平成21年度文化庁芸術祭優秀賞受賞

『鳥』(再)

(長崎局制作)

【放送日】
2010年7月10日(土曜日)22:00-22:50

作:青来有一
演出:増田靜雄
技術:吉野桂太
音響効果:水谷明男


出演:小田豊 上田しのぶ りゅう雅登 野口ジュン 
山下晶 井手敏子 山本美穂 山下健政
吉岡愛梨咲

あらすじ:原爆投下の日、長崎市。何もかもが吹き飛ばされた荒れ地から発見された乳飲み子(男子)がいた。名前も両親も生まれた日さえわからない。義父母の手で育てられ、60年たった今日も、彼は「自分は誰なのか」という疑問から開放されない……。
長崎市在住の芥川賞作家青来有一氏の原作を、自らの脚色でオーディオドラマ化する。長崎に根深く残る原爆の記憶と悲惨さを、人間性豊かに描く。

 

平成21年度中四国ラジオドラマ脚本コンクール 入選

『風紋』

(広島局制作)

【放送日】
2010年7月3日(土曜日)22:00-22:50

作:西尾成
演出:長野怜英
技術:松本靖司
音響効果:水谷明男



出演:中村靖日 池脇千鶴 澤純子 小林由芽 
古山渚 花井美穂  福島滉史郎 升原康嗣
奥迫恵理子 穴水佑輔 橋本茜 三保憲一

あらすじ:週5回満員電車に乗り、週3回の燃えるゴミの日を守り、週1回恋人を家に泊める。今の生活が不満ではないけれど、君塚京介(28)は何かし忘れている気がしてならなかった。そんな折、鳥取砂丘で一斉清掃が行われたというニュースを目にする。画面に映ったのは、砂の中に埋められていた婚姻届。それは君塚が子どもの頃、かつての幼なじみ・美月と一緒に書いて埋めたものだった。18歳になったら掘り起こそうと約束をして……。君塚は誘われるように鳥取へと向かう。再び訪れた鳥取砂丘で彼が見たものとは。誰もが持っている遠い日の恋の記憶を、砂に広がる風紋と重ねて幻想的に描く。

 

『淡路島へ』

【放送日】
2010年6月26日(土曜日)22:00-22:50

作:芳崎洋子
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:松本恒雄
音響効果:片平洋資



出演:南果歩 加茂さくら 野川由美子 京本政樹 
徳永えり

あらすじ:阪神間の実家に独りで暮らす、老いた障害者の母を、姉弟のどちらが面倒を看るか?長男でありながら、家を出て自分のやりたいことしかしようとせず、家に全く寄り付かない弟・徹(39)。そんな徹の無責任さに怒りと頼りなさを感じながら、独身のまま母・邦恵(76)と同居して介護することを選択した姉の美春(44)の二人姉弟。美春が邦恵を連れた日帰り旅行先の淡路島で、偶然、徹と数年振りに出遭ってしまう…。 非婚化の時代、親の介護をめぐる家族の確執と優しさの物語。

 

『いけず 帰れず 五山の送り火』

(京都局制作)

【放送日】
2010年6月19日(土曜日)22:00-22:50

作:山本雄史
演出:谷紗耶香
技術:林江美
音響効果:水谷明男



出演:田畑智子 桃山みつる 小松健悦 宮田圭子
竹本翔之介 藤本幸広 上田康人 森由紀子
小酒井円葉

あらすじ:一流商社に勤める堀川美月(30)。将来を期待される彼女は、お盆も海外とのトラブル対応に大忙し。そんなとき、絶縁状態にある母が危篤との知らせが・・・。父の死後、離婚と再婚を繰り返す母を嫌悪し、母と決別した美月。誰かに頼ることでしか生きられない母の存在は、美月にとって唯一の汚点だった。複雑な想いを抱え、故郷・京都に戻った美月を待っていたのは・・・。京都の伝統行事・五山の送り火によせて、親子の絆と命の温かみを描く。

 

『骨を抱えて』

【放送日】
2010年6月12日(土曜日)22:00-22:50

作:坂本正彦
音楽:小林洋平
演出:真銅健嗣
技術:嶋岡智子
音響効果:三谷直樹



出演:石丸謙二郎 小林勝也 吉村実子 藤吉久美子
小薗江愛理 谷川清美 建蔵 田村勝彦
大門真紀 小久保丈二 野村真理 松田佳祐

あらすじ:「墓は立てるな!川に……」。サラリーマンの光夫(45)は、脳溢血で倒れた実父を徹夜で看病の末、最後に聞いた言葉がこれだった。勿論家には墓もなく、お骨を抱えて、一家の墓探しが始まる……。お墓、納骨堂、散骨、自然葬……。自分の親の生涯と家族の未来に思いを馳せつつ、あるべき現代的「喪」の姿を探るドラマ。

 

『コール〜闇からの声〜』

(福岡局制作)

【放送日】
2010年6月5日(土曜日)22:00-22:50

作:毛利甚八
演出:高倉真人
技術:奥山操
音響効果:吉田直矢


出演:栗山千明 渡辺いっけい 酒瀬川真世 野口ジュン
二橋康浩 森紀子 椎木樹人 中村公美
山下晶 谷湧希 大野裕依花 矢山治

あらすじ:スーパーで試食を漁っている児童がいるらしい。児童相談所に勤める若いケースワーカーのもとに連絡が入るが、具体的な家庭の状況が見えず、虐待の証拠もないので、問題とはできないと上司からそっけなく言われる。貧困と、虐待の関連が指摘される中、児童虐待という事実にどこまで迫り、少年を救うことができるのか……。現代の児童達をとりまく危機をリアリティ豊かにドラマ化する。

 

第25回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集入選作

『人らしく、生きられるように』

(名古屋局制作)

【放送日】
2010年5月29日(土曜日)22:00-22:50

作:田山琢朗
音楽:BANANA
演出:東山充裕
技術:中井勇祐
音響効果:沢田智哉


出演:田辺誠一 高橋和也 西山諒 柳川花帆
伊藤友乃 伊沢勉 棚橋真典 にへいたかひろ
西川瑞 栗田麻衣

あらすじ:北野は小学生の娘がひきこもり中。地方の山間部で再就職が決まり、単身で引越すことになった。だがアパートの隣人は、なんと“言葉を話すクマ”だった。その地方では山林開発で住処を失ったクマやタヌキに言葉を教え、人と同じように生活させることを試みていたのだ。鈴木プーと名乗るクマと酒を飲む仲になった北野は、プーから仕事のやりがいや将来の夢を聞く。プーの夢は山にいる妻子を呼び寄せ一緒に暮らすことだった。しかし大家の奥様には反対されていた。離れて暮らす家族が心配なのは北野も同じだ。一方、東京では娘のひきこもりが悪化していた。北野はプーのアドバイスを受け、娘を自分の元へ呼ぶことにする。

 

シリーズ・北欧の現代文学

『満月の夜』(再)

【放送日】
2010年5月22日(土曜日)22:00-22:50

原作:イサク・ディーネセン
訳:工藤政司
脚色:花房朋香
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:岡本幹彦
音響効果:久保光男


出演:蟹江一平 幸田直子 片山昌三 鷲生功
小川隆市 佐古真弓 入江杏子 藤田宗久
清水隆伍 手塚祐介 田原正治 伊藤昌一

あらすじ:デンマークで大地主だった父は、30年程前、些細なことがもとで小作の牛飼いを虐待死させた・・・。そんな亡き父の忌まわしい出来事の呪縛に苦しむ若き領主のもとを、満月の夜、中年女性が訪れ驚くべき話をし始める。
地主階級に生まれたという“原罪意識”と 小作側の“静かなる報復”を緊迫感溢れる心理劇として描くドラマ。

 

シリーズ・北欧の現代文学

『曲芸師ハリドン』(再)

【放送日】
2010年5月15日(土曜日)22:00-22:50

原作:ヤコブ・ヴェゲリウス
訳:菱木晃子
脚色:原田裕文
音楽:小林洋平
演出:小島史敬
技術:小林清
音響効果:巽浩悦


出演:今井悠貴 大島宇三郎 塩田朋子 土師孝也
富岡晃一郎 小林勝也 小笹将継 加藤満
たかお鷹 松村真知子

あらすじ:曲芸師の少年・ハリドンは、父親代わりのような男<船長>と一緒に暮らしている。だがある夜、書置きを残し、家に帰ってこない<船長>を探しに、ハリドンは夜の街へ一人飛び出していく。途中出会う犬と共に、探していると、事態は思わぬ展開に・・・。
少年が様々な人との出会いや困難を乗り越える姿を通じて、人の心の温かみや優しさをを感じられる物語にしたい。
スウェーデンの最優秀児童図書賞を受賞した原作のドラマ化。

 

シリーズ・北欧の現代文学

『羽根をなくした妖精』(再)

【放送日】
2010年5月8日(土曜日)22:00-22:50

原作:ユリヨ・コッコ
訳:渡部翠
脚色:吉村ゆう
音楽:北爪道夫
演出:真銅健嗣
技術:浜中邦基
音響効果:木村充宏


出演:金田明夫 大竹周作 住田隆 浜丘麻矢
重田千穂子 沢りつお 高戸靖広 IKKAN
此島愛子 華村りこ 浦和めぐみ 曽川留三子
下江梨菜 峯村淳二

あらすじ:豊かな森林とムーミンなど妖精(トロール)達が舞い遊ぶイメージのフィンランド。しかし、第二次世界大戦前後は、何年にもわたって美しい国土が戦場となる悲惨な時代を経験していた。従軍生活の長い少佐である「私」が戦場で知り合った妖精のカップルペシとイルージア。彼らから聞いた想像性豊かな話の数々。そして、日々の軍隊のエピソードとが交互に語られていく。平和な自国への祈りを込めたファンタジー小説のドラマ化。

 

シリーズ・北欧の現代文学

『やさしい歌を歌ってあげる』(再)

【放送日】
2010年5月1日(土曜日)22:00-22:50

原作:リンダ・オルソン
訳:野口百合子
脚色:白石マミ
音楽:宮内康乃
演出:今井洋一
技術:小林清
音響効果:原大輔


出演:宮本裕子 岩本多代 川裕也 今橋かつよ
井口春風

あらすじ:雪と氷に閉ざされたスウェーデンの3月、ストックホルム近くの小さな村に移り住んだ女性作家・ヴェロニカ(30)は、ひとり病に倒れ、隣家の老女アストリッド(80)に助けられる。世捨て人のように暮らすアストリッドは、村人達から『魔女』と呼ばれていた。育った環境も人生もかけ離れたふたりの間に、徐々に友情が育まれていく。しかし、実はふたりはお互いに誰にもうちあけられない、深く重い秘密をもっていた。やがて誰にも言えずにきた不幸な過去を互いに打ちあけるが―。スウェーデン生まれの作家リンダ・オルソンの、この処女作は世界15カ国で翻訳され、世界各国の読者の心を揺さぶるベストセラー。

 

『となりの音女』

【放送日】
2010年4月24日(土曜日)22:00-22:50

作:桑原裕子
音楽:菅谷昌弘
演出:佐々木正之
技術:小林清
音響効果:木村充宏



出演:
藤本喜久子 吉見一豊 若狭勝也 浜丘麻矢
佐藤直子 桑原裕子 木村翠 内田健介
櫻井智也 高山奈央子 吉田久美 原扶貴子
成清正紀 ヨウラマキ

あらすじ:主人公・あず美は33才、独身。福島から上京して15年。人気漫画家のアシスタントをしながら、時々出版社に自作を持ち込んだりしているが、中々認められない。普段は自宅である都内の安アパートで一人仕事に励む日々。漫画を始めたのも、元々人付き合いが苦手だったからで、一人でいることは苦にならなかった。そんなあず美に、ある夜、転機が訪れる。普段、音がないと不安でテレビなどをつけたまま仕事をしているのだが、停電になってしまった。もちろん、漫画は描けない。静寂の中、普段は気にならなかった隣人たちの話声が気になり始める。左隣は老夫婦、右隣は若夫婦。その日から始まった彼らの生活音・秘密との出会いは、やがて、あず美の作品にも生き生きとした感性を与えていく。4月という出会いの季節に、音をとおして出会う人々をラジオドラマならではの視点で描いていく。

 

第38回創作ラジオドラマ大賞 佳作

『夜に届く声』

【放送日】
2010年4月17日(土曜日)22:00-22:50

作:高崎志乃
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:岩崎進



出演:若村麻由美 此島愛子 三村聡 大橋吾郎
つかもと景子 山下真琴 山村有二 長内美那子
武発史郎 関えつ子 田村元治 小池榮
横溝あみ

あらすじ:勤続16年の介護主任、里美の勤める介護施設に、12歳の時に自分を捨てて家を出て行った実母が身寄りのない重度の認知症で入所してきた。同僚には気づかれないようにする里美。ただ、この母は、若い女性をみると誰かれ構わず「さとみちゃん」と話しかける。実母の声にヒリヒリしながら、当の里美は、この事実を本人に告げるのか…。ヒューマニティ溢れるオーディオドラマ。

 

『父のいた島』

【放送日】
2010年4月10日(土曜日)22:00-22:50

作:荒木敏子
音楽:田頭勉
演出:真銅健嗣
技術:加村武
音響効果:石川恭男



出演:中本賢 神山繁 名越志保 本城雄太郎
山野史人 泉晶子 江良潤 加藤幹夫

あらすじ:堅物な軍国老人が、人生の終焉にさしかかり、息子や孫達と思い出の旧海軍兵学校の見学コースを訪ねていく。江田島の旧海軍兵学校を舞台に、家族再生の瞬間のきらめきを情感豊かに描く。

 

『泣かないで、パーティーはこれから』

【放送日】
2010年4月3日(土曜日)22:00-22:50

原作:唯川恵
脚色:佐藤ひろみ
音楽:渡辺博也
演出:小島史敬
技術:糸林薫
音響効果:原大輔



出演:遠野あすか 及川健 宮崎吐夢 伊達暁
平岩紙 町田マリー 高間智子 福井裕子
井出みな子 久保酎吉 久野雅弘 笠原浩夫
おぐちえりこ 南一恵 森戸宏明  椙本滋
政岡泰志 松下哲 近松孝丞

あらすじ:田舎から東京に出て、仕事に夢をもって働く琴子。恋に仕事に順風満帆のようにみえたが、会社倒産、結婚相手からの一方的婚約破棄、水商売や工場勤務など転々としていく人生。女のジェットコースター的な転落と再起の半生を、歌と音楽で描く、新感覚オーディオドラマ。

 

平成21年度文化庁芸術祭大賞受賞

『風に刻む』(再)

【放送日】
2010年3月27日(土曜日)22:00-22:50

作:芳崎洋子
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:久野裕大
音響効果:今井裕


出演:松岡依都美 笹野高史 岩本多代 中地美佐子
つかもと景子 大西麻恵 鬼頭典子

あらすじ:阪神間にある大学の内科病棟。この病棟で主任看護師をしている加藤瑞希(36)は日々の業務を忙しくこなしていた。一ヶ月ほど前、娘の住んでいる家に近いほうが便利だからと、瑞希の担当の病棟に井上(67)という末期癌の患者が神戸の病院から転院してきた・・・。
“生きること”と“死にゆくこと”を常に見つめている終末期医療に携わる看護主任を務める主人公が、かつて親類の死をめぐる出来事で確執のあった人の“死”を看取ることになる。二人の感情の行き違いと葛藤、そしてその行方を情感豊かに描き、「寛容になりえない他者にこそ寛容であれ」というホスピタリティ(歓待)の視点に立った、人生の終末期を静かに見つめるヒューマンドラマ。

 

『うららの恋。』

(大阪局制作)

【放送日】
2010年3月20日(土曜日)22:00-22:50

作:鶉野昭彦
音楽:永田独歩
演出:大久保篤
技術:福井清春
音響効果:水谷明男



出演:新屋英子 小林育栄 曾我廼家八十吉 長佳秀 
小松健悦 宮田圭子 飯島順子 松原美穂
森由紀子 ほか

あらすじ:関西の大女優若草うららは81歳。自らの劇団を率いる側ら、映画にテレビにと活躍を続けてきた。しかし最近物忘れが激しいなど様子がおかしい。付き人兼劇団員の葉子は気が気ではない。自主公演が間もなくだからだ。そんなある日若い大学生黒木が入団してくる。うららは妙に浮き浮きとし、黒木の仲は急速に近づいて、まるで恋人のようだと劇団員の噂になるほどだった。だが実のところ、うららの認知症は重く、黒木のことを逃げ出した夫と勘違いしているのだった。老いらくの恋に振り回されて劇団は崩壊。公演の開催は不可能に思われたが…。

 

『散歩する侵略者〜鳴海と真治の二週間〜』

(名古屋局制作)

【放送日】
2010年3月13日(土曜日)22:00-22:50

作:前川知大
音楽:BANANA
演出:須崎岳
技術:坂野伊和男
音響効果:上温湯大史



出演:酒井若菜 二階堂智 盛隆二 鈴木惠理
堀田和則 伊沢勉 齊藤臣 湯浅浩史

あらすじ:小さな港町。鳴海(酒井若菜)の夫が、海岸沿いで保護された。夫の真治(二階堂智)はここ数日行方知れずだったが、鳴海はどうせ浮気だろうと放っていたのだ。真治は鳴海に「あなたのこと知ってます、ナルミさんですよね?」などと言い、まるで別人格になっていた。真治はなぜか世間知らずで、鳴海にいろいろと質問をし、「散歩」と称して出かけては迷子になる。そのユーモラスだが真面目な様子に、鳴海は今までにない愛着を抱き始める。一方、町の人々の間で、「家族」や「財産」など「ある言葉の概念がわからなくなる」という謎の症状が広がりつつあった…。演劇界で注目を集める劇団イキウメの代表作を、劇作家・前川知大自らの脚色でラジオドラマ化。

 

『リバイバル』

【放送日】
2010年3月6日(土曜日)22:00-22:50

作:青木豪
音楽:菅谷昌弘
演出:佐々木正之
技術:糸林薫
音響効果:岩崎進



出演:田口トモロヲ 草村礼子 利重剛 中野英樹
高橋理恵子 山口美也子 江上晶真 山岸快
田中智也 山崎海童 峯村淳二 猪又武春
関塚まいこ 石井英明 橘敏輝 皆川勇仁

あらすじ:CMの作曲を仕事にしている虻谷健介(48)は、新しい音楽に行き詰っていた。音楽を始めたのも、母・洋子の影響だったし、仕事にしたのも、学生時代の親友・上川に誘われたバンド活動がキッカケだった。元々「音楽がすべてという人間ではない」と思っていた。音楽や音に囲まれた世界にも疲れていたのだ。最近は、母のアルツハイマーも進行し、明日という時間に希望も感じられず、半年前に鉄道自殺で亡くなった上川のことを考え、自殺の誘惑にかられていた。しかし、今を忘れ、過去の世界に戻ってしまった母と暮らすうちに、不思議に虻谷本人が忘れていた子供の頃の記憶に出会い、自分自身の「原点の音・音楽体験」を再発見(リバイバル)し、やがて生きる希望を取り戻す姿を、人と音の関わりを中心に描いていく。

 

『ゆれる車の音』

(宮崎局制作)

【放送日】
2010年2月27日(土曜日)22:00-22:50

作:中島淳彦
演出:平岡正臣
技術:井餘田篤
音響効果:小野寺茂樹



出演:金田明夫 山野海 多田香織 高田豊三
田坂哲郎 丸太一雄 坪内陽子 眞島左妃

あらすじ:戦後の混乱が落ち着いた昭和40年頃、宮崎県の港町。逃げ腰の生き方しか出来ずにいた男が、家族、そしてかつての恋人やその娘に背中を押され、自分の生き方を変えるべく一世一代の勝負に挑む・・・。中年に差し掛かった男の青春ドラマ。

 

『空に近いアクアリウム』

(高松局制作)

【放送日】
2010年2月20日(土曜日)22:00-22:50

作:北阪昌人
演出:石森康裕
技術:東山隆司
音響効果:吉田直矢



出演:渡部豪太 栗山千明 片岡礼子 水橋研二 
村松利史 長克巳

あらすじ:東京から就職を機に高松へやってきた達也(24)は自他ともに認める、「低温人間」。口を開けば「めんどくさい」ばかりだ。そんな彼は新聞社で新人記者として働いているが、毎日毎日デスクの留美子に怒鳴られてうんざり。そんな時、高松市屋島の水族館への取材がキッカケでアシカの女性飼育員、希と出会う。源平の古戦場であり瀬戸内の美しい自然が広がる屋島を舞台に、希や周囲の人達との関わりを通して次第に自分自身と向き合っていく主人公の様をコメディタッチに描く。

 

『KILLERと呼ばれた男』

(山口局制作)

【放送日】
2010年2月13日(土曜日)22:00-22:50

作:ブラジリィー・アン・山田
演出:川口誉
技術:田村徹成
音響効果:水谷明男



出演:宇梶剛士 福島滉史郎 井原武文 西田純子 
吉野智美 本間剛 末武太 佐藤裕洋
福田顕太朗 山根弘毅 ほか

あらすじ:戦前、瀬戸内の貧しい村に生まれた滝田は、移民として渡米。厳しい日系社会での生活の中、得意の柔道を生かしたプロレスで人気を博し、滝田自身もリングでの活動に生き甲斐を感じはじめていた。そんな折、タイトルマッチへの出場が舞い込む。アメリカの人気レスラーへの噛ませ犬であることは明白だったが、滝田は怯むことなくリングに挑む……。戦前の熱血日本人の熱きドラマ。

 

第33回NHK仙台局FMオーディオドラマ脚本募集 入選

『冬物語』

(盛岡局制作)

【放送日】
2010年2月6日(土曜日)22:00-22:50

作:板垣宗男
演出:栗原佐代子
技術:國安鉄朗
音響効果:遠藤正昭



出演:黒部進 佐々木サビナ 箱崎貴司 佐々木オクサーナ
富永亜玲紗

あらすじ:かつて冒険家として活躍した榊悠也(65)は、勤めている公園で知り合った不登校の少女アンナから、海外短波放送が好きだという話をきく。ロシア放送のパーソナリティで「ルディカ」という名の女性がいるという。その名前こそ、榊が25年前、北極点を目指す冒険の最中、知り合ったロシア人女性の名前だった……。老境の男と少女の心の交歓をヒューマニティ豊かに描く。

 

第30回BKラジオドラマ脚本賞最優秀作

『ルカをよろしく』

(大阪局制作)

【放送日】
2010年1月30日(土曜日)22:00-22:50

作:月野あかり
演出:大久保篤
技術:惣田睦弘
音響効果:柳原耕平



出演:大門真紀 長佳秀 結城市朗 井之上淳
藤本幸広 山ア千惠子 森由紀子 石原英秀
小酒井円葉 渡邊亮仁 小林ゆか

あらすじ:月や火星でも人々が暮らし始めた20XX年。地球で閉塞した日々を送るみずきのもとへ火星からメールが届く。「ルカをよろしく」と。それはかつて地球の全寮制学校で、孤独な幼年時代を分かち合った友だち、エージからだった。だが彼はこの言葉を最後に消息を絶ってしまう。20年間交流がなかった私に突然連絡してきたのはなぜ?……メッセージに導かれるように火星にやってきたみずきは、二人で過ごした幼い日々の記憶をたどる。しかしエージの生死は絶望的で、ルカの正体も分からなかった。ある夜、砂漠の嵐に巻き込まれ死の危機に瀕したみずきは、砂漠を埋め尽くす青い花の幻を見るが……

 

『心にナイフをしのばせて』

【放送日】
2010年1月23日(土曜日)22:00-22:50

原作:奥野修司
脚色:原田裕文
音楽:渡辺博也
演出:望月良雄
技術:糸林薫
音響効果:石川恭男



出演:矢崎滋 三田和代 麻生祐未 河西健司 
大橋吾郎 阪田マサノブ 坂上忍 ほか

あらすじ:いわれなき凶悪犯罪に巻き込まれた被害者の遺族は、心の中に深い傷跡を残している。40年前に実際に起きた、高校生の少年による同級生の殺人事件。長年にわたってこの事件を取材してきたノンフィクション作家の奥野修司氏は、ルポの最後、遂にに事件の遺族の心の真実に到着した……。奥野氏のルポルタージュを原作にドキュメンタリータッチのドラマとして描く。

 

『かわり目〜父と娘の15年〜』

(大阪局制作)

【放送日】
2010年1月16日(土曜日)22:00-22:50

作:山本雄史
演出:石塚嘉

音楽:妹尾武
技術:福井清春
音響効果:吉田直矢



出演:橋爪功 木南晴夏 桂吉弥 片岡静香 小阪風真

あらすじ:阪神大震災で妻を失った吾郎は、15年たつ今も、妻の死にまだ向き合うことができないでいた。一人娘の晴美もまた、母の死を語ることはなかった。互いを思いやりながらも、大切な話ができない父と娘……ところが晴美が妊娠し、シングルマザーになると言い出したことから事情は一変、お腹の子の父親も加わって大騒ぎとなる。やがて晴美の本音が漏れ始める。家族を作ってもそれをまた失うのが怖いと。吾郎も告白する。あの日、晴美のことで喧嘩をしたのが原因で妻は死んだが、そのことは晴美には言えなかったと。互いの心の奥底をさらけ出し、吾郎と晴美は新しい家族のつながりに希望を抱く。15年の間、あの震災の前に立ちすくんでいた二人は、目を向けることのなかった「明日」について考え始めるのだった。

 

『満月の夜』

【放送日】
2010年1月9日(土曜日)22:00-22:50

原作:イサク・ディーネセン
訳:工藤政司
脚色:花房朋香
音楽:ニウナオミ
演出:江澤俊彦
技術:岡本幹彦
音響効果:久保光男



出演:蟹江一平 幸田直子 片山昌三 鷲生功
小川隆市 佐古真弓 入江杏子 藤田宗久
清水隆伍 手塚祐介 田原正治 伊藤昌一

あらすじ:デンマークで大地主だった父は、30年程前、些細なことがもとで小作の牛飼いを虐待死させた・・・。そんな亡き父の忌まわしい出来事の呪縛に苦しむ若き領主のもとを、満月の夜、中年女性が訪れ驚くべき話をし始める。
地主階級に生まれたという“原罪意識”と 小作側の“静かなる報復”を緊迫感溢れる心理劇として描くドラマ。

 
 
 
 
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