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放送済みの作品(2006年)

『ドイツ人が描く「或阿呆の一生」』

【放送日】
2006年12月23日(土曜日)22:00-22:50

原作:芥川龍之介
脚色:カイ・グレーン
音楽:カイウベー・コールシュミット
演出:小林武 カイ・グレーン
技術:大塚豊
音響効果:片平洋資



出演:小原雅人 木下浩之 入江純 ウルリッヒ・ヌーテン
メリイ・エンドウ 井上倫宏


あらすじ:芥川龍之介が自殺を図る直前に書いた『或阿呆の一生』を、ドイツのラジオ放送局Northen German Broadcasting Corporation(NDR)がラジオドラマとして制作することになった。ドイツの放送局が作った『或阿呆の一生』をもとに、日本語版を作り、制作者のインタビューなども交えながら『FMシアター』で紹介する。

ドイツ側が作成した効果音をフルに使用し、一部ドイツ語のセリフを日本語に吹き替えて放送します。

一体、現代のドイツ人が、どのような興味や視点で、80年近くも前に書かれた芥川作品『或阿呆の一生』を描くのか。そこには、彼らの<日本人観>や、日本人も気付かない作品が持つ<人類普遍の価値観>等が込められるだろう。


現場からひとこと〜演出:小林武:
芥川龍之介が自殺を図る直前に書いた『或阿呆の一生』を、ドイツの北ドイツ放送協会がドイツ語をベースに一部日本語を使った55分のラジオドラマとして、今年12月6日ドイツ国内で放送しました。
『或阿呆の一生』は、芥川龍之介が一生を振り返り、その心象情景として心に浮かぶものを51節にわたって詩的に綴ったものです。芥川が自殺する直前に書かれ、その内容は絶望感と行き詰まり感に満ちています。
ドイツ向けの放送では、自伝的作品である「或阿呆の一生」を脚色し、<芥川自身>と、彼の分身であり心の内側を表す<芥川の影>に分けて、二人の俳優で朗読しています。<芥川自身>をドイツ人俳優がドイツ語で、<芥川の影>は日本人俳優が日本語で演じています。また女性もドイツ語と日本語の橋渡し役として出てきます。効果音はドイツ人のディレクターが今年6月来日し、鎌倉の禅寺や築地の魚市場など日本各地で実際に録音したものが使われています。
今回、日本国内で放送するために、ドイツ人スタッフが作った作品のドイツ語の大部分を日本語に吹き替えました。ドイツ版総ての放送では有りません。ただし、ドイツ側の脚色の意図を汲んで、音楽や効果音、そして一部ドイツ語はそのまま生かしてあります。
一体、現代のドイツ人が、どのような視点で、80年近くも前に書かれた『或阿呆の一生』を描いたのでしょうか。
是非お楽しみ下さい。

 

平成18年3月25日(土)に

中部ラジオ小劇場で放送

『雨』

(福井局制作)

【放送日】
2006年12月16日(土曜日)22:00-22:50

作:藤本匡介
音楽:斎藤ネコ
演出:堀之内礼二郎
技術:加藤政二
音響効果:和田尚也


出演:柏原収史 佐藤仁美 仁科友美 藤元英樹
安藤嵩将 くるわ大介


あらすじ:父親が経営する法律事務所で働く優介(24)は言わば名門一家の御曹司。優介は、親が勧めるお嬢さんタイプとは全く違う、美樹という女性と付き合い始めてしまう。美樹はバイト生活をしながら、時折路上ライブで歌を歌っていた。親達の猛反対にあいながら、家出までして二人の愛を貫こうとする優介だったが、見知らぬ男が目の前に現れ、自分こそが美樹の彼氏だという…。古い殻から脱皮しようとする青春の1ページをみずみずしく描く。

 

第27回BKラジオドラマ脚本懸賞募集入選作

『暑中休み』

【放送日】
2006年12月9日(土曜日)22:00-22:50

作:木下くみ
演出:江澤俊彦
音楽:野田雅巳


出演:城土井大智 サカイヒロト 谷広子 三原あや 
小松健悦 村上桜子 村上かず 武田暁
芝本正 松のりひこ Fジャパン 福寿淳
草壁晶子 山ア千惠子 竹下眞


あらすじ:昭(22歳)は大学受験のために2年前に上京するも、合格できず、今ではフリーター生活をしている。昭の住むマンションはちょうどお盆休みで、不在者の多い状態だった。ところが、ある部屋からドメスティックバイオレンスの声を聞いてしまう。助けを求める子供の声が……。当事者になるのか、傍観者になるのか?都会に住む若者の悩みと生きる目的探しを現代的都会模様の中に描く。

 

ABU賞受賞・放送文化基金賞受賞

シリーズ ベトナムの現代文学

『戦争の悲しみ』(再)

【放送日】
2006年12月2日(土曜日)22:00-22:50

原作:バオ・ニン
訳:井川一久
脚色:谷登志雄
音楽:ニウナオミ
演出:保科義久
技術:大塚豊
音響効果:若林宏


出演:横堀悦夫 水野ゆふ 南風洋子 樋浦勉


あらすじ:ベトナム戦争(ベトナムでは対米戦争)を背景に、戦争で運命を大きく変えられた若い男女の悲劇を、時空を自在に行き来する大胆な構成と、哀切極まりないトーンで描く。かつて対米戦争の兵士として戦ったキエンに、忘れられない壮絶な記憶の数々が夜毎襲う。戦争中、キエンの属した部隊はジャングルの中で何度も激しい交戦の果てにほとんど全滅。キエンの記憶は、1964年高校生最後の夏に飛ぶ。恋人フォンとの甘く幸せな日々…。1965年、陸軍へ入隊したその日、ハノイ駅で、疎開のために発とうとしていたフォンと偶然出会い、列車に乗り遅れる。所属部隊の後を追うため二人は貨物列車に乗るが激しい空襲に遭遇。爆弾炸裂の中で、同じ人民軍兵士にフォンは集団レイプされ、キエンは男の一人を撲殺する。17歳のあの日、愛し合っていた純粋無垢の若き抗米愛国の二人のうち、キエンは戦士になり、フォンは女になった。「フォンとの愛の輝きの日々への回帰を、悲しみの中で、僕は切望しつづけることだろう」

 

文化庁芸術祭参加作品

『万太郎ショージ』(再)

(大阪局制作)

【放送日】
2006年11月11日(土曜日)22:00-22:50

作:樋口美友喜
演出:江澤俊彦
技術:惣田睦弘
音響効果:水谷明男


出演:森田直幸 長江竜馬 小川源太郎 石野慎一郎
矢持涼 足立悠美加 林英世 新屋英子


あらすじ:万太郎とショージは、中学ではちょっとした有名コンビ。ショージの筆箱に欲しい物のリクエストをすると、瞬く間に二人が万引きで調達してくる。このコンビ誕生にはわけがあった。いじめで、万引きをさせられていた万太郎を、ショージが救ったのだ。いじめから逃れるにはこのコンビを作るしかない!ところがある日、ありえないリクエストが入ったことで、二人は自分のしてきたことと向き合うことになる……現代の迷える少年達の成長物語。

 

11月4日は休止となります。

 

文化庁芸術祭参加作品

シリーズ・ドイツの現代文学

『黙って行かせて』(再)

【放送日】
2006年10月28日(土曜日)22:00-22:50

原作:ヘルガ・シュナイダー
訳:高島市子 足立ラーベ加代
脚色:横山玲子
音楽:菱沼尚子
演出:保科義久
技術:西田俊和
音響効果:西ノ宮金之助


出演:樫山文枝 南風洋子 山口果林 入江杏子
岸昌代 島美弥子 多田野曜平 落合弘治
黒葛原未有


あらすじ:「あなたを憎むことはできないわ。ただ愛せないだけ…。」娘が4歳の時、母は家を出た。アウシュヴィッツで看守になるために。それから57年後、娘ヘルガは母と再会する。90歳を超えた母は、ヒトラーへの敬愛もユダヤ人への憎しみもそのまま持ち続けていた・・・。「ナチ女」の娘であることを克服するためだけではなく、歴史の真実に向き合おうために、徹底的に母の過去を追究する娘の勇気と切なさが熱く胸を打つ。

 

文化庁芸術祭参加作品

『百億光年の貝殻』(再)

【放送日】
2006年10月21日(土曜日)22:00-22:50

作:相良敦子
音楽:北爪道夫
演出:保科義久
技術:加村武
音響効果:山田正幸


出演:横堀悦夫 山田辰夫 水野ゆふ 佐藤直子
佐藤輝 小野賢章


あらすじ:34年前の小学生時代、踏切事故に遭いそうになって奇跡的に助かった室井と浜崎。その二人の友が久しぶりに再会するが、乗り合わせた路面バスが大事故に遭ってしまう。今度は浜崎が死亡し、室井だけが生き残る・・・。人がこの世に生を受け、人と人が偶然出会い人生を営む、そんな当たり前だけれども「今ここに在ることの不思議」を感動的に描く。

 

文化庁芸術祭参加作品

『夕凪の街 桜の国』(再)

【放送日】
2006年10月14日(土曜日)22:00-22:50

原作:こうの史代
脚色:原田裕文
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:佐藤あい



出演:夏八木勲 鈴木佳由 斉藤とも子 阿南健治
小林トシ江 矢沢心 大和田悠太 茶花健太
三村ゆうな 伊藤ゆきえ 大林佳奈子 木崎優一


あらすじ:広島で被爆したある一家の60年、三世代に及ぶ物語。平成16年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作で、「マンガ史の宝石」とまでいわれる傑作のドラマ化。原爆がいかに人々に多くの悲しみと苦悩を長い年月をかけて与え続けてきたか、そして今も決して消えることがないことを、静かにジワッと伝えていく。

 

文化庁芸術祭参加作品

『骨は珊瑚、眼は真珠』

(名古屋局制作)

【放送日】
2006年10月7日(土曜日)22:00-22:50

原作:池澤夏樹
脚色:羽田野直子
演出:藤井靖
技術:加藤政二
音響効果:沢田智哉



出演:津嘉山正種 毬谷友子
重松愛子 鈴木惠理 小川千歳 大津有加里
松本享子


あらすじ:「白っぽい骨と破片と粉になったわたしをおまえは拾ってゆく。わたしはただおまえを見ている。」死んだ"わたし"が火葬場で骨を拾う妻の姿を見つめながら、問わず語りに二人の最後の日々の記憶を辿る。生前に託した、ある願いが叶えられるのを待ちながら・・・。現代の死のありように深く切り込んだ池澤夏樹の異色短編を原作に、時空を超えて響きあう夫婦の心模様を叙情性豊かに描く。


現場からひとこと〜演出・藤井靖:
「まずもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばろう」――演出にあたって心に浮かんできたのは、この宮澤賢治の詩句でした。言葉には魔法にも似た力が秘められています。時には死を超えてゆく想念さえ与えてくれます。類いまれな声の持ち主である津嘉山正種さんと毬谷友子さんの演技が、詩的に磨き上げられた原作の世界に、やわらかなリアリティを吹き込んでくれました。オーディオドラマならではのコトバの力に、しばし身を浸してみて下さい。

 

シリーズ・ドイツの現代文学

『遺失物管理所』

【放送日】
2006年9月30日(土曜日)22:00-22:50

原作:ジークフリート・レンツ
訳:松永美穂
脚色:津川泉
音楽:白日歩
演出:大久保篤
技術:西田俊和
音響効果:片平洋資


出演:河相我聞 森本浩 長沢大 佐藤友紀
瀬川亮 林真里花 田村錦人 大田沙也加
堀岡真 相場貴晴 まつだ壱岱 成願トオル 岡珠希


あらすじ:北ドイツの駅の遺失物管理所。毎日毎日、入れ歯が、僧服が、そして現金を縫い込まれた不審な人形が届くようなところだ。そこへ就職したのが24歳のヘンリー・ネフ。野心があるでもなく、どこか飄々とした感じで日々を過ごしていたヘンリーは、鞄を無くしたロシア系外国人のラグーティンと知り合い、たちまち親友になる。しかしラグーティンは、異邦人に対して不寛容なドイツ社会の壁に度々衝突し、とうとうパーティーでの差別的な発言に傷ついて祖国へ去ってしまう。このことがヘンリーの正義感をかき立て、周囲の矛盾に立ち向かわせることとなるのだった・・・。現代ドイツ社会の様相とそこに生きる若者の成長ドラマ。

 

シリーズ・ドイツの現代文学

『太陽通り』

【放送日】
2006年9月23日(土曜日)22:00-22:50

原作:トーマス・ブルスィヒ
訳:浅井晶子
脚色:香取俊介
音楽:海田庄吾
演出:小林武
技術:大塚豊
音響効果:米本満


出演:進藤一宏 左時枝 沼田爆 水町レイコ
冷泉公裕 柳沢なな 豊永利行 塚本啓介
田谷隼 春日清花 菊地真之 松本隆之
村上真介 長野克弘 一岡裕人 森田順平


あらすじ:「太陽通り」はベルリンの壁のために東西に分断された通りである。ミヒャ一家は東ベルリンの「太陽通り」に面したアパートに、両親と姉の4人で住んでいる。時々叔父のハインツが西ベルリンから西側のチョコレートを密輸して持ってくるのが楽しみである。或る日、ミヒャの高校に美人転校生が来た。ミヒャは彼女から“いつか西側の人のキスの仕方を教えてあげる”と言われ心ときめく。その彼女から手紙が届いた!読もうとした瞬間風に飛ばされ“死のゾーン”に落ちてしまう。“死のゾーン”とはベルリンの壁の壁との間にある10m程の隙間のことである。ミヒャは、手紙を取ろうとするが・・・。ドイツが東西に分裂していた時代の東ベルリンの高校生の青春をコメディー・タッチに描く。


現場からひとこと〜演出・小林武:
「太陽通り」はドイツで映画化されています。知り合いのドイツ人に聞きますと、かつての東ドイツ人と西ドイツ人では映画を見ての反応が違うとのこと。つまり、東ドイツで生活したことの有る人は、「ベルリンの壁」の崩壊以前の日常生活の息苦しさを知っているので、作者がコメディ的に書かれた部分を理解し笑うが、事情を知らない西ドイツ人は何故東ドイツ人が笑うのか分らなかったとのこと。つまりそれだけ東西ドイツ人は異なる生活を送っていたのです。今回、一番気を付けたことは日本人にも解るように部分的に原作よりデフォルメした箇所が多くあります。それは西側資本主義国と東側共産主義国と色濃く対比させたことです。東西ベルリンに行ったことのある者としては興味深い題材でした。

 

シリーズ・ドイツの現代文学

『カレーソーセージ』

【放送日】
2006年9月16日(土曜日)22:00-22:50

原作:ウーヴェ・ティム
「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」
訳:浅井晶子
脚色:原田裕文
音楽:菅野由弘
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:井上直美



出演:根岸季衣 萩野崇 たかお鷹 山本竜二
鈴木一功 山内慶太郎 山口千晴 鯨井優穂


あらすじ:ドイツ庶民の味カレーソーセージ。「僕」がその発見者だと信じている女性を訪ねて老人ホームへ。彼女は長い間最高のカレーソーセージを屋台で出していたからだ。もう惚けてしまったかと思ったが、急に、一見何の関係もなさそうな彼女の戦争末期の話が始まった……。物資のない時代。そして若い敗残兵との出会い。「味覚が人生を変える」というドイツ庶民の戦争秘話のドラマ化。


現場からひとこと〜演出・真銅健嗣:
美味しいものって、とても人をシアワセにしますね。とくに、香辛料のきいたカレーとか……。
このドラマにはドイツ庶民の味である「カレーソーセージ」のほかにも、幾つかの食べ物が登場します。
音だけでなんとか美味しく感じられるように、とスタッフみんなで試行錯誤しました。男と女の濃い密室ドラマをメインディッシュに、ドイツ無条件降伏の直前、直後というスパイスの効いたシチュエーションを合わせて味わって頂けると幸いです。

 

シリーズ・ドイツの現代文学

『友情』

【放送日】
2006年9月9日(土曜日)22:00-22:50

原作:フレッド・ウルマン
訳:清水徹 清水美智子
脚色:佐藤久美子
音楽:松ヶ下宏之
演出:川野秀昭
技術:西田俊和
音響効果:西ノ宮金之助



出演:石田法嗣 成瀬誠 山路和弘 ほか


あらすじ:1932年、 戦前のドイツ南部のシュツットガルトにあるギムナジウム(小学校卒業後に入る中等教育機関)で、16歳のユダヤ人の少年ハンスは貴族の美少年コンラディンに出会う。それまで無気力だったハンスは、勉強スポーツと頑張り、ついにはコンラディンとの友情を勝ち得た。甘酸っぱい青年らしい二人の交流。だが二人の友情にナチスが亀裂を生み出し始めた…。青年期に差し掛かる少年たちを瑞々しくも悲しく描く友情物語。


現場からひとこと〜演出・川野秀昭:
「その人のためなら喜んで命を投げ出したい」と思える友人。
このドラマでは純粋な心を持った少年たちが、「大人」や「政治」の力によって友情を掻き乱される様子を描きます。しかし、どんな状況でも真の友情を築いた心の奥底には「何か」あるはずです。そんなピュアな心を佐藤久美子さんの瑞々しい脚本と松ヶ下宏之さんの叙情あふれる音楽で描く作品です。是非お聞き下さい!

 

シリーズ・ドイツの現代文学

『黙って行かせて』

【放送日】
2006年9月2日(土曜日)22:00-22:50

原作:ヘルガ・シュナイダー
訳:高島市子 足立ラーベ加代
脚色:横山玲子
音楽:菱沼尚子
演出:保科義久
技術:西田俊和
音響効果:西ノ宮金之助


出演:樫山文枝 南風洋子 山口果林 入江杏子
岸昌代 島美弥子 多田野曜平 落合弘治
黒葛原未有


あらすじ:「あなたを憎むことはできないわ。ただ愛せないだけ…。」娘が4歳の時、母は家を出た。アウシュヴィッツで看守になるために。それから57年後、娘ヘルガは母と再会する。90歳を超えた母は、ヒトラーへの敬愛もユダヤ人への憎しみもそのまま持ち続けていた・・・。「ナチ女」の娘であることを克服するためだけではなく、歴史の真実に向き合おうために、徹底的に母の過去を追究する娘の勇気と切なさが熱く胸を打つ。


現場からひとこと〜演出・保科義久:
もしあなたの家族が侵略戦争や大量殺戮の加害者だったら、なんて考えることは無いでしょうし、そんなこと無いほうが良い。でも、もしあなたの国の人々が戦争の加害者だったらどうします?このドラマは、ユダヤ人虐殺の当事者だった人を家族にもつドイツの人が書いた実話小説をドラマ化したものです。「暗い話はいや」だなんて言わないで、“黙って”お聞きください。心打つ切ない母娘の話です。

 

『百億光年の貝殻』

【放送日】
2006年8月26日(土曜日)22:00-22:50

作:相良敦子
音楽:北爪道夫
演出:保科義久
技術:加村武
音響効果:山田正幸


出演:横堀悦夫 山田辰夫 水野ゆふ 佐藤直子
佐藤輝 小野賢章


あらすじ:34年前の小学生時代、踏切事故に遭いそうになって奇跡的に助かった室井と浜崎。その二人の友が久しぶりに再会するが、乗り合わせた路面バスが大事故に遭ってしまう。今度は浜崎が死亡し、室井だけが生き残る・・・。人がこの世に生を受け、人と人が偶然出会い人生を営む、そんな当たり前だけれども「今ここに在ることの不思議」を感動的に描く。


現場からひとこと〜演出・保科義久:
あの日、あそこに行かなかったら今私はここにいない!あの時あの人に会わなかったら私は別に人生を歩んでいた!これって運命?…そんな想いを一度でも味わったことはありませんか!誰もが感じる出逢いの不思議、人生の奇跡、地球上に今いることの喜び…そんな感動を、このドラマに込めてお送りします。ぜひお聞きください。

 

『電光仮面 最後の戦い』(2006年版)

(大阪局制作)

【放送日】
2006年8月19日(土曜日)22:00-22:50

作:山本雄史
演出:江澤俊彦
技術:佐藤善次郎
音響効果:高橋紀行


出演:楠年明 酒井高陽 芝本正 林英世 松のりひこ


あらすじ:かつて、子供達のヒーローとして、関西一円で大活躍した電光仮面。今は引退して、細々と探偵事務所を構え、娘とその連れ子の3人暮らし。実は娘の夫は詐欺で逃走中だった。その裏には、かつて電光仮面の宿敵ブラック・キングが介在していた。愛する家族を守るため電光仮面は最後の戦いに挑む!平成3年に近畿でラジオドラマ化し、その後舞台公演で大ヒットした熱血ヒューマンエンターティンメントのリメイク。

 

『夕凪の街 桜の国』

【放送日】
2006年8月5日(土曜日)22:00-22:50

原作:こうの史代
脚色:原田裕文
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:佐藤あい



出演:夏八木勲 鈴木佳由 斉藤とも子 阿南健治
小林トシ江 矢沢心 大和田悠太 茶花健太
三村ゆうな 伊藤ゆきえ 大林佳奈子 木崎優一


あらすじ:広島で被爆したある一家の60年、三世代に及ぶ物語。平成16年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作で、「マンガ史の宝石」とまでいわれる傑作のドラマ化。原爆がいかに人々に多くの悲しみと苦悩を長い年月をかけて与え続けてきたか、そして今も決して消えることがないことを、静かにジワッと伝えていく。


現場からひとこと〜演出・真銅健嗣:
今から61年前の8月6日。広島に原子爆弾が投下されました。その悲劇の傷痕は癒えることなくいまだに続いています。何度夏が巡っても語り継ぐことを忘れてはいけない原爆のこと。こうの史代さんの素晴らしいマンガを原作に、音と声、音楽で描くオーディオドラマに作りました。この日は教育テレビで同じ時間に、ドキュメンタリー番組「被爆者 心の傷 いまだ癒えず」もあります。関連番組とも合わせて、61年目のヒロシマを伝えることができれば、と思っています。

 

『ミック、俺も男だ!!〜オヤジバンドの挑戦〜

(仙台局制作)

【放送日】
2006年7月22日(土曜日)22:00-22:50

作:石川裕人
演出:高木秀也
技術:志村宏
音響効果:遠藤正昭


 

出演:小畑次郎 米澤牛 絵永けい 小松達哉
館林敦士 丹野久美子 百足瑞恵 原西忠佑 ほか


あらすじ:これまで、地域社会を引っ張ってきた男達が、2007年に定年で第二の人生を歩み始める。地域と家庭を見つめなおすいい機会と、同世代3人の男が、それぞれ違った進路に向かって、様々な障壁を乗り越えていく…。群像熟年グラフィティドラマ。


現場からひとこと〜演出・高木秀也:
ともすれば、ただオヤジたちが集まって好き勝手にバンドをやっている、という話になりかねないこのドラマ。50分という限られた時間の中で、「シルバーエイジの生き様」「家族愛」を、どの場面でどのように盛り込んでいくのか、とても悩みました。
番組の大きな聞き所は、バンド演奏部分です。実際にバンドの生演奏を録音し、歌も主役を演じて下さった小畑次郎さんに歌って頂きました。歌い慣れない(?)英語の曲を、小畑さんは熱くシャウトして下さいました。
今回の作品は、脚本を書いた石川裕人さんはじめ、ご出演の俳優も、バンドメンバーも、全員が仙台在住の方ばかり。物語の舞台も、もちろん仙台。まさに本物の仙台発オーディオドラマです。
ローリングスト−ンズのミック・ジャガーに憧れるオヤジたちの第2の青春を描いたこのドラマ、どうぞお楽しみに!

 

『恋する人に歌う唄』

(広島局制作)

【放送日】
2006年7月15日(土曜日)22:00-22:50

作:藤井友紀
音楽:坪北紗綾香 末田晴
演出:渡辺哲也
技術:藤田晋一郎
音響効果:水谷明男


出演:佐々木麻里 武田宜裕 吉本武史
吉野智美 水島憲弘


あらすじ:舞「きれいごと」に満ちた職場を逃げ出したマリ菜。彼女が出会ったのは風変わりな兄弟。恋愛に臆病で恋愛の稽古を重ねる弟ヨシゾウと、売れない役者で所構わず台詞の練習を始める豪快な兄タケゾウ。マリ菜の頭を悩ませていた「キレイな声のきれいごと」は、タケゾウのおならやいびきに押し流されていく。しかし「悩む」マリ菜を癒してくれる彼は天真爛漫に見えて実は「悩み」を偏愛する「悩み」マニアだった。「悩む」女と「悩めない」男の恋模様をオリジナル楽曲にのせてお送りするミュージカルラジオドラマ。


現場からひとこと〜演出・渡辺哲也:
ミュージカルドラマ「恋する人に歌う唄」、放送時間の4割は歌っています。脚本も作曲も出演者も広島で活動する20代の人たち。会社員や大学生として日常を送る皆さんが、残業や実習や公演の合間を縫い、曲を書き、歌詞を書き、歌の練習をしました。そして「NHKのど自慢」のメンバーを中心にした経験豊かなバンドの演奏が、手作りのミュージカルを支えてくれました。聞いていただいた皆さんが、魅力と感じたところがあったら、それは広島で活動する皆さんの力の賜物であります。

 

『オッサンとワタシ』

(名古屋局制作)

【放送日】
2006年7月8日(土曜日)22:00-22:50

作:坂本正彦
音楽:BANANA
演出:樋口哲郎

技術:岡本幹彦
音響効果:和田尚也


 

出演:栗山千明 村田雄浩 鳥居蒼 中田裕子
伊沢勉 鈴木惠理 湯浅浩史


あらすじ:女子高生の恵(17歳)は通学途中の公園でダンボールに入ったおっさんを助けてしまう。この人物、実は大企業の重役で、不正容疑の指名手配を受けていた。同族会社の中でやむを得ず関わったものだったが、責任を負って自殺未遂。その挙句記憶を失っていたのだった。恵にとって唯一本音で話せるおっさんとの交流を通じて、少女の成長をコミカルに描く。


現場からひとこと〜演出・樋口哲郎:
このドラマを演出するにあたり、悩んだのはそれぞれのキャラクター作りでした。ともすれば暗い話になってしまう物語ですが、明るく元気に前を向いていくドラマにしたいと、主人公の恵や、オッサンは、個性を強めに出したコミカルなキャラにすることにしました。そんな二人を演じるのは、主人公恵役が栗山千明さん、オッサン役が村田雄浩さん。栗山さんは、情けない恵の姿を、普段映画やTVで見るのとは違って、コミカルに演じてくれています。そしてオッサン役の村田雄浩さん。記憶喪失ながらも勝手気ままなオッサンを、見事に"憎めない・カワイイ"キャラにしてくれました。「オッサンとワタシ」、笑って泣ける家族回復&人生復活劇です。お楽しみに!

 

『海辺の姉妹』

【放送日】
2006年7月1日(土曜日)22:00-22:50

作:横田理恵
音楽:山下康介
演出:川野秀昭
技術:高山幹久
音響効果:井上直美


 

出演:西尾まり 山崎美貴 八木昌子 遠山俊也 ほか


あらすじ:地味だが勉強のできる妹・綾乃(34)と華があって社交的な姉・友里恵(35)は子どもの頃から比べられて育ってきた。綾乃は子どもの頃から父の態度、家族内での扱われ方などいつも姉のせいで損をしてきたと思ってきた。そんな姉妹も30代に入り、姉からお店の経営がうまくいかなくなったと金の無心があったとき、「勝ち組」となっていた妹、綾乃は復讐を思い立った…。切っても切れない姉妹の関係が、大人になって変化する中で、新たに理解できるようになった姉妹間の葛藤といとおしさを描くオリジナルオーディオドラマ。


現場からひとこと〜演出・川野秀昭:
―「きっと私たちは、会わないでいるほうが平和な関係なんだよね」
小さい頃のお土産の取り合い、大人になってからの実家のもめ事。いろいろ争う仲の悪い妹と姉を西尾まりさんと山崎美貴さんが熱演します。特にマンションの玄関口で延々と続く二人の口喧嘩のシーンは、聞くものを圧倒し空気が凛! とします。そんな二人がどんな結末を迎えるのかお楽しみに。脚本は数々のテレビドラマでご活躍の横田理恵さんがラジオドラマに初挑戦。音楽は新進気鋭の作曲家・山下康介さんが担当します。兄弟姉妹がいる人もいない人も、初夏の夜に『海辺の姉妹』で、じーんとしてみませんか。
―「兄弟って、なんかよくわかんないね…イヤになることいっぱいあるのに。だけどやっぱり…なんかほっとけない」

 

第34回創作ラジオドラマ脚本懸賞公募最優秀作

『リトルプリンセス二号』

【放送日】
2006年6月24日(土曜日)22:00-22:50

作:中村比香
音楽:ニウナオミ
演出:大久保篤
技術:浜中邦基
音響効果:林幸夫


出演:宮川一朗太 南野陽子 堀内敬子 谷川清美
柊紅子 大関真 祖父江進 西岡徳馬


あらすじ:第34回創作ラジオドラマ脚本懸賞公募最優秀作。日々の暮らしの中で微妙にすれ違う靖と杏子の夫婦は、新種の睡蓮「リトルプリンセス二号」を育てることになった。その花の雌しべは美しい女体そっくりで、靖はその「娘」に恋してしまう。それを知った妻は男性そっくりの花心を持つ「リトルプリンス一号」を育て、靖がその偏愛ぶりをとがめると、「リトルプリンス一号」鉢とともに姿を消してしまう。やがて戻ってきた彼女の体には異変が起きていた…。


現場からひとこと〜演出・大久保篤:
オーディオドラマ初挑戦の南野陽子さんと、久々に登場の宮川一朗太さん。息もぴったりのお二人を中心に収録現場は楽しく和やかに進みました。しかし、夫婦が初めて本心をぶつけ合う後半のクライマックスシーンでは、スタジオの空気が凍り付くような緊張感。あまりの迫力にスタッフも息を止めて聴き入ってしまったほどでした。お二人をはじめとする俳優陣の熱演と、新進気鋭の美人作曲家ニウナオミさんの不思議な音楽をぜひお楽しみください。

 

第21回NHK名古屋放送局

創作ラジオドラマ脚本募集入選作

『あの道。』

(名古屋局制作)

【放送日】
2006年6月17日(土曜日)22:00-22:50

作:月野あかり
演出:渡辺一貴
技術:浅井英人
音響効果:太田岳二


出演:麻木久仁子 小市慢太郎 村上雄太 久川徳明 
斉藤直美 上司貴子


あらすじ:南米は砂漠にある小さな町を訪ねたモトコ(43)と息子のテツ(14)。情緒不安定で、何かと問題を起こすテツとの親子関係を修復しようと思い立っての旅だった。現地在住の日本人ガイドを交え、3人でまわる旅の時間が、親子の関係に微妙に変化をもたらす……。荒涼と、しかしどこかノスタルジックな異国の砂漠で、母と息子の現実と心情を幻想的な雰囲気の中でドラマ化する。
第21回NHK名古屋放送局創作ラジオドラマ脚本募集審査結果のページもどうぞ。
 

『万太郎ショージ』

(大阪局制作)

【放送日】
2006年6月10日(土曜日)22:00-22:50

作:樋口美友喜
演出:江澤俊彦
技術:惣田睦弘
音響効果:水谷明男


出演:森田直幸 長江竜馬 小川源太郎 石野慎一郎
矢持涼 足立悠美加 林英世 新屋英子


あらすじ:万太郎とショージは、中学ではちょっとした有名コンビ。ショージの筆箱に欲しい物のリクエストをすると、瞬く間に二人が万引きで調達してくる。このコンビ誕生にはわけがあった。いじめで、万引きをさせられていた万太郎を、ショージが救ったのだ。いじめから逃れるにはこのコンビを作るしかない!ところがある日、ありえないリクエストが入ったことで、二人は自分のしてきたことと向き合うことになる……現代の迷える少年達の成長物語。

 

『女房はくれてやる』

(福岡局制作)

【放送日】
2006年6月3日(土曜日)22:00-22:50

原作:佐藤正午
脚色:三上幸四郎
演出:吉田浩樹
技術:鈴木恒次
音響効果:武田公二


出演:百田洋之 上田裕子 坪内陽子 鶴賀皇史朗
川口大樹 田中慎一郎 橋口泰介
北川宏美 児玉育則


あらすじ:造船、工業の街佐世保。ここですし屋を営む丸山(40)のただ一つの趣味が競輪。ただし、妻にも世話になった親方にも内緒にしていたが、そういうことはいつかはバレるもの。妻に発覚後、急速に冷める夫婦仲。妻はなんと競輪選手といい仲になっていた。熱い佐世保の男が、今も夢中になる地元競輪をモチーフに、男女の機微をユーモラスに描く。

 

シリーズ・南アフリカの現代文学

『ノーベル賞作家の描く「男と女」』(再)

【放送日】
2006年5月27日(土曜日)22:00-22:50

原作:ナディン・ゴーディマ
訳:ヤンソン柳沢由実子
脚色:入山さと子
音楽:菅野由弘
演出:小林武
技術:佐藤清己
音響効果:原大輔


出演:左時枝 大橋吾郎 花井みを 鈴木ユウジ
下塚誠 水町レイコ


あらすじ:ノーベル文学賞受賞女性作家の短編集から2編をドラマ化する。「家庭」…舞台は人種差別(アパルトヘイト)の根強い南アフリカ。スウェーデン人の男性と結婚した、南アフリカ人の黒人であるテレサの母親、兄弟が警察に逮捕された。夫も心配するが、反アパルトヘイトの活動家であるテレサは何とか家族を救いたい東奔西走する。ある日、友達の家に泊まると言って出掛けたテレサだが、それが嘘だと夫は知る。彼はテレサが他の男性と一緒に居たのではないかと疑い、嫉妬する。しかし、実際は母親達に会いに行っていたのだ。夫婦とはいえ外国人の自分には内緒で、ひとりで母親に会いに行ったのだ。アパルトヘイトが実施されている南アフリカでは、肌の色が違う夫より、同じ黒人である家族の結び付きの強さを知り、嫉妬する。(もう一編は「体力づくり」)

 

シリーズ・南アフリカの現代文学

『母から母へ』(再)

【放送日】
2006年5月20日(土曜日)22:00-22:50

原作:シンディウェ・マゴナ
訳:峯陽一 コザ・アリーン
脚色:谷登志雄
音楽:ニウナオミ
演出:保科義久
技術:山村隼之
音響効果:千本木真純


出演:倉野章子 岩下寛 新橋耐子 松本きょうじ
外波山文明 石住昭彦 夏川加奈子 高田恵篤
加藤絹子 藤巻るも 三村ゆうな 和田啓作
小林良也 大久保祥太郎


あらすじ:『私の息子が、あなたの娘さんを殺しました。』というショッキングなセリフから始まるこの小説は実話を基にしている。1993年8月、南アフリカの黒人居住区で、アメリカからの白人女子留学生が黒人青年らに襲われ殺された。アパルトヘイト【人種隔離体制】の廃絶をめざし南アフリカ史上初めて実施される全人種参加の総選挙を半年後に控えての事件であった。困惑し悲嘆にくれた殺人者の母親が、自らと息子の半生を語る物語は、アパルトヘイトの犯罪性を浮かび上がらせただけではない。私たちの住む現代社会もまた抑圧と暴力による闇を抱えているかぎり他人事ではないということを、この物語は普遍的に訴えている。現代南アフリカを代表する黒人女性作家の代表作で、「ポスト・アパルトヘイト」時代のアフリカ文学の誕生を告げた作品。

 

シリーズ・南アフリカの現代文学

『アマンドラ』(再)

【放送日】
2006年5月13日(土曜日)22:00-22:50

原作:ミリアム・トラーディ
訳:佐竹純子
脚色:原田裕文
音楽:栗山和樹
演出:真銅健嗣
技術:鈴木清人
音響効果:林幸夫


出演:中村たつ 草野康太 増田未亜 曽川留三子
増子倭文江 入江純 長沢大 三島嘉崇
下岸昌代 酒向芳 蟹江一平 茶花健太
山口愛 関貴昭 山崎健二 寺尾貴裕


あらすじ:南アフリカの現代史は人種差別との闘いだった。その象徴的事件「ソウェト蜂起(1976年)」を黒人の側から描き、その実態を世界的に知らしめた注目小説のドラマ化。町の高校で学生議長として蜂起を指揮した青年とその家族達を中心に、激闘と愛憎の物語を通じて、差別撤廃の願いと人類愛のメッセージを謳う。

 

シリーズ・南アフリカの現代文学

『さあ、すわってお聞きなさい』(再)

【放送日】
2006年5月6日(土曜日)22:00-22:50

原作:エレン・クズワヨ
訳:佐藤杏子
脚色:森治美
音楽:山本裕之
演出:大久保篤
技術:嶋岡智子
音響効果:片平洋資


出演:京田尚子 大竹周作 青木和代 村澤寿彦
林真里花 清郷流号 福井裕子 山崎海童
江良潤 佐藤せつじ 大田沙也加 中野剛
田中雄土 佐藤友樹 厚木拓郎


あらすじ:南アフリカの春の日の夕暮れ。たき火の前にケイおばさんが座ると、家族みんなの楽しいお話の会の始まりだ。「さあ、すわってお聞きなさい。私がずっと見たり聞いたりしてきた、家族のこと、女たちのこと…」 アパルトヘイト政策下の厳しい社会を生き抜いた黒人たちの物語が、不当な境遇に立ち向かう勇気や、家族の愛情、仲間同士の助け合いなど、今日の世界で失われつつある大切なものを教えてくれるヒューマンドラマ。

 

『さよならバースディ』

【放送日】
2006年4月29日(土曜日)22:00-22:50

原作:荻原浩
音楽:水津雅幸
脚色:山本むつみ
演出:真銅健嗣
技術:浜中邦基
音響効果:浜口淳二


出演:小林高鹿 小西美帆 畠中洋 名取幸政
斉藤志郎 信太昌之 下塚誠 東さおり


あらすじ:愛する女性が謎の飛び降り自殺をした。その一部始終を目撃していたのは、人の言葉を解するサル(ボノボ)だけだった!霊長類研究所を舞台に、ボノボに言葉を教え込んだ研究者が、恋人の死とその愛の謎に向かう。それにはボノボから聞き出す他はない…。異色サスペンスによる究極のラブストーリー。

 

『春の旅人』

平成17年度中四国ラジオドラマ脚本コンクール佳作

(松山局制作)

【放送日】
2006年4月22日(土曜日)22:00-22:50

作:佐和みずえ
演出:鈴木航
技術:木下恵子
音響効果:吉田直矢


出演:田畑智子 ミッキー・カーチス 浅利陽介 野村信次、
酒井麻吏 浜口悟 市川千恵子 池田武志


あらすじ:突然父親を自殺で失った真紀。養蜂業を営む源じいさん。トラック運転手のアキラ。他人同志の三人が一台の車に乗って旅してまわる。それぞれ言い知れぬ家族に対する思いを交錯させながら、あたかも一つの家族のように過ごす三人。東京を出発した旅は、紀伊半島を抜け、四国へ。その終わりはふいに訪れた。

 

『査察機長』

【放送日】
2006年4月15日(土曜日)22:00-22:50

原作:内田幹樹
音楽:荻野清子
脚色:浜田秀哉
演出:大久保篤
技術:西田俊和
音響効果:畑 奈穂子


出演:東幹久 磯部勉 石田太郎 入江純、
齋藤かおり 西脇礼門 大田沙也加 戎怜菜
小倉馨 安田裕 堀岡真 きっかわ佳代


あらすじ:念願の国際線機長に昇格して一年。村井は初の路線審査を受けている。この飛行で不合格となれば、機長資格が剥奪されてしまう厳しい試練だ。しかもその査察担当は氏原…その冷徹さから皆に忌避されている鬼の査察機長だった。トラブルに次ぐトラブルの末、やっとたどり着いたニューヨーク空域は予想を超える大雪。村井は無事に着陸して無事合格を果たすことができるのだろうか。成田・ニューヨーク間の12時間、コクピットという密室に閉じ込められた男たちの葛藤と駆け引きを通じて、若手が成長する姿を描く。サラウンド制作。

 

『光の廊下』

【放送日】
2006年4月8日(土曜日)22:00-22:50

作:小松與志子
音楽:藤家渓子
演出:真銅健嗣
技術:加村武
音響効果:井上直美


出演:大谷直子 田山涼成 山像かおり 岡本易代
島川直 福井裕子 三村ゆうな 渋谷宏美
松本藍果 佐々木睦定


あらすじ:美術が好きで、学芸員から美術館の副館長まで昇った敬子(57歳)。同じ年齢で官僚出身の館長から突然の退職勧告を受ける。5年越しで企画してきた春の企画展が間近だという時に…。社会に出て男性に負けず劣らず頑張ってきた団塊世代の女性と、その定年という人生の転機に自分を見つめ直す、人間ドラマ。

 

『断崖絶壁』

【放送日】
2006年4月1日(土曜日)22:00-22:50

作:岡部耕大
音楽:菅野由弘
演出:保科義久
技術:加村武
音響効果:佐藤あい


出演:前田吟 蟹江一平


あらすじ:2006年、60歳の定年を迎える人の人生は、日本の戦後60年の歩みと重なる。このドラマに登場するのは二人の男。磯村良介は2006年3月31日、団塊の世代の“先頭”を切って定年退職。エイプリルフールの4月1日夜、良助は断崖絶壁に立つ。自殺を考える良介の前に現れたのは山神神父(30歳)。二人は断崖絶壁の上で、戦後日本という「時代」と人間、会社に代表される「組織」と人間、「信頼」と「裏切り」、「信仰」の裏表…などを口汚く口論し、二人の立場は二転三転する。≪言葉喧嘩≫は、この世が如何に汚いかを明らかにしていくが、その≪言葉喧嘩≫のエネルギーが、いつしか二人の「生きるエネルギー」に転化し始める…。このドラマは、今日の世界が『断崖絶壁』だと感じている人間に贈る応援歌でもある。

 

ABU賞受賞・放送文化基金賞受賞

シリーズベトナムの現代文学

『戦争の悲しみ』(再)

【放送日】
2006年3月25日(土曜日)22:00-22:50

原作:バオ・ニン
訳:井川一久
脚色:谷登志雄
音楽:ニウナオミ
演出:保科義久
技術:大塚豊
音響効果:若林宏


出演:横堀悦夫 水野ゆふ 南風洋子 樋浦勉


あらすじ:ベトナム戦争(ベトナムでは対米戦争)を背景に、戦争で運命を大きく変えられた若い男女の悲劇を、時空を自在に行き来する大胆な構成と、哀切極まりないトーンで描く。かつて対米戦争の兵士として戦ったキエンに、忘れられない壮絶な記憶の数々が夜毎襲う。戦争中、キエンの属した部隊はジャングルの中で何度も激しい交戦の果てにほとんど全滅。キエンの記憶は、1964年高校生最後の夏に飛ぶ。恋人フォンとの甘く幸せな日々…。1965年、陸軍へ入隊したその日、ハノイ駅で、疎開のために発とうとしていたフォンと偶然出会い、列車に乗り遅れる。所属部隊の後を追うため二人は貨物列車に乗るが激しい空襲に遭遇。爆弾炸裂の中で、同じ人民軍兵士にフォンは集団レイプされ、キエンは男の一人を撲殺する。17歳のあの日、愛し合っていた純粋無垢の若き抗米愛国の二人のうち、キエンは戦士になり、フォンは女になった。「フォンとの愛の輝きの日々への回帰を、悲しみの中で、僕は切望しつづけることだろう」

 

劇作家シリーズ

『サンショウの木』

(大阪局制作)

【放送日】
2006年3月18日(土曜日)22:00-22:50

作:芳崎洋子
演出:江澤俊彦
技術:井上裕一
音響効果:水谷明男


出演:中江有里 吉見一豊 豊住恵里奈 関秀人
宮田圭子 竹下真


あらすじ:阪神淡路大震災から11 年目の神戸。新婚間もない野田真弓(28)は、実家からほど近い阪神間に暮らしていたが、神戸へは自然と足が遠のく毎日。震災で伯父の家が全壊し、そこで家族全員が亡くなっていたからだった。今は、そこを更地にして、実家の母が駐車場として管理している。そこにマンションを建てるという話がもちあがり…。在阪劇団≪糾 〜あざない〜≫の劇作家・芳崎洋子氏が描く、阪神淡路大震災11年目の被災者へのレクイエム(鎮魂曲)と慟哭の物語。

 

劇作家シリーズ

『蛇の恋とわたしと』

(名古屋局制作)

【放送日】
2006年3月11日(土曜日)22:00-22:50

作:鈴江俊郎
演出:木村明広

技術:小出剛
音響効果:沢田智哉


出演:小嶺麗奈 鈴木一真 鈴木未穂
藤元英樹 小川千歳


あらすじ:図書館に勤めているゆうこは、もうすぐ30歳。面倒な気持ちになるといつも、本の世界に逃げ込んでいた。彼女の最大の悩みは彼氏のこと。38歳にして人生に絶望し、自殺をほのめかし、いくらゆうこが慰めてもはかばかしい返事が返ってこない。そんな時、ゆうこの家の留守番電話にかわったメッセージが入っている。一体誰から?人生の節目に立つ現代女性の目覚めと成長の物語を「静かなる演劇」の旗手が綴る。

 

劇作家シリーズ

『さらば、イカロス』

【放送日】
2006年3月4日(土曜日)22:00-22:50

作:東憲司
音楽:田頭勉
演出:保科義久
技術:鏡唯夫
音響効果:佐藤あい


出演:広瀬彩 松尾あぐり 池下重大 鴨川てんし
大西多摩恵 下総源太朗 多賀基史 東憲司定


あらすじ:とある山奥にある「ハウス」。ここには世間と折り合いをつけられなかった大人の男女が共同生活を送っているユートピア。リーダーとして尊敬されている男は1年前、人力飛行機で墜落死していた。そのリーダーの娘と息子が訪ねてくる。それは「ハウス」崩壊の始まりだった…。精緻なプロットで21世紀小劇場の新鋭を誇る劇作家のオリジナルドラマ。

 

『それでも、僕は・・・』

(山口局制作)

【放送日】
2006年2月25日(土曜日)22:00-22:50

作:矢野直哉
演出:西村武五郎
技術:藤田晋一郎
音響効果:吉田秋男


出演:田中圭 宅麻伸 末武太 新原英人
尾上麻紀子 林昭弘 武田ちあき 水島憲弘 南一誠


あらすじ:山口市の進学校で事件が起きた。事件を起した男子生徒・秋葉義弘は、屋上から飛び降り命を絶った。一方、この事件の唯一の被害者有馬洋平(高2)は、重度の火傷で入院。初めて学校を離れ、自分の人生と向き合うことになった。ある日、洋平は病院で秋葉の幽霊と出会う。なぜ自分を狙ったのか?なぜ自殺したのか? 秋葉を問い詰める洋平だったが、二人の間には予想外の関係があったのだ。現代若者の心の闇に迫る人間ドラマ。

 

『ぼうぶら甚内』

(福岡局制作)

【放送日】
2006年2月18日(土曜日)22:00-22:50

作:松本光雄
演出:吉田浩樹
技術:中鉢由希
音響効果:塚田大


出演:百田洋之 坪内陽子 久冨杏子 権藤昌弘
上田裕子 柏木麻貴 次賀慎一郎 小川正
二橋康浩 岡本ヒロミツ 瀬口寛之 矢山治
おさむ 橋口泰介


あらすじ:勤皇と佐幕の対立に揺れる幕末の福岡藩。藩内で勤皇派の武士が殺された。その事件を担当する目付清四郎と彼を助ける朋友の甚内。捜査が進むうちに、藩政にからむ根深い事実に直面する。事件は以外な方に発展し、ついに甚内の家族にまで及んでくる。時代に流されず、己の信じる所を貫き、家族を大切にした男の幕末時代劇。

 

第29回FMオーディオドラマ脚本募集入選作

『どんでけさんちの破壊計画』

(青森局制作)

【放送日】
2006年2月11日(土曜日)22:00-22:50

作:おおぬまいくこ
演出:井川精一
技術:小林健二
音響効果:遠藤正昭


出演:深澤嵐 上島奈津子 米澤牛 菅原頑
沼沢郁子 石川裕人 小松達哉 絵永けい
片倉久美子 伊奈かっぺい


あらすじ:勉強の苦手なコウタは小学5年生の男子。いつも親達から秀才の兄と比較され、叱られている。そんなコウタの取り柄は足が速いこと。母親の期待を一身に受ける兄が、大学進学をしないと宣言したその日、コウタは校内マラソン大会で優勝し、意気揚々と帰宅した。が、怒っている母はコウタのことなどそっちのけ。怒ったコウタは家を飛び出していく。元気あふれる少年が人情溢れる大人達とのふれあいの中で成長する様を、爽やかなタッチで描く。

 

『パズル』

(大阪局制作)

【放送日】
2006年2月4日(土曜日)22:00-22:50

作:オカモト國ヒコ
演出:江澤俊彦
技術:福井清春
音響効果:横山健太


出演:深浦加奈子 大路恵美 南条好輝
内野謙太 八田麻住


あらすじ:一見、父、母、娘、息子の家族と思われる4人の男女。彼らは、とある場所で「お祖母ちゃん」を待ちながら、パズルを始める。とりとめのないような会話の中に、徐々に4人の関係が浮かび上がり、やがて「お祖母ちゃん」の存在が重くのしかかる…。なぜか四人がやっている「パズル」を通じておかしくも哀しい現代日本の家族像を一幕劇スタイルで描く。

 

『メリーゴーラウンド』

(札幌局制作)

【放送日】
2006年1月28日(土曜日)22:00-22:50


原案:高津利彦
脚本:清水友陽
演出:藤並英樹
技術:宮澤智臣
音響効果:三村俊之

出演:岩尾亮 藤原俊和 永井くみ子 谷崎尚之
小山めぐみ 佐々木拓大 丸谷小一郎 斉藤和子


あらすじ:かつて、石炭の産地として栄えた北海道の田舎町。炭鉱の空き地に作られた遊園地も時代の流れに押されて閉園を迎えようとしている。その社長が死に、残された二人の息子に遊園地最後の日々が託された。兄は従業員全員の将来を考え介護施設誘致に奔走。しかし、兄弟仲が悪く、町から出て行った弟への父の遺言は「遊園地を手伝え」というものだった。「いまさら何ができるんだ?」と面食らう弟。亡き父の遺言の真意は何か? 兄弟の絆の行方をハートウォーミングストーリーとして描く。

 

『キップをなくして』

(名古屋局制作)

【放送日】
2006年1月21日(土曜日)22:00-22:50

原作:池澤夏樹
脚色:原田裕文
選曲:伊藤守恵
演出:吉永証
技術:加藤政二
音響効果:岩城成生


出演:笠原織人 柳生博 越智貴広 加藤友季
中野由紀子 久保智哉 伊藤千由李 岡村由美


あらすじ:小学5年生のイタルは趣味の切手を買いに電車で出掛けた。その途中、キップをなくし、改札で立ち往生する。そこを救ってくれた中学生らしい女の子。その子に連れられて行くと、駅にはイタルのように、駅を出られなくなった子供たち「駅の子(ステーション・キッズ)」が暮らしていた。自由で楽しい生活。気のいい仲間と不思議な駅長…。子供同志の友情と互いの成長を描く、鉄道冒険ファンタジードラマ。

 

1月14日は休止となりました。

 

第18回銀の雫文芸賞最優秀作

『はるさんの日記』

【放送日】
2006年1月7日(土曜日)22:00-22:50

原作:古厩志津子
脚色:東多江子
音楽:桑原研郎
演出:川野秀昭
技術:高橋英明
音響効果:浜口淳二


出演:伊藤蘭 佐々木すみ江 長谷川博己
小川隆市 石井揮之 堀岡真


あらすじ:自信家で気丈だった母、はるが認知症になった。急に別の世界に入って自分が活躍していた昔の様子を話したり、町に出たあとで自分がどこに行くつもりだったか分からなくなったり。50歳になろうという娘のしづこにとって、母はいまだに一人前と認めていてくれず、時にはきつい言葉を投げかけられ、傷つけられたりもする存在だった。そんな母が、認知症になって見せる少女のようにか弱い部分。母に認めてもらいたいと思っていた娘がいつのまにか「母」のような立場で母に接することになる。はるさんの「別の世界」と、現実世界でのしづことはるのやりとりを交錯させながら、その全てを受けとめて暮らしていく娘の姿を通じて認知症を生き抜く母娘の心のふれあいを描く。

 
 
 
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