実現できるか?CO2削減25% 11月4日(水)19:30~19:57
出演   :小沢 鋭仁さん(環境大臣)
キャスター:国谷裕子

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「世界の先頭に立って走ることが、同時に日本経済にとってのチャンスになる」。1990年比で二酸化炭素などの温室効果ガスを25%削減すると宣言している鳩山総理大臣は、所信表明演説でこのように発言しています。この野心的な目標は全ての主要排出国の参加が前提になってはいますけれども、政治主導で日本の経済構造を低炭素型に転換することで、同時に技術力・競争力を高めていくことを目指すものです。

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日本の経済・社会に大きな変化を求めるこの目標、民主党のマニフェストでは温暖化対策として、3つの政策を掲げています。

すでに経済産業省は、自然エネルギーで作られた全ての電力を買い取る制度の導入を検討しています。また、地球温暖化対策税については、先週末、環境省が来年度の税制改正要望でガソリン等に課税する2兆円規模の税の導入を求めています。
二酸化炭素の排出削減にかかるコストをできるだけ少なくし、また企業の競争力の維持にも配慮しながら、いかに産業構造を変え、経済成長に結び付けていくのか、その具体的な道筋はまだ見えてきていません。今夜は地球温暖化対策のキーパーソン、小沢鋭仁(さきひと)環境大臣に目標達成に向けた戦略を伺います。初めに、地球温暖化対策に向けて動き始めた現場をご覧ください。

CO2削減25% 戦略は

トップダウンで高い目標を掲げ、日本の社会の在り方を変える、それが、鳩山政権の戦略です。期待しているのは、日本の最先端の環境技術。ハイブリッドカー。電気自動車。その心臓部となるリチウムイオン電池。さらに、世界トップクラスの発電効率を誇る太陽光パネル。こうした環境技術を普及させ、さらに高める政策で低炭素社会の実現を目指しているのです。

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鳩山政権に先駆けて、厳しい削減義務の実施を決めた自治体があります。2020年までに20パーセントの削減目標を掲げた東京です。来年4月からの削減義務づけを前に、対象となる大規模なビルでは、省エネ化に向けた改修工事が進められています。このビルでは、8100ある蛍光灯すべてを省エネ型に交換。避難誘導灯も3分の1の大きさにしました。

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関連の改修費用は、5年間で40億円余りに上ります。工事を請け負っている建設会社はこうした需要の増加を見込んで先月、「環境本部」を設置。ビルの屋上緑化や自然エネルギーの活用など、CO2の排出を減らす新しいビルへの需要が拡大すると見込んでいます。大成建設環境本部の弘埜剛本部長は、「環境に配慮するという風が吹いている訳ですから、そこにビジネスチャンスがあると確信して進んでいきたい」と話しています。研究施設も、14億円をかけて一新しました。この日は、得意先を招いて、最新の技術をアピールしました。省エネ化の工事には一定のコストがかかりますが、新しい環境ビジネスの成長が期待できるのです。

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政治主導のもと、各省庁も動き始めています。これまで高い目標設定に慎重だった経済産業省は、方針を大きく転換。25%削減を、成長戦略の柱に据えました。成長戦略を担当する畠山政策企画官です。温暖化対策をどう経済成長に結びつけるか、直嶋大臣から具体案作りを命じられました。畠山さんが、目をつけたのは、太陽光や風力、水力などの自然エネルギーです。自然エネルギーのさらなる普及を起爆剤に、様々な産業を成長させることができると考えています。そのために注目しているのが、電気の買い取り制度です。太陽光などで発電された電気を、すべて買い取ることを電力会社に義務づけることで普及を促します。その費用は、電気料金に上乗せされます。消費者にとっては、新たな負担になりますが、関連産業の飛躍的な成長につながると期待されています。

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畠山陽二郎政策企画官は、「当然、温暖化対策を進めようと思えば一部分コストがかかるところがある。他方で、私どもの成長戦略からすれば、コストをかけることで、経済の成長にプラスになる部分があるだろうから、この部分を何とか伸ばしていきたい。」と話しています。

環境省は、国民のライフスタイルそのものを、変える必要があるとしています。そのために、打ち出したのが、新しい税です。地球温暖化対策税の、来年度からの導入を目指しています。ガソリンや灯油、ガスなど、すべての化石燃料に課税します。そうすることで、燃料の消費を抑えることができるとしています。また、次世代自動車や省エネ家電などの普及を促し、さらに、税収を温暖化対策に充てることもできるとしています。しかし、新しい税の導入は、賛否が分かれています。低炭素社会の実現と、国民負担のバランスをどうとっていくのか。その具体策が求められています。

どうする温暖化対策税

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——「地球温暖化対策税」は、化石燃料に一律にかかるのか。
「今は制度設計をやっている段階。基本的にはCO2の排出量に合わせてと思っているが、諸外国と比べてガソリンがどのくらい高いかとか、そういう比較の問題がある。また担税力といって、払えるかどうかという話もあるので、そういったことを今細かく積み上げている」。

——この税の発想は、国民に化石燃料から距離を置くように誘導していくということか。
「税には2つ目的がある。1つは利用を、抑制するための効果。もう1つは、税収。その税を使って今度は優遇政策、あるいはベンチャー等への金融支援、そういったこともできる。抑制政策と、予算を使っての対処政策、この2つに使える」。

——暫定税率廃止でガソリン価格が下がると需要が増える。環境税導入の狙いが化石燃料使用の抑制ならば、暫定税率廃止と同時に環境税を導入すべきではないか。
「暫定税率の廃止は、来年の4月からと思っているので今年の12月には政府としては決めなければいけない。ただ、暫定税率の廃止で税収が減ったからこっちで取り返すという風に国民の皆さんから思われたら、それは違うと思っている。切り替えをどう国民の皆さんに説明をしていくか、検討している最中」。

——いったん暫定税率を廃止して、ガソリン価格を下げる時期があるかも知れないということか。
「私はその方が良いと思っている。いったん国民の皆さんには暫定税率は廃止になり、安くなったと実感してもらう。一方で地球を守っていくために、本当に地球の将来が心配だったら、ぜひ皆さんにもご負担をお願いしたいと、そういう形で時期の差があった方が良いのではと私自身は思っている。ただ、税調の中でこれから決めていくこと」。

——来年夏には参議院選挙もある。選挙でこの税金の導入を問うことになるか。
「問うことになると思う。実際の実施時期がいつになるのは別にして、今年の12月から議論していくので、それは問うことになる」。

温暖化対策 成長戦略は?国民負担は?

——この税によって経済成長を目指す、CO2の排出の少ない低炭素社会も目指していくとしているが、具体的にはどういう戦略的な投資が行われるのか。
「例えば、今エコポイントやっている。省エネ家電を買うとエコポイントが付いて、それが色んな物にまた使えると。また、家を断熱、二重窓にする、そういう住宅を建てる場合には取得税を軽減していくとか、そういった形が取り入れられると思う。あとは、エコカーというのもあり得るかも知れない。そこは決まってないが、色々工夫は必要だと思う」。

——太陽光発電を自宅に付けたりハイブリッドや電気自動車に乗ってガソリン代を節約するというような投資ができない方々にとってはすべてが負担になるが、どういう対策を考えているか。
「所得によっては軽減措置を考える必要があると思う。産業的にはぎりぎりまでエネルギー効率を上げてくれているところがあるから、そういったところは例えば将来的に排出量取り引きといった時に換算していくなどの軽減措置があって良い。要は、暫定税率と連動させるのは嫌いだが、基本的には暫定税率がなくなっていけばほとんど負担はない、新たな負担はないと思っている」。