放送内容

平成の最後に考える

2019年1月20日(日)

「ぼくたちの憲法ってなんだろう?」 
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今回の未来塾、テーマはずばり「憲法」です。憲法の改正が現実味を増すなか、憲法を「自分事」として考えるために、作家の高橋源一郎さんの指導のもと、塾生たちが、自分ならではの憲法前文を作ってしまおうというユニークな企画に挑戦!「軍備の徹底放棄」や「国政参加の義務化」のほか、「独立宣言」まで飛び出します。

講師

講師

高橋源一郎さん

小説家

プロフィール

高橋さんは、塾生4人を岩手県大槌町吉里吉里(きりきり)地区 に呼び出しました。出会って早々、塾生たちへ課題が発表されます。「架空の国・吉里吉里国の憲法前文を作れ!」。高橋さんが吉里吉里を選んだ理由は、38年前に出版された、井上ひさしさんの小説『吉里吉里人』です。吉里吉里が日本から独立する姿を描き、ベストセラーとなりました。高橋さんはここに、国の原点を考えるヒントがあると見ています。

8年前の東日本大震災では、吉里吉里の集落を16メートルの津波が襲い、半分近くの建物が被害を受けました。両隣の地区から火の手が上がり、完全に孤立します。そんな中、吉里吉里の市井の人たちは、震災当日の夜、早くも災害対策本部を立ち上げました。住民が役割分担をし、まるで行政機関のように復旧を進めたのです。それを可能にしたのは、幼稚園から学校、病院などが1つで、集落全体が“大きなの家族”のような人間関係です。

一週間後、塾生たちは考えた憲法前文を手に、高橋さんのもとに集合しました。中間報告です。本村穂夏さんは“国民に対する積極的な政治参加”を、菊池知行さんは“徹底した戦争の放棄”を明記しました。高橋さんは「既存の日本国憲法っぽい。憲法のいいところは理想を自由に描いていいところだ。」というアドバイスを送ります。続いて障害のある妹を持つ、石澤野乃実さんの発表です。大切な人のための幸せの国を考えますが、高橋さんには1つ気になることが。それは、“吉里吉里国ならではの表現がないこと”です。

中間報告を受け、3人は山梨県へ向かいました。高橋さん曰く、最もプリミティブな自治を行う学校があるというのです。ここでは、自主性を育むため、できるだけ子どもたちに決定権を委ねています。学校の憲法とも言える校則も、子どもたち自身が決めています。
この学校のモットーは、“みんなが安心して意見を言える場をつくること”だと校長先生は言います。障害のある妹をもつ石澤さんは、特に感じるところが多かったようです。

その頃、もう1人の塾生小松結衣さんは、故郷の石巻にいました。中間発表では、国を家に例えた前文を発表した小松さん。しかし、高橋さんからは、家の定義が曖昧だ、という指摘を受けます。国とは何か?再定義するために、故郷を訪れたのです。あの日故郷を襲った津波が、大好きだった祖母の命を奪いました。家があった場所は、災害危険区域に指定されもう住宅は建てられません。故郷で起きた悲劇を二度と繰り返さないため、大震災を経験した自分ならではの、憲法前文を目指します。

いよいよ最終発表当日。塾生たちが発表するのは、高橋さんが教授を務める明治学院大学です。スペシャルゲストとして、憲法学者の長谷部恭男さんにも参加してもらいました。
石巻を訪れた小松さんは、「再び吉里吉里国を震災が襲った際は、吉里吉里国民は全員で助かる道を模索することを義務付ける。」と明記。次に震災では、一人の犠牲者もださないという、決意を込めました。学校を訪れた石澤さんは、立場にかかわらず、国民全員の声が国づくりに反映される国を発表しました。塾生たちは、実際に憲法を『作る』ことを通して、理想の国のあり方を考える1ヶ月になりました。

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高橋源一郎さんのまとめ

もちろん憲法を作るというのは大変なことなので、たくさんの知識があるプロが作るものなんですが、そうしてしまうと、いわゆる一般の国民である我々は、少なくとも憲法を作ることにはタッチできない。でも想像しながら作ってみることはできるんじゃないかと。それが国のことを考える近道になるかもしれないと思います。小説のことが知りたかったら小説を書いてみる。音楽のことを知りたかったら音楽を作ってみる。それが一番何かを知るにいいやり方ですね。

ゴールデンルール

ぼくたちには「想像」という方法がある。
社会とつながる近道になるかもしれない。

ナレーション 多部未華子のつぶやき

う〜ん、難しい〜、というのが率直な感想です。番組が難しいじゃないです、「憲法」を自分事として考えるのって難しいね、という話です。普通に生活しているだけだとなかなか憲法を意識することってないですよね。法律というと少し身近になりますが。昔、友達が飼っている犬が車に轢かれて亡くなりました。でも法律的には器物損壊の罪にしか問われません。生き物を物扱いにしているのは良くないな、とその当時に思ったんです。これは法律の範囲ですよね。でも法律は憲法に基づいて作られているんです。考えてみると、実は私たちの生活全般にわたって憲法が関係している。これを機会にもっともっと憲法のことも考えてみたいです。私はいつも、「未来塾」のナレーション録りが終わると友達に取り上げたテーマについて感想を聞くことにしています。今回も「憲法ってどう思う?」と質問してみよう!

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【伊達】「震災をきっかけにですね、いろんなものが、見直されてますけど、いい方向へむかうきっかけになれば、亡くなった方々もうかばれるかもしれないですね。」
【富澤】「未来塾は今回の放送で今年度は最後なんでしょ。」
【伊達】「そうなんですね。」」
【富澤】「来年度も続くの?」
【伊達】「まだまだ東北の被災地はですね、課題が山積みでございます。日本各地で災害も多発してます。未来塾はパワーアップして続きます。」
【二人】「来年度もお楽しみに! 」

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