放送内容

カリスマ経営者 直伝

2018年9月9日(土)

被災地を救うアイデア家電とは

今回の未来塾は、苦戦する日本の製造業の中で、30年以上黒字を続けるアイリスオーヤマ会長の大山健太郎さんが講師です。大阪出身の大山さんはあえて宮城に本社をおき、東北の経済成長に貢献してきました。東日本大震災後もすぐさま事業を再開し、今後も東北に根を張り続けていきたいと考えています。
そんなカリスマ経営者の元に集まったのは、東北在住の4人の学生たち。彼らに大山さんは「災害公営住宅に暮らす人たちを元気にする家電を考えろ!」とミッションを与えます。学生たちは大山さんが信念として掲げる「生活者目線=ユーザーイン」を意識し、宮城県内の災害公営住宅に一泊二日の密着取材をします。そこで見出した被災地に必要な家電とは…?大山さんの辛口塾、始まります!

講師

講師

大山健太郎さん

アイリスオーヤマ会長

プロフィール

塾生たち4人がカリスマこと大山さんと待ち合わせしたのは、宮城県角田市にあるアイリスオーヤマの自社ビル。緊張の初対面ですが、「忙しいから早く来てください」と大山さんは立ち止まろうとしません。大山さんに連れて来られた部屋はピリピリムード。 それもそのはず、今日は週一で行われる商品開発会議の日。アイリスオーヤマが発売する新製品は、すべてこの会議で大山さんがOKを出したものなんです。白熱する議論を見つめる塾生たち。しかし、数件みたところで、これ以上は企業秘密と締め出されてしまいました。

会議を締め出された塾生たちは、広報の稲村香織さんに工場を案内してもらうことに。実はここ、製造・物流作業のほとんどをロボットが担っているんです。業界最高レベルの自動化は、「人間は頭を使ってアイデアを出せ!」という大山さんの方針です。

工場見学を終えた塾生たち。8時間に及んだ会議終わりの大山さんを前に、やっと自己紹介です。塾生たちは被災地で何をしたいかを伝えますが、「まだまだ概念的で、意欲だけの空回りだ」と指摘されてしまいます。そこで大山さんは意欲を具体的な形にすべく「災害公営住宅に一人寂しく暮らす被災者を元気づける家電を考えろ!」と課題を与えます。さらに、このむずかし〜い課題に挑戦するにあたり、大山さんは「実際に被災者と一緒に生活し、不満を探してこい!」と指令を出しました。

塾生たちは2チームに分かれ、体当たりのリサーチに挑みます。女川町の戸建ての災害公営住宅に向かうのは、谷越楓さんと曽根原正樹さんのチームです。街の中心部から長い坂を登りながら30分歩くと、一人暮らしをする久野たみ子さん(91)が自宅に招いてくれました。早速、必要な家電とは何かをユーザーイン目線でリサーチします。そこで見つけたのは使いづらい物干し竿や、冷える床、1日にたった3本しかないバスという交通の便の悪さでした。

ユーザーインを深めようと塾生2人は一緒に料理をし、食事をとります。さらに、曽根原さんはかなり思い切ったお願いをします。それは久野さんの家に泊めてもらうこと。リアルに突然なお願いなのに、久野さんはOKしてくれました。翌朝、リラックスした雰囲気で久野さんが話してくれたのは楽しかった仮設住宅での思い出。近所付き合いが少ない今の暮らしに寂しさを感じていたのです。およそ24時間の滞在でわかったのは、久野さんの孤独感でした。

佐々木紫帆さんと鳥屋直弘さんが向かったのは仙台市内の集合型災害公営住宅。駅から徒歩10分、平坦な道で買い物などには便利な場所です。しかし自治会長の庄司宗吉さんはコミュニケーション不足からくる住民の孤独死の問題に不安を覚えていると言います。深刻な問題ですがそれを家電とどう結びつければいいのか途方にくれる塾生たち。見かねた庄司さんが夕ご飯に誘ってくれます。楽しく食卓を囲むうちに一緒に食事をすることがコミュニケーションを生むきっかけになるのではないかと感じました。

ユーザーインのリサーチを終えた2つのチーム。ともに強く感じたのは災害公営住宅に暮らす高齢者の孤独です。それを解消する家電を考えなくてはいけません。発表まで2週間、悩む塾生たちの様子を聞いた大山さんは仙台のオフィスに集合をかけました。30年前に大山さんが考案し大ヒットしたクリア収納ケースの開発秘話からユーザーインにこだわる大切さを伝えます。さらに自身の挫折話などを伝えた大山さんは、「今日の話を肥やしに発表まで頑張れ」と塾生たちを激励します。

泣いても笑っても、最終発表の日がやってきました。発表会場ではすでに大山さんが本番モードで待ち構えています。ピリピリ感マックス。まずは仙台チームの発表です。キーワードは料理のシェア、一緒に美味しいものを食べればコミュニケーションが生まれると温かいまま料理を持ち運べる家電を考えました。しかし、大山さんは素材の不適切さを指摘、さらに「食事よりも一緒に料理をする方がコミュニケーションは深まるはずだ」と指摘します。不採用!でした。

続いて女川チームの発表したのは、ちょっと変わった形をしたこたつ。足腰の弱った高齢者用の椅子に座るタイプで、連結させて大きなこたつにできるようになっています。久野さんが塾生に話した「仮設の集会所は楽しかった」という言葉から、災害公営住宅の集会所をコミュニケーションの場にしたいと連結できるこたつを考えました。しかしその考えはよかったのですが、これでは全体が温まらないと大山さんから機能的な厳しい指摘を受けます。まさに机上の空論。不採用です。

カリスマ経営者からのダメ出しに呆然とする塾生たち。でも、それはそれだけ大山さんの期待が大きいってことなんです。大山さんは塾生たちに、辛口批評をした理由を語りかけます。それは、本音の議論をすることが物作りの出発点であるということ。今回の経験が塾生たちの将来にいきるためにも、あえて辛口の本音でぶつかったのです。厳しいながらも、最後に大山さんは塾生たちに頑張れ!とエールを送りました。

大山健太郎さん のまとめ

アイリスは常にユーザーインっていうことを言っているわけですけど、今回の塾生さんは、自分のデザインであったり物づくりの知識を、なんとか商品化しようという、どっちかいうとプロダクトアウト的な形で進んできたわけですね。そうではなくて、本当に自分のおばあちゃんや、おじいちゃんが、1人暮らしの環境の中で、どうしたらいいのかを考えると、もう少し違った家電になったのかなと思います。現場に行って、何が欲しいか、何が求められているかはわかったんだから、もっともっとディスカッションをしていたら、もう少し掘り下げ方が変わったのかなと思います。今回ちょっと辛口の話をしたけれども、言われてみると「なるほど」って納得できるはず。君たちの将来に、いきてくるのではないかと期待しています。頑張っていただきたいなと思いますね。

ゴールデンルール

「“ユーザーイン”の目線と本音の議論。
そこに人を喜ばせる出発点がある。」

ナレーション 多部未華子のつぶやき

塾生たちは、2チームとも苦戦していましたね。どんな家電が一人暮らしの高齢者に必要なのか、わたしも思いつきませんし、大山さんが言っていた「生活者目線」というのは、難しい課題ですよね。特に、若い塾生がおじいちゃん、おばあちゃんの目線に立つのは、大変だったと思います。わたしも、母がスマホを使いこなせていないのを見ると、なんでできないんだろう?と、不思議に思いますから。アイリスオーヤマの家電は、どれもアイデア商品ですね。特に、置き型ドライヤーはわたしも使ってみたいです! 家電といえば、わたしもちょうど3か月前に冷蔵庫を買いかえました!冷凍した食材が、解凍せずに包丁で切れるのが気に入って買いました。わたしが注目しているのは、「女性目線で作られているかどうか」です。これも1つのユーザーインかもしれません。

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【富澤】「いや、大山さん、厳しかったねえ。」
【伊達】「新商品を考え出すっていうのは、そう甘くはないですよ。でも、塾生は、これをきっかけに、被災地の色々な課題を、ユーザーインの目線で見てほしいよね。」
【富澤】「まさに、ユーザーイン!(ズームインのポーズで)」
【伊達】「なにやっているんですか、どうしました?」

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