放送内容

假屋崎省吾プレゼンツ

2018年8月4日(土)

東北へ8年目の花束を

今回の未来塾は、華道家の假屋崎省吾さんを講師に迎え、宮城県農業高校の生徒7名が「いけばな」に挑戦!彼らが高校がある地元・宮城県名取市の特産品であるカーネーションを使って、「被災者の人の背中を押すいけばな作り」に挑戦します。農業高校で学んでいるとはいえ、これまで「いけばな」にはほぼ無縁だった塾生たち。一から假屋崎さんの教えを受けますが、悪戦苦闘。どうしたら自分たちの思いを表現できるのか。試行錯誤を繰り返しながらもなんとか作り上げ、市民100人の前での発表に臨みます!

講師

講師

假屋崎省吾さん

華道家

プロフィール

假屋崎さんがまず最初に塾生たちを呼び出したのは、埼玉県にある「東松山ぼたん園」。假屋崎さんには、この場所で自らが行う「いけばなデモンストレーション」を塾生たちに見せることで、「花は心のビタミン」という信条を感じてもらおうという意図がありました。イベント終了後、假屋崎さんは東日本大震災の時に被災地に菊を送ったというエピソードを語ってくれました。そして最後に假屋崎さんから今回の課題が出されました。それは「被災地した人々の背中を押すいけばなを作れ!」というもの。100人の観客の前で行うイベントでの発表に向け、いよいよ動き出します。

名取市に戻った塾生たちは、假屋崎さんと一緒に「いけばな」の素材を探し始めました。まず訪れたのは、カーネーション農家・菅井さんのハウス。菅井さんは、東日本大震災の津波によって流されたカーネーションが、その後、泥の中で花を咲かせた姿を見て、励まされたというエピソードを語りました。話を聞いたあとは、「いけばな」未経験者の塾生たちのために、假屋崎さんが体験教室を開催!既成概念にとらわれないで自由に発想する「カーリー流いけばなの極意」を伝授しました。

素材が揃った塾生たちは3チームに分かれてさっそくアイデアを出し始めました。しかしここで「自由」であるということが逆に塾生たちを悩ませます。アイデアがまとまらない塾生たちのために、再び假屋崎さんがやってきました。假屋崎さんは花を一輪も使わず「土をいける」ことに挑戦した自分の作品『泥舟』を紹介することで、彼らの悩みを解決できないかと考えました。假屋崎さんは『泥舟』を亡き父のために制作しました。そこで塾生たちにも「誰の背中を押すのかを考えて」と伝えました。

「誰の背中を押すのかを考えて」と言われた塾生たち。西大條さん・宗形さん・川井さんのチームは、「名取の漁業を再び盛り上げようと頑張る漁師さんの背中を押したい」と考えました。そこで訪れたのは閖上(ゆりあげ)漁港。ベテラン漁師の小齋さんにお話を聞きました。小齋さんは、大漁旗をなびかせた漁船の船団が名物の夏祭りの話をしてくれました。その祭りを震災前のように毎年港で行えるようになったら良いという希望を語ってくれました。本物の大漁旗もお借りして、作品づくりのヒントを得たようです。

いよいよイベント当日。塾生たちの作品発表の日です。しかし、イベントまでにはもう一つやらなければならないことがあります。それは假屋崎さんが作る「被災地の人たちの背中を押す作品」作り。塾生たちも手伝って、本番までの短時間で仕上げようというのです。假屋崎さんの創作スイッチが入りました。それまでの穏やかな雰囲気が一変。容赦なく指示を出します。そう、假屋崎さんは一度創作に入ると豹変するのです。この豹変ぶりに塾生たちはタジタジ。果たしてどうなるのでしょうか。

イベントが始まりました。会場はお客さんで一杯。塾生たち、緊張感が高まります。最初に発表するのは漁港を訪れた3人のチーム。漁師の小齋さんさんから聞いた夏祭りのお話を基に、「大漁旗を掲げた漁船の船団」、「縄でかたどった宮城の梅・名取の松と竹を使って表した松竹梅」、「松に支えられている名取の人々を表すカーネーション」を一つの作品の中に表現しました。会場の反応も上々で、假屋崎さんからも「色彩感覚バツグンだわ」との高評価をもらいました。

続いては板橋さんと相原さんのチーム。このチームは閖上で語り部として1万人以上に語ってきた「閖上の記憶」の小齋さんに話を聞きに行きました。「綿々と積み重ねてきたものが津波で流されるとがれきになる。」という話を聞いた2人。学校の廃材置き場に捨てられていた椅子と机、バケツを使って作品を作りました。「震災の記憶の風化を防ぐ手助けがしたい」と考えました。假屋崎さんからも高評価で、会場にきてくれていた小齋さんにも「涙が出そう」と喜んでもらえました。

最後は加藤さんと齋藤さんのチームの作品。3本の竹と切り株を土台に使った3mを越す大作。「震災で大切な人を亡くした人を少しでも元気に」という思いで作りました。それは加藤さん自身が震災で友人を亡くした経験からきています。そうした記憶を作品にどう反映させるか。出した答えは、大切な人を亡くした方にも元気で前に進んでほしい」というもの。前に進んでいけるようにという思いを、上に向かって高く伸びる竹で表しました。假屋崎さんからも「天まで届くような勢いのある作品」と評価されました。

塾生たちの作品発表が無事終わりました。しかしまだ残っているものがあります。そう、朝から準備していた假屋崎さんの作品。まずお客さんの前に現れたのは大量の竹と切り株を組み合わせた巨大な土台。そこにクロマツと花をいけていきます。そして最後は会場のお客さん全員にカーネーションをいけてもらいました。假屋崎さんと塾生たち、そしてお客さん。会場にいる全員の思いを一つにして出来上がった作品。お客さんにも喜んでもらえました。

假屋崎省吾さんのまとめ

誰の背中を押すかを考えてみると、作品を作る上で、また何か違ったものが生み出せるかもしれないと思うんです。「いけばな」はなんでも素材にできる。なんでもいけられるんです。やっぱり固定概念にとらわれちゃだめ。どんどんと挑戦していくっていうことがすごく大事なこと。「いけばな」に限らず、生きていくっていうことはそういうことだと思います。

ゴールデンルール

「誰に向けて表現するのか?
その問いが新たな挑戦を生む」

ナレーション 吉本実憂のつぶやき

塾生たちのいけばな作品、きれいでしたね。
いつも塾生たちに寄り添う気持ちでナレーションしようと思っているのですが、イベント本番で作品について語る塾生たちの言葉一つ一つにお客さんが反応してくれているのがすごく嬉しかったです。
假屋崎さんの言葉では「自由」が印象的でした。塾生たちは「自由が難しい」って言っていましたけど、そう感じられるのは「完成させよう」っていう目標があるからだと思うので、すてきだなって思いました。私も自由は大好きです!塾生たちみたいに悩むんですけど、良い結果につながることが多いです。以前、いけばなをやる機会があったのですが、その時は結構決まりが多くて大変でした。(笑)
もし自分が誰かのために花をいけるとしたら、姉のためにいけたいです。仲が良くて、どんな話もできるんです。でも、感謝を伝えるのはてれくさいので、花で表現したいですね。

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【富澤】「塾生たちの作品、なんか3つとも個性あふれる作品になったね」
【伊達】「すごく良い作品だったよね、「この人の背中を押したい!」っていうそういう思いが、作品にあふれていました。素晴らしかったですね。」
【富澤】「なんか俺も久しぶりに「いけばな」がしたくなってきたな~」
【伊達】「やったことねえだろ!何言ってんだお前。」
【富澤】「いけばなでね、いつも苦労をかけているお前の背中を押したいんだよ~」
【伊達】「あっそう?じゃあやってよ。」
【富澤】「・・・」

これまでの放送へ