放送内容

林家たい平の熱血高座

2018年7月1日(日)

噺(はなし)で人を動かせ!

今回の未来塾は、落語家の林家たい平さんが講師に登場!伝えるチカラを磨きたい塾生4人に、たい平さんが出した課題は「被災地に行きたくなる噺をつくれ」。被災地初体験の4人は、クジで引いた街を1泊2日でアポなし訪問!知らない人との出会いをもとに、“その街に行ってみたくなる噺”をつくらなければなりません。さらに、つくった噺は、東京のお客さんの前で披露することに…。波乱万丈、たい平さんの熱血指導、始まります!

講師

講師

林家たい平さん

落語家

プロフィール

たい平さんは、宮城県石巻市で震災後から毎年開催している落語会の日に塾生4人を呼びだしました。初めての被災地に対して、「来てみたら普通に家もあるし、お店もあって人もいて」「復興の最中という姿はあまり見えてこない」という感想を持った塾生たちを、たい平さんは、沿岸部が見渡せる公園に連れて行きました。そこからは、復興道半ばの現状がうかがえます。震災の風化を危惧するたい平さんは、塾生たちに「被災地に行きたくなる噺をつくれ!」という難しい課題を出したのです。

最初に被災地にやってきた塾生は、前田瑞貴さん。舞台は、福島県南相馬市です。「地元の人と触れ合いたい!」と、意気込んで来たのですが、シャイな性格が災いし、いい出会いには恵まれず・・・。到着から5時間が経過してしまいました。そこで!窮地に追い込まれた前田さんは、たい平さんに電話をし、「自分の持ち球を使って人を集めてみろ」というアドバイスをもらうことができました。そして、前田さんは自分の特技である落語を披露することを決意。この日泊まる宿のご主人に協力をお願いし、14人の地元住民と交流することができました。

塾生たちは、「どんな噺にするか」たい平さんに中間報告に来ました。宮城県気仙沼市を旅した稲福咲紀さんが最後に訪れたのは、小さな入江。そこには「津波石」と呼ばれる、7年前の津波で海底から打ち上げられた岩があります。波が岩にあたる重い音が響き渡り、沖縄出身の稲福さんは、故郷の海とは異なる“被災地の海”に恐怖を感じました。たい平さんは稲福さんに、「怖いだけではない海がそこにはあり、それを伝えるためにも津波石がある。岩から受けた無言のメッセージをあなたの言葉で紡いであげよう」という言葉を贈ります。

岩手県釜石市に向かった團上祐志さんは、美術大学に通う画家の卵です。7年前に17メートルの津波が襲った根浜地区を旅した團上さんは、「芸術で街を盛り上げたい」という夢を描く旅館の女将さんに出会いました。團上さんは、同じ芸術を愛する人との出会いに縁を感じながらも、根浜のことだけを紹介するべきなのか悩んでいます。たい平さんは、「公平性なんていらない。“この人に会って欲しい”という熱い思いが人を動かすんだ!」という熱い熱いメッセージを送りました。

最後の報告は、宮城県南三陸町を旅した瀬戸花音さんです。瀬戸さんは、様々な出会いを経験しながらも、自分が伝えたい出会いを決めてこなかったため、中途半端な報告になってしまいました。これに対し、たい平さんの熱血指導さくれつ!「ドローンで俯瞰したような話になってしまった。それじゃ、あなたの強い思いは伝わらない!」発表本番まで残り3週間。塾生たちはたい平さんのアドバイスをもとに、「噺の再構成」に取りかかります。

いよいよ発表当日。東京文京区の会場には100人近くのお客さんが集まりました。トップバッターの前田さんは、津波で家族を亡くしながらも、前を向いて生きる人々の“強さ”を南相馬の魅力として語りました。稲福さんは、津波石と出会い、海に対する新しい感情に出会えたことを丁寧に話しました。そして團上さんは、女将さんとの出会いに絞って噺を作り、女将さんがどんなに魅力的な人かを、熱く伝えました。

最後に発表するのは、中間報告でたい平さんから酷評された瀬戸さんです。瀬戸さんは南三陸での旅の始め、とある神社を訪ねました。そこで出会ったのは、神主の工藤真弓さんと、工藤さんが震災の教訓を描いた絵本です。瀬戸さんは、被災地に立つことで強く心に響いたこの絵本のメッセージを伝えることにしたんです。「絵本は最後、こう終わります。何も持たずに逃げなさい。今度はみんな助かりなさい。命を懸けた伝言を、明日に伝えていくために。私たちは生きています。」瀬戸さんが言葉に乗せた“思い”に、お客さんの目には涙が…。強い思いは届いたみたいです。

合計40分におよぶ塾生たちの噺が終わりました。お客さんからは、「塾生たちが紹介してくれた街に行ってみたい」という声が次々と聞こえてきました。そして、知り合いを亡くした東北出身のお客さんからは、「被災地には怖い思いばかりだったけど、塾生たちの熱い噺を聞いて、もう一度被災地に行ってみようと思った」という嬉しい言葉を聞くことができました。思いを必死に伝えた塾生たちの発表に、涙を流すたい平さん。1か月半に渡る熱血指導は幕を閉じました。

林家たい平さんのまとめ

被災地のことを僕たちが伝えなければいけない。僕たちだけでは終わってしまうから、それを若い人たちが伝えていくことが大切だ。塾生たちが被災地に行って、体当たりでその街に溶け込んで、縁もゆかりもなかったところを好きになって、縁を結んで帰ってきた。このことを僕は、大成功、大正解って思っています。

ゴールデンルール

「冷静と情熱の間じゃダメだ!
突き抜けた思いが人を動かす」

ナレーション 多部未華子のつぶやき

今回の未来塾はいつもと雰囲気が違いますね〜。 塾生の前田さんが被災者の方から聞いてきた話がとても印象に残っています。 「人生はローソクみたいなもの。ふとした瞬間に風が吹いてふっと消えてしまうことがある。でも、火が灯っているかぎりは明るく周りを照らし続けなきゃいけない」。実際現地に行って聞いてきた話は、人を動かすチカラがあると感じました。
私は話ではなくて歌なのですが、震災1年後くらいにMISIAさんのコンサートに行って、復興応援ソング「明日へ」を聞いて、なんで私は今まで被災地に行っていなかったんだろう、すぐに行かなきゃ、と思い、翌週には南三陸町と気仙沼市に行きました。被災地へ行き、人の話を聞き、そのメッセージを伝えていくことは大事だなと改めて思いました。

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【伊達】「うーん、たい平師匠アツかったですね。すごくいい回でしたね。」
【富澤】「気持ちが入ってましたね。」
【伊達】「素晴らしかったです。塾生たちの発表は、テクニックとかそういうことじゃなくて、とにかく思いが伝わってきたってことでしょうね。」
【富澤】「まあね。我々も7年間被災地を応援し続けてますけど、とにかく現地に足を運んでほしいですね。」
【伊達】「そうなんです。来ていただきたい!東北は海の幸もうまいですし、すごい絶景もあります。それに人がとってもいいんです!」

【富澤】「それに、いま絶好調の楽天イーグルスの応援に来てもいいしね。」
【伊達】「絶好調なんでしょうかね。絶好調であってほしいけどね…。」

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