放送内容

コシノジュンコ プレゼンツ

2018年5月20日(日)

デザインが福島を救うのよ

コシノジュンコ プレゼンツ

デザインが福島を救うのよ

コシノジュンコさんが1年ぶりに講師として再登板!半世紀以上、デザイナーとして世界を股にかけ活躍するコシノさんが今、最も情熱を傾けているのが、“風評被害に悩む福島の伝統工芸の再生”です。そんなコシノさんの元に、東京藝術大学から3人の学生が集いました。福島県二本松市に1000年近くにわたって伝わる“上川崎和紙”を蘇らせるため、“売れる新商品の開発”というミッションに挑みます。最終発表は、バイヤー・雑誌編集長など商品を流通させるプロフェッショナルを呼んでの品評会。果たして、福島の光となる新商品は開発できるのでしょうか・・・。

講師

講師

コシノジュンコさん

デザイナー

プロフィール

コシノさんが、今回未来塾に参加する東京藝術大学美術学部デザイン科で学ぶ3人の塾生を呼んだのは、東京・青山にあるコシノさんのブティック。福島県二本松市に伝わる“上川崎和紙”を使ってコシノさんが商品化したものを見せます。それは白と黒の幾何学模様で彩られたランチョンマットで、和紙といえば「白」という先入観を打ち破った作品です。コシノさんは、塾生たちにこれを超える作品をつくってほしいと言うんです。

初回講義の翌日、塾生たちは福島県二本松市を訪れます。やってきたのは、国道4号線沿いの道の駅の中にある“和紙伝承館”という施設。“上川崎和紙”を生産する唯一の施設です。この地域の農家の農閑期の副業だったという紙すき、最盛期の明治時代には300軒以上あったものの、需要の低下、そして東京電力福島第一原発の事故による風評被害で、存続の危機にあります。塾生たちを出迎えてくれた店長の渡辺典子さん、職人の安齋幸市さんは「どんなものに使ってもらえるか、新たな販路が欲しい」と切実な願いを話してくれました。

東京に戻ってきた塾生たちはさっそく制作に取りかりはじめます。立体物の作品で大学でも評価が高い青柳諒さんは、和紙といえば「平面」という先入観を捨て「立体」に挑戦。大学院1年の堀田さくらさんは「防水処理」をして「皿」に「メガネケース」さらには「靴」まで作りました。映像作品を得意にしている中田みのりさんは“和紙伝承館”の渡辺さんから「和紙の種類によって音が違う」という話を聞き「紙の音」に着目します。しかし、そうは簡単にはいくはずもありません。理由は異なるものの、それぞれが壁にぶち当たります。

塾生が苦労していることを聞きつけたコシノさんは、彼らを特別にある場所へと招待しました。コシノさんのご自宅です!案内された先には、普段使っているという豪華な食器セットが並べられていました。コシノさんが福島の伝統工芸品を生まれ変わらせたというこの商品で、コシノ流おもてなし。ここで伝えたかったのは、「自分が本当に使いたいものしか作らない。」「誰かのためではなく、まずは自分のために作る。」というメッセージです。貴重なヒントを得た塾生たちは、再び商品開発に挑みます!

4月初旬。ついにお披露目会の日がやってきました。コシノさんは塾生たちのために特別審査員を用意していました。一人目は、有名セレクトショップのカリスマバイヤー佐藤美加さん。そしてもう一人は、日本で最も歴史あるファッション雑誌の編集長・児島幹規さんです。それでは、青柳さんからプレゼンスタートです。

立体に挑んでいた青柳さんは、トラとフクロウの形をしたランプシェードを商品化しました。「和紙でこんなものは見たことがない」と審査員はみな大絶賛。青柳さんは1万3000円ぐらいで販売できたらと言いましたが、審査員の面々は4万9000円という査定。コシノさんにいたっては、8万円という値をつけます。この値段設定には、作品の価値もさることながら、「和紙の職人さんたちの手元にいくら渡るのか」まで考えなければいけないというメッセージが込められています。

「紙の音」に注目していた中田みのりさんは、ヒーリングミュージックを作りました。何の音で構成されているかというと“和紙の製造過程で出る作業音”、音へのこだわりだけはは捨てませんでした。ところが、審査員の評価は厳しいものでした。「まだメッセージ性が足らない」。 「1回できちゃうと誰かが同じことができてしまう」。とはいえ、コシノさんは誰もやったことのないことに果敢に挑戦した中田さんの姿勢を高く評価しました。

「防水処理」をして「靴」などを作っていた堀田さくらさん。紆余曲折を経て、たどり着いたのは全く逆の発想です。商品化したのは「自然加湿器」。形状は皿、水を注ぐと和紙が水を吸い、その後徐々に蒸発することで、加湿効果があるといいます。「防水処理」をすることで何でも作れる一方、和紙本来の良さが損なわれてしまったのではないかと、堀田さんは悩んでいました。吸水性など和紙が本来持つ性質を全面に出すことにしたんです。審査員たちから「大衆向けのマス商品になる可能性がある」と高い評価をもらいました。

品評会を終えた1週間後、堀田さんと中田さんの2人は、再び二本松市和紙伝承館を訪れました。お世話になった店長の渡辺さんと職人の安齋さんに自分たちの作った商品の報告するためです。型にとらわれない自由な発想でそれぞれの個性を発揮した塾生たちの商品。和紙を立体的につくることや、紙の音に注目するという斬新な視点に伝承館の2人も驚きつつも喜んでくれたようです。最後は笑顔で握手。苦労して作った甲斐あって、いい報告ができました。

コシノジュンコさんのまとめ

いつも世界観っていうのは絶対持った方がいい。ニューヨークに出したらどうなるかなとか、パリのギャラリーだったらどうなるかなとか、どこどこはどうなるかなということをいつも頭において、ぜひこれを発展させてほしい。もっともっと発展する要素がたくさんあるから。それを発展させて、あなたたちの将来の生き方に大きく反映していけるように、自信持ってやったらいいと思うんですよ。今回で終わりというよりも、「ここから始まったの」、っていう始まりにね、ぜひしてください。

ゴールデンルール

「世界を意識して創作すること!
もっともっと発展する要素があるわよ」

ナレーション 多部未華子のつぶやき

わたしだったら、和紙で何を作るだろう?と、ずっと考えていたんですけど・・・全然思いつかなくて。塾生の東京藝大生の発想力って、やっぱりすごいな~と感心しちゃいました。 特に驚いたのは、音楽にしてきた中田さん。和紙をクシャクシャしながら録音している姿を見たときは「どうなってしまうの!?」と思いましたが(笑)できあがった音楽は和紙伝承館のBGMにぴったり! 青柳さんのランプシェードも、迫力がありました。でも、わたしもコシノさんと同じで、ライオンに見えたかも(笑) 個人的に一番欲しいと思ったのは、堀田さんの“うるかす器”です。友だちへのギフトにとてもいいと思いました。
塾生の型破りさに引けを取らず、世界のジュンココシノさん、さすがに名言がたくさんありました。特に、わたしが印象に残ったのは、「自分抜きにしてものづくりはしない方がいい。自分は欲しくないけれど、誰かが見てくれるでしょという他人事はやめた方がいいよね。」という言葉。どんなことにも当てはまる言葉だと思います。

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【富澤】「なるほどね、俺たちのコントもニューヨークのカーネギーホールとか、パリのオペラ座でやったらどうなるかとか考えながらやらなきゃいけないわけね。」
【伊達】「まあほら、その第一歩として、我々サンドウィッチマンは昨年、初の海外公演としてロンドンでの単独ライブをやったじゃないですか。大成功したわけです。」
【富澤】「ちょっとなに言ってるか、わかんないですけどね。」
【伊達】「何でわかんないんだよ、お前。ほら一緒に、英語のコント大変だったでしょ、苦しんだでしょ、けっこう。」

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