放送内容

テクノロジーのチカラ

2017年9月3日(日)

石田名誉教授の夏期講座 ネイチャーテクノロジーも地球を救う!?

テクノロジーのチカラ

石田名誉教授の夏期講座 ネイチャーテクノロジーも地球を救う!?

今回の講師は、科学者の石田秀輝さん。自然界の植物や動物たちが持つ驚異的な能力を参考にした科学技術「ネイチャー・テクノロジー」の第一人者なんです。地球温暖化や福島第一原発事故を経た今、これからの科学技術が目指すべきは、「自然から学び、自然と共生し、完全に持続可能なテクノロジー」なのだと語る石田さん。東北で環境について学ぶ学生6人に、「2030年の地球を救うネイチャーテクノロジーを考えろ!」という課題を出します。全国各地にヒントを探しに行った学生たちが導き出した答えとは・・・?

静岡市の郊外にある「ふじのくに地球環境史ミュージアム」。石田さんは、自身が監修するこの博物館に、学生たちを呼び寄せました。しかし、集合場所は博物館の中ではなく、なぜかその裏山。「生き物の不思議を勉強するために、まずは虫を捕ってこよう」というのです。学生たちは訳のわからないまま、虫捕り開始!クモやハエなど計4匹の虫を捕まえてきました。それぞれにすごい技を持っているという石田さん。実は、学生に負けじと石田さんも生き物を捕まえていました。カタツムリです。

注目するのは殻の部分。油汚れを水だけで落としてしまう、というすごい能力を持っているんです。その秘密を探るべく、殻を顕微鏡で見てみると、表面に細かな溝がたくさん…!カタツムリは、そこに薄い水膜を張ることによって、汚れの付着を防いでいるのです。石田教授はこのカタツムリの殻の特徴を生かして、雨が降っただけで綺麗になる外壁用タイルを開発。現在多くのビルやマンションの外壁に利用されています。自然の力を賢く生かす。これが「ネイチャーテクノロジー」なのです。

ここで石田教授から、学生たちに、課題がだされました。「2030年の地球を救うネイチャーテクノロジーを考えろ!」。2030年は、地下資源の不足や気温上昇など、様々な環境問題が深刻化するという予測が出ているんです。そんな環境問題のどれか1つに焦点を当て、その問題を解決するネイチャーテクノロジーを考えろ、という難しい課題です。学生たちは、早速2チームに分かれて、課題に取り組みます。

課題を出してから1週間。石田教授は中間報告会を開きました。応援団長のサンドウィッチマンも審査員として加わり、学生のプレゼンを判定します。学生たちが注目したのは、使用電力を減らす、というポイント。家の壁や照明を、ネイチャーテクノロジーを使ったものに置き換えることで、消費電力を減らすというアイデアです。ところが、石田さんからは「ネイチャーテクノロジーに議論が集中してしまっていて、その中で人がどんな暮らしをしているのか、というライフスタイルを思い描けていない。」という厳しい指摘が。テクノロジーは、人を豊かにするものでなければいけない、と学生たちに語りかけます。

この信念を学生に実感させるために、石田教授はある場所へ連れていきました。最先端のテクノロジーが、人を豊かにするのとは対極の結果を招いた現場、東京電力福島第一原子力発電所です。
一同は体が露出しないように着替えてから、専用のバスに乗り込み、原子炉建屋の近くへ。「廃炉のために、7000人近くの人が働いているが、ここは何も生み出していない。テクノロジーとは何か、改めて考える大きな転換点だった」と言う石田さん。人を豊かにするはずだったテクノロジーの後始末に、膨大なエネルギーが費やされているという現状があります。

2週間後、最終発表の日がやってきました。特別審査委員としてネイチャーテクノロジーの研究者5人も集結。石田教授と共に、学生のプレゼンを判定します。まず発表するのは「夜の時間の電力削減案」を考えて来たチームひかり。蛍が発光するメカニズムを応用した照明を用います。暗くて本も読めない、と指摘されますが、「そんな暗い中でも、ほのかな明かりをみんなでシェアすることで、逆に楽しむ」というライフスタイルを提案しました。

チーム「グリーンピース」の3人は、気温が上昇する2030年でも快適な「未来の家」を考えました。それは、かやぶき屋根の家に暮らす、というライフスタイルです。通気性があり、エアコン要らずな反面、冬はものすごく寒い、という“かやぶき”のデメリットを逆手に取り、暖めた1部屋に、家族みんなが集まることで、寒さゆえの温もりが生まれるのではないかという提案をします。さらに、防火上の理由で住宅地には新しく立てられないという問題点を、茅をセルロースナノファイバーという植物由来の新素材に変える、というアイデアで解決します。

どちらのチームも、エネルギーを使わなくても楽しい、という制約の中に豊かさを見出した点が、審査員から高評価を得ました。そして石田さんは、2チームの共通点として、自然をベースに考えた結果、自然とコミュニティーが生まれている点を指摘。これからは、個人個人がどうやって、楽しみながらも自然に近づいていくかを考えていくべきだと語ります。真新しい革新的なものではなく、身近なところにテクノロジーのヒントがあるかもしれない、という新しい発想を得た学生たちでした。

石田秀輝さんのまとめ

自然っていうのをベースにしたらコミュニティができてませんか。人とのつながりっていうのが。だから、皆さん、これから考えなきゃいけないのは、個をどうやって自然に近づけていくのか、それも楽しく。そうするとコミュニティも当たり前のように生まれざるを得ないんですよ。それが皆さんの言葉で何て言うんだった?癒やしだとか、あるいは家族が集うだとか、そういうふうな表現になってるけど、まさにそれはコミュニティでしょう。今回習ったことを反芻して、そして、それを実際に背負って社会に出てほしいと思います。

ゴールデンルール

「自然と繋がったテクノロジーは新たなコミュニティを生む!」

ナレーション 多部未華子のつぶやき

“カタツムリ”の殻、“カワセミ”の口ばし、“オナモミ”の実から生まれたテクノロジーがわたしたちの生活を豊かなものにしてくれていたとは、知りませんでした。動物や植物、自然の力はすごいですね。
塾生たちが考えた“2030年のライフスタイル”を実際にやってみるのはまだまだ難しいと思いますが、現在のエコ生活を考えてみると・・・わたしは夏のエアコンがなくても大丈夫です!体感温度が低いのか?暑さをあまり感じないみたいです。家では犬のためにエアコンを付けていますが、設定温度は30度。周りの人からは「暑い~!」と言われています(苦笑)消費電力、削減できていますよね!「ネイチャーテクノロジー」で暑さを感じない肌にする“クリーム”なんてどうでしょうか?塾生の皆さん!

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【富澤】俺らも売れる前みたいに、同じアパートに住んで、しっかりとつながった方がいいんじゃないのかな~!
【伊達】気持ち悪いわ、そんなの無理でしょ、こうお互いに家族もあるんだしね
【富澤】昔みたいにおれが散らかすだけ散らかすから、お前がお姉さんみたいにきれいに片づけるというのがエコなんじゃない。
【伊達】それがエコですかね
【富澤】だからお姉さんだけに「ネーチャンテクノロジー」。ねずっちです!!!
【伊達】やかましいわ!お前、何言ってるんだよ最後に

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