放送内容

“風評”に立ち向かうチカラ

2017年7月2日(日)

Welcome to Fukushima ! 星野流 観光再生への道

“風評”に立ち向かうチカラ

Welcome to Fukushima ! 星野流 観光再生への道

今回の講師は、観光のカリスマ・星野佳路さん。経営難に陥ったリゾートやホテルの再生で、手腕を発揮してきました。集まったのは 「福島県に外国人観光客を呼びたい!」と考える4人の塾生たち。星野さんはまず、外国人が持つ福島県のイメージを調査させますが、「原発が危険」「行くのが怖い」という声ばかり。7年目の今も残る“風評被害”に打ちのめされる塾生に、「悪いイメージを吹き飛ばし外国人観光客を呼ぶアイデアを考えなさい」と課題を出します。果たして、塾生たちが出した答えとは…?

講師

講師

星野佳路さん

星野リゾート代表

プロフィール

震災直後から福島に外国人観光客を呼び込もうと全身全霊をかけて取り組んできた星野さん。
斬新なアイデアを期待し、東北から観光に関心のある若者を4人集めました。最初の集合場所は成田空港。塾生たちに、星野さんからビデオメッセージが届きます。「外国人が福島にどんなイメージを持っているのか調査せよ」と命じられ、行動開始!…しかし、結果は予想をこえるネガティブさ。まずは、この風評被害の現実を実感させることが、星野さんの狙いでした。

一週間後、4人が招集されたのは、福島・磐梯山、星野さんが運営するスキーリゾートです。福島の印象がなぜ外国の人たちに悪いのかを考えます。星野さんは手を尽くして魅力化をはかってきましたが、海外からの集客では思うような結果が出せていません。星野さんは塾生に、英語のサイトで「Fukushima」と検索させます。すると、原発事故の記事ばかりが出てきます。海外では、Fukushima=原発事故の代名詞になっている、と言うのです。深刻な風評被害をどう克服するか、星野さんは4人に課題を出します。「風評を吹き飛ばし、福島に外国人を呼び込む企画を考えよ!」

企画のヒントを探すため、福島の観光地でリサーチ開始です。「福島を訪れている外国人観光客は何に魅力を感じているのか?」福島の一大観光名所・大内宿と鶴ヶ城で聞き込みすることにしました。しかし、外国人が見つからず、話を聞けた外国人観光客は数時間探してそれぞれ2、3組だけ。企画のヒントを探すつもりでしたが、人気のなさを再確認しただけという結果に…。風評被害の深刻さが骨身に染みます。塾生たちのこの苦戦ぶりを聞いた星野さん、ある強力な助っ人を差し向けました。

苦戦する塾生たちのもとに、我らが応援団長・サンドウィッチマンが登場!まず最初に案内したのは、福島市にある観光果樹園。外国人観光客が戻ってきているということで、その理由を教えてもらうんです。運悪くシーズンオフで果物狩りはできませんが、経営者の佐藤さん夫婦は素敵な笑顔とサービス精神で、塾生たちをもてなしてくれます。お2人のこの人柄こそが、外国人のファンを増やしている秘訣。“人と人がしっかりとつながれば、風評を吹き飛ばすことができる”ということを、学ばせていただきました。

福島の農家がみんな前向きになれているわけではありません。サンドさんが次に案内したのは、須賀川市の農家・樽川和也さん。父・久志さんは、東京電力福島第一原発事故の影響で出荷停止命令が出された翌日、亡くなりました。樽川さんは土地を受け継ぎ、母・美津代さんと農業を続けています。農作物から放射線は検出されていませんが、出荷価格は今も震災前より安いまま。「どうしても前向きになれない」「福島の農産物を買わないという人の気持ちは分かる」。樽川さん親子のやりきれない思いを聞いた塾生たち、風評を吹き飛ばす企画を福島県の人々のためにもつくろう、と決意します。

企画に取り組むこと、1カ月。いよいよ発表本番です。プレゼンを評価するのは、観光の専門家や外国人ジャーナリスト、地元福島で観光に携わる人など、星野さんを含め10人のスペシャリスト。評価ポイントは「企画の魅力」「風評を吹き飛ばす効果」の2つ。女子チームが提案したのは、オープンバスで福島をめぐるツアー。バスの中で福島県産の新鮮な食材を味わい、農家に行って地元の人と交流します。企画の魅力は評価されましたが、風評を吹き飛ばす効果については、「福島に行く“目的”にならない」「安全性が伝わりづらい」と厳しいコメントが続出しました。

男子チームは「福島のネガティブイメージを逆手に取った被災地見学ツアー」を提案します。参加者は線量計を身に着けて福島第一原発、双葉町などを巡ります。自分の目で数値を確認し、放射線の低さを実感させることで安全性をアピールする狙いです。旅館経営者の平田さんや観光農家の佐藤さんは「まだ早すぎる」「リスクが高い」と評価は低め。外国人向け観光のスペシャリストらは「福島にしかやれないこと」「現実を知ってもらえる」としました。星野さんは「知名度を逆手にとった策でおもしろい」と企画の魅力に高評価を出します。

しかし、風評を吹き飛ばす効果については「Not enough」=不十分だとして、風評被害を一気に吹き飛ばす強烈なアイデアをぶつけます。「福島っていう県の名前の変更を提案したい。福島という名前は全世界の中では原発事故の代名詞。おいしい米や果物を作っても、この県で作ると価格が落とされる。危険だと思われている。福島という名前がついているからなんです。」これに対し、地元の人は大反対、観光の専門家からは「一定の効果がある」などの意見が出ます。星野さんの目的は、こうした活発な議論をすることでした。1カ月、福島のために頑張ってきた若者4人に、星野さんは最後にメッセージを送りました。

星野佳路さんのまとめ

重要なことっていうのは全てにおいて賛成、反対がある。賛成、反対があるからといって、自分が本当に信じてることを、表明しない、主張しない、発信しないっていうのは、それはそれで僕は無責任だと思ってるんですね。あの時、何であれを思い付かなかったんだろう、なんで議論しなかったんだろうっていう後悔が一番良くない後悔なんですよ。なので、本当に自分が信じてることを見つけるっていうのはすごく大事だし、一旦見つけたら、こだわって、諦めないで、アプローチしていってほしいなって思っています。

ゴールデンルール

「信念を主張しないのは無責任!意見の衝突を恐れるな!」

ナレーション 多部未華子のつぶやき

福島にはNHKの『すみれの花咲く頃』というドラマの撮影で1ヶ月ほど滞在したことがあります。でも当時はまだ十代だったので、どこかに遊びに行くということはありませんでした(残念)。
塾生のひとりが「福島にはキラーコンテンツが必要だ」と言っていました。確かに、海外からの観光客は確たる目的を持って来ている人が多いと思います。わたしもお芝居を見るために海外旅行に行くことがあります。見たいもの、食べたいもの、体験したいものなど、旅行の目的は様々ありますが、世界中の人が福島に行ってみようと思ってくれるような、“目的”になる「キラーコンテンツ」が見つかるといいなと思いました。

番組応援団長 サンドウィッチマン 今回の一言

【伊達】「福島をなんとかしたい」という星野さんのパッションが、塾生のみんなにも しっかり伝わったんじゃないでしょうかね。
【富澤】パッションって、ツボからダメダメな魔法使いが出てくるやつでしょ。
【伊達】いや、それはハクションだよ。飛び出てくるのはハクション大魔王ですからね。 急にボケて、お前。
【富澤】呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!
【伊達】……。

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