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東北発☆未来塾スペシャル

2016年12月4日(日)

東北発☆未来塾スペシャル「(おも)いを(のこ)すチカラ」

(おも)いを(のこ)すチカラ」

今回の東北発☆未来塾は、スペシャル版!テーマは、“想いを遺すチカラ”。写真で何かを伝えたいと、4人の塾生が参加しました。講師は、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんです。安田さんは、大学生のときから継続的に、カンボジアを中心として、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害などを取材。東日本大震災以降は、岩手県陸前高田市を中心に、被災地の記録も行っています。安田さんが被災地で撮影した“1枚の写真”は、全国から大きな反響が寄せられましたが、安田さんは深い悩みを抱えることになりました。悩みの中から見出した“想いを遺すチカラ”、ご覧ください。

安田さんは塾生たちに、「希望の松」と名付けられた写真を見せて、フォトジャーナリストとして抱えていた悩みを話します。松が7万本あったことを見ていない人たちにとっては、大津波を耐え抜いた1本が希望の象徴に見えても、被災者にとっては大災害の象徴。誰の立場でシャッターを切って、何を伝えようとしていたのか。迷いを晴らしてくれたのは、安田さんが震災発生から3か月後に出会った、全国に避難所運営の教訓を伝えている佐藤一男さんです。安田さんは佐藤さんから、「プロなら震災直後の写真を撮り続けてほしかった。当時の記録がないから、大変さを伝えづらい」と言われたのです。そこで安田さんの迷いが晴れました。未来に手紙をつづるように、写真を遺すことができるんだと。

安田さんは、塾生たちに課題を出しました。「陸前高田の人を取材して、その人の想いを表現した写真を撮影せよ!」。発表の場は、公開復興サポート in 陸前高田。まずはお手本を見せるため、塾生たちを取材に同行させます。安田さんが大切にしていることは、取材する地域の風習や言葉などを学び、“時間を共有する”という考え方。取材中もシャッターを切ることより、コミュニケーションを大切にしています。取材の姿勢を学んだ塾生たちは、いよいよ自分たちの現場へ出発です。

公開復興サポートin陸前高田。会場には、県外からもたくさんの人たちが訪れました。本番直前まで、いろんなことを考え練った塾生たち。いよいよ発表です。トップバッターの緑川沙智さんは、プロの語り部、釘子明さんを取材。死ぬまで大震災の教訓を語り続け、防災の種まきをしていきたいという釘子さんの想いを発表しました。続いては、三浦卯月さん。津波で流された写真や物品の返却活動を取材しました。大切な写真を再び見ることができて、喜んでいる人たちがいるということを発表。

陸前高田市出身の齊藤春貴さんは、地元の友人・西條翔汰さんを取材。西條さんは、町から出ていく人が多いなか、地元に愛着があって戻ってきた一人です。新しい町を作る主役は、西條さんや斎藤さんの若い世代。復興して、誇りに思える町にしたいという想いを発表しました。最後は、冨田美月さん。大津波発生時、店を営業していたビルの煙突にのぼり、助かった米沢祐一さんを取材しました。米沢さんは、ビルを訪れる人に自身の経験を話し、大津波の恐ろしさを伝えています。また、5歳になる娘のためにも、これからの町を良くしていかなければならない。という、米沢さんの想いを発表しました。

安田菜津紀さんのまとめ

「やっぱり写真を撮らせていただく形で、まずコミュニケーションがあって、それをまた伝えるっていう形があって、またそこから何か言葉が返ってきて、新しい気付きをもらって、また取材に行くっていう、そのコミュニケーションの繰り返しで、それを生み出すっていうことこそやっぱりこう、写真の目的なんだなっていう。だからその循環は絶やしたくないな、絶やすべきじゃないな、これからもつなげていきたいっていうことを、それぞれ持ち帰って、またこの街にそれぞれまた、一緒にかもしれないんですけど、戻ってくることができればっていうふうに思っています。」

ゴールデンルール

「対話して写真を撮って また対話する その循環が強い絆を生む」

安田菜津紀さん(29歳) フォトジャーナリスト

1987年神奈川県生まれ。フォトジャーナリスト。大学生の頃から継続的に、カンボジアを中心として、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材。東日本大震災以降は、岩手県陸前高田市を中心に、被災地の記録も行っている。2012年には、「HIVと共に生まれる -ウガンダのエイズ孤児たち-」で名取洋之助写真賞を最年少受賞した。写真絵本『それでも、海へ 陸前高田に生きる』、著書『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』を執筆。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

誰かの想いを、別の誰かに伝える。人に何かを伝えることの難しさをあらためて感じました。写真だったり、文章だったり、演技だったりと伝え方は人それぞれいっぱいあると思うけど、わたしも、映画やドラマの仕事はもちろん、この番組のナレーションでも、どう読んだら出演してくれた人や取材したスタッフ、みんなの想いを、番組を観てくれる人に繋げていけるのかなといつも悩み考えています。いっぱい悩んで考えて、伝える表現方法を生み出していくことができればいいなと思いました。信念を持って伝えていけばいいんだ、誰かの心に響いているんだと。
サイハルさんのお友達が言っていたように、「苦労していくことが、先の未来に繋がっている」昔はあまりそう思わなかったけど、ほんと今はわたしもすごくそう思います。若者よ、いっぱい悩んでいっぱい苦労しろ!ですね!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】塾生たちの写真、みんないい写真ばっかりだったね、
【伊達】ねえ、良かったですよね、それぞれの塾生が相手にしっかりこう向き合って写真を撮ったから良かったんでしょうね
【富澤】まあそれにしてもこの写真はどう向き合えばこんなバカっぽく撮れるんだろうね
【伊達】撮ったのはプロのカメラマンだからね、お前
【富澤】顔がね~
【伊達】お前も同じ日に撮ってもらったろ!卒業アルバム
【富澤】さて、今回は未来塾スペシャルでしたが、東北発未来塾は、毎週月曜日夜11時からEテレで放送しています。

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