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歴史を生かすチカラ 第1週

2016年9月5日(月)

歴史を生かすチカラ
第1週:「古文書ハンターの防災教室 城はすべてを知っている!」

「古文書ハンターの防災教室 城はすべてを知っている!」

今月の未来塾は「歴史を生かすチカラ」!講師は、古文書ハンターこと、歴史学者の磯田道史さん。全国で集めた古文書を読み解き、先人たちの知恵を防災に生かそうと発信してきた、今最も注目される歴史学者なんです!そんな磯田さんのもとに集まった塾生は、津波工学を学ぶ理系男子2人と、古文書や民俗学を学ぶ歴女2人。まずは、震度7の地震から5か月たった熊本城を舞台に、災害の歴史を現代の防災・減害に生かす力を学びます!!

磯田さんが塾生4人を連れてやって来たのは熊本城。目に飛び込んできたのは、崩れた石垣やその上にあった建物の残骸。現在、天守閣も崩れる危険があるため、修復の担当者が立ち入れない状況です。今年4月の地震は「まさか熊本に大地震が」と多くの人が驚きました。しかし磯田さんは、城の石垣一つからでも過去の地震の記憶を読み取れると言います。よく見ると熊本城の石垣には、明治時代の地震で崩れた傷あとが今もくっきりと残っていました。

磯田さんと塾生は、立ち入り禁止の天守閣に最も近づける場所へ移動。そこには、地震に備える先人の知恵が見えると磯田さんは話します。実は、熊本城の元藩主・細川家は、度々くる地震を恐れて、石垣を崩れにくく補強をしていたのです。磯田さんいわく、「補強が必要になる災害の歴史があった。城はメッセージをわれわれに放っていた」。塾生たちにも、熊本城を度々襲う大地震の姿が見えました。では、当時の人々はどんな気持ちで生活していたのでしょうか。

それを知ることができるのが、磯田さんのおはこ“古文書”です。江戸時代前期の熊本の歴史が分野別に記録されている「部分御旧記(ぶわけごきゅうき)」。災害編には、地震だけでなく火事や水害が記されてありました。古文書を見るのは初めてという、津波工学を学ぶ塾生の牧野嶋文泰さんは、「昔の人も今の自分たちと同じように災害について考えていたことが分かった」と感動しました。自分とは無関係だと思っていた理系男子にも、魅力的な資料に見えたようです。

細川家の古文書には、想定外の災いが記録されているものがあります。それが、熊本市の沿岸部を襲った大津波を描いた絵図。1792年、雲仙普賢岳が大噴火。山体が崩壊し、大量の土砂が有明海に流れ込み、大津波が押し寄せた様子が描かれています。さらに、その被害を受けた村の庄屋が被害の状況を詳しく調べ、熊本藩に提出した上申書も残っていました。古文書からは、災害の記録だけでなく、復興に取り組んだ人々の汗も見えてくるようです。

磯田道史さんのまとめ

「ミイラ化した過去の化石のように一見見えるけれども、実は古文書ほどみずみずしくわれわれの世の中に対してメッセージを放ってる物はないし、ひょっとしたら命を救うための命綱になるかもしれない。今の僕らの社会がつくってる行政だとか、災害だとか、復興だとか、そういうことにヒントを与えてくれる、本当に見事な鏡だったり、情報源なんですよね。」

ゴールデンルール

「情報源であり、鏡である古文書は 現代の命綱となる」

磯田道史さん(45歳) 歴史学者・作家

1970年岡山市生れ。国際日本文化研究せンター准教授。慶應義塾大学大学院卒業。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て現職。江戸時代を中心に多くの古文書を読み解いて現代に伝える歴史家。著書「武士の家計簿」、「無私の日本人」がベストセラーとなり映画化される。東日本大震災を契機に災害史の研究に本腰を入れ「天災から日本史を読みなおす」を発表し、話題となる。歴史学者、作家、番組MCと様々なジャンルで活躍している。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

お城から、いろいろなことが分かるんですね!石垣だけでもこんなに意味があると知って、驚きました。私は“古文書”のことをあまり良く知りませんでした。災害の記録がたくさん書いてあるのですね。「人間はすぐ災害を忘れてしまう」という、講師の磯田道史さんの言葉が胸に刺さりました。磯田さんのお話はどれも興味深かったです。感心すると同時に、テロップを読むのが大変でした(笑)。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【伊達】昔の記録からいろんなメッセージが受け取れるんですね
【富澤】おれらも昔の漫才で滑ってたところを記録しとけば、メッセージが受け取れるかな?きょうも伊達が滑った。きょうも伊達が激滑りした。きょうも伊達が駄々滑りした
【伊達】なんで俺ばっかり滑ってんだよ。

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