放送内容

これまでの放送へ

防災の日スペシャル

2016年9月4日(日)

防災の日スペシャル「生き延びるチカラ@熊本」

「生き延びるチカラ@熊本」

防災の日スペシャルの塾生は、東日本大震災の経験から、防災のプロを志す宮城県の高校生4人。講師の防災・危機管理ジャーナリスト、渡辺実さんから、熊本県を舞台に“生き延びるチカラ”を学びます。渡辺さんは、まず塾生たちに、災害発生後、被災者をどう支援していくのか、その流れを伝えました。①避難所の管理・運営→②救援物資の供給→③建物の応急危険度判定→④家屋の被害認定をし、り災証明書を発行→⑤仮設住宅の建設、入居→⑥復興計画の策定→⑦復興事業に着手→⑧新たな住宅への入居、という流れです。今回の熊本では、災害発生後の初期対応である“避難所”と“救援物資”に注目しました。過去の震災では、見られなかった変化があったからです。

まず熊本地震の被害を見せるため、講師の渡辺さんは塾生たちを益城町に連れてきました。最も深刻な被害が出た地区です。1階部分が潰れている家屋が多く見てとれます。これは、熊本に多い台風対策のために、屋根を重くしていることが裏目に出た結果だと、渡辺さんは分析しています。防災という分野は実験ができず、被災地でしか教訓を学ぶことができません。防災のプロを志す塾生たちに、被災地を訪れることの大切さを伝えたかったのです。

今回も避難所は物資不足になりました。さらに、必要な物資は変化していきます。そのなかで、救援物資を迅速に配ることができた民間団体があります。生協・グリーンコープです。グリーンコープは、利用者から電話やメールで注文を受け、商品を宅配するというシステム。このシステムで被災した利用者から各地の情報が集まり、迅速に必要な救援物資を送ることができたのです。塾生たちは、有事の際だからこそ、情報が大切だということを学びました。

ある避難所では、1家族ごとの区画を低いパーテーションで仕切っています。お互いが気配りしやすいようにするためです。別の避難所では、高いパーテーションでプライバシーを守っています。また今回、移動式の住宅・トレーラーハウスが活用されました。「避難所で、非人間的な環境で過ごすことが、日本の当たり前になっている」と渡辺さん。被災者が選択できるように対応するという価値観を持つことがとても重要だと、塾生たちに伝えました。

最後に、避難所の運営について考えます。益城町のお隣、西原村の避難所・河原小学校では、運営を役場ではなく、避難してきた住民たち自身が行いました。各自が持っている得意分野を生かすことで、スムーズな運営が可能となり、クレームが出るどころか“明るい避難所”と呼ばれるようになったのです。渡辺さんは「未曽有の災害に立ち向かうためには、住民の防災意識を高め、1人ひとりが持つ能力を最大限発揮するしかない」ということを伝えたかったのです。

渡辺実さんのまとめ

「この避難所運営は、かなり理想に近い運営方法。それは、自立。行政に頼らない、積極的に自分たちで自活自立をしていく。同じことを都市部でやれといっても、不可能なことかもしれない。でも、それを目指すんだよ。自分とこじゃできないよ、って思っちゃだめ。目指すのはこれだよ。いつか自分の町や都市に地震があるんだというふうに思えるかどうか。だから次の災害、君たちが体験をしたときに、まず“避難所運営は河原だ”って思い出せるようにしてやってみよう。」

ゴールデンルール

『「そんなのムリ」と言わず、自活自立する避難所の理想を目指せ!』

渡辺実さん(65歳) 防災・危機管理ジャーナリスト

防災・危機管理ジャーナリスト、株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。防災・危機管理の仕事に、40年近く携わる。世界中の災害現場に足を運び、報道活動をはじめ復興や防災の啓蒙活動に力を注いでいる。現場体験をベースに災害報道や防災対策は、国民サイドに立って提言。東日本大震災以後は定期的に被災地へ伺い、取材と共に被災自治体の支援を続けている。

ナレーション吉本実憂のつぶやき

特別編では、避難所のあり方について考えました。私も避難所の体験がないので、講師の渡辺さんの「機会がないと決めつけるな」という言葉が心に響きました。“したいかどうか”という気持ちが大切なんですね。そして、避難所は“運営”が大事だと知りました。河原小学校の避難所の取り組みはすばらしいと思いました。自分に出来る役割は何だろう、と考えたら…私は工作が得意なので、イスとか作ります!

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】塾生たちには、立派な防災のリーダーになってほしいね。高1なのに本当にちゃんとしてるねぇ。
【伊達】お前なんて、そり込みと女の子のことしか考えてなかったでしょ。
【富澤】いやいや、しっかり伊達みきおとの将来のことも考えてたよ♥
【伊達】この未来塾から羽ばたけ、塾生たち!

※NHKのサイトを離れます