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歩みだすチカラ 第1週

2016年4月4日(月)

歩みだすチカラ
第1週「Dr.大川のハツラツ診療所 動かないと人は病むのよ」

「Dr.大川のハツラツ診療所 動かないと人は病むのよ」

今月の講師は、医学博士の大川弥生さん。“生活不活発病”をご存知ですか?大きなけがや病気がなくても全身の機能が急速に衰え、最悪の場合寝たきりになってしまう、恐ろしい病気です。高齢者ほど起こりやすく、若者もなってしまう危険性があります。この、生活不活発病を改善するために、大川さんが考案した驚きの改善方法を学びます。今回、塾生6人のうち、3人が医学部の学生です。まずは、大川さんの主な活動地域である宮城県南三陸町からスタートです!

南三陸町を見渡せる丘の上。人の生活や心の復興について考えてもらうため、大川先生は塾生たちをここに呼び出しました。大川先生は、東日本大震災発生後、南三陸町に足しげく通い、仮設住宅などで暮らす人たちの調査・治療にあたっています。震災後、歩くことが難しくなったと答えた高齢者は増え続け、最新の調査では4割近くにまで上りました。その主な原因が“生活不活発病”なのです。では、生活不活発病とは、どんな病気なのでしょうか?

大川先生はある女性のもとに塾生たちを連れて行きます。その女性は震災前、畑で野菜を作り、友達に配ることが楽しみでした。しかし、震災で友達が仮説住宅へ移ったことで野菜を作る楽しみがなくなり、畑に出なくなってしまいます。それ以降、大きなケガはなく、病気になっていないにも関わらず、足腰が衰え始めました。これが、生活不活発病の初期症状です。やりたいことがなくなると、生活不活発病につながってしまうのです。

続いて訪れたのは、国道沿いの地域。環境の変化によって、生活不活発病になるケースがあることを知らせるためです。ここは、震災後の復興工事のため、大型トラックが頻繁に行きかうようになりました。もともとは交通量が少ないため、歩道は狭いまま。現地調査を大切にしている大川先生は、住民の男性に話を聞いてみました。男性は、交通量が増えて危ないため、出歩かなくなり、立っているだけでも大変になってしまったと話します。

生活不活発病の改善には、1.体を動かすための心身機能、2.生活をするために必要な動作、3.仕事をしたり、友人と遊んだりするなどの社会参加、を考える必要があると大川先生は言います。まず、社会参加の見直しが大切だとし、劇的に改善した女性を塾生たちに紹介しました。会話が好きだという女性の社会参加を、「友達に会いに行って、会話を楽しむ」と定めます。友達と会って話す楽しさを原動力に、女性の活動量は大幅にアップしたのです。

大川弥生さんのまとめ

「社会参加の向上というのが、生活不活発病を予防したり改善したりする目的でもあるし、手段でもあるということ。そこが意外と欠けちゃうから、ただ「体操教室やりましょう」とか、「リハビリやりましょう」とかいうことになっちゃうわけよ。なんで、生活不活発病を予防しなきゃいけないのよ、っていったらば、これでしょう。“楽しい人生を送ってもらうため”じゃないですか。」

ゴールデンルール

「楽しい人生を送ってほしい そう思えば治し方はみえてくる」

大川弥生さん(62歳) 医学博士

1982年久留米大学医学部大学院修了、医師・医学博士。東京大学助手、帝京大学助教授、国立長寿医療研究センター生活機能賦活部部長を経て、現在は産業総合技術研究所ロボットイノベーション研究センターの招聘研究員。専門は、生活機能学、リハビリテーション医学、介護学。生活不活発病の第一人者。著書“「動かない」と人は病む:生活不活発病とは何か”、“新しいリハビリテーション”

ナレーション吉本実憂のつぶやき

みなさん、『生活不活発病』って知っていますか?歩きにくくなれば動かなくなるのは仕方ないことだと思っていましたが、大川弥生先生の考え方には驚きです。お医者さんというと、少し遠い存在に感じられますが、大川先生は話し方がラフで、塾生との距離感が近い気がしました。大川先生は対話のプロでもあるのだと思いました。大川先生のような、“心を診る”お医者さんには興味があります。すてきなお仕事だと思います。

応援団長サンドイッチマン 今回の一言

【富澤】次回は?
【伊達】塾生たちが、生活不活発病の高齢者のご自宅に直接伺って、改善策を考えます。
【富澤】さすがに、医学部の学生が3人もいるから、その辺は大丈夫でしょ
【伊達】ドクター大川は、そんなに甘くありませんでした

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